不動産担保ローンを検討している人の中には、「家を担保にするとやばいのでは?」と不安を感じている方も多いでしょう。
実際、不動産を担保に融資を受ける場合のリスクは「ゼロ」ではありません。
一方で、不動産担保ローンは高額融資や長期返済などメリットが大きい資金調達手段の一つです。
本記事では不動産担保ローンの仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
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融資まで | 最短3日 | 最短3営業日 | 最短3日 |
融資額 | 100万円 〜5億円 | 100万円 〜5億円 | 500万円 〜5億円 |
対応エリア | 全国 | 全国 | 一都三県 |
金利 | 年2.49% ~8.99% | 年2.9% ~4.7% | 年3.8%〜 |
返済期間 | ・元金一括返済 ・元利均等返済 1ヶ月〜3年 | ・元利均等返済 5年〜25年 | ・元金一括返済 ・元利均等返済 1ヶ月~35年 ・元金均等返済 1ヶ月〜35年 |
借りやすさ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
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不動産担保ローンがやばいと言われる理由
不動産担保ローンが「やばい」と連想される理由には、不動産が競売にかけられてしまう可能性や、高金利を提示されるケースもあることが挙げられます。
しかし、実際には返済が滞ってもすぐに競売になるわけではなく、事前に金融機関と協議できることも多いのが現状です。
返済できないと不動産を失う
不動産担保ローンでは、返済が長期にわたって滞ると、不動産を失うリスクがあります。ただ、返済が厳しくなったからといって、即座に競売手続きへ進むわけではありません。
返済が滞った場合、金融機関は「返済額を軽減して様子を見る」、次に「元金を据え置く」などの対応を試みます。それでも改善が見られないと、最終的な手段として不動産を処分する流れに移行します。
しかし、ノンバンクは杓子定規に担保を売却し、債権回収をしてきますので、やはり滞納には注意したいところです。(債権管理の手間を避けて早く融資金を回収するため、銀行よりも早い段階で強硬手段を取る可能性が高い)
担保価値次第では借入額が大きくなる
不動産担保ローンで評価額が高い物件を担保にすると、「想定以上の金額を借りてしまう」というリスクもあります。借入希望額よりも大きな融資枠を提示されると、一時的には「資金繰りが楽になる」と思いがちですが、返済負担が膨れ上がるリスクを抱えることになるでしょう。
資金使途を問わない商品では、借り手が「どうせ担保があるから大丈夫」と安易に借りてしまうケースも否定できません。返済計画が十分に立てられていないまま大きな借金をすると、後から毎月の返済額に苦しむことになります。
また、不動産を根抵当権で対応している場合、後順位(※)を利用して資金調達できない可能性が高まる点も注意が必要です。
すでに抵当権が設定されている不動産には、追加で別の金融機関が担保権を設定することが難しくなるため、資金調達の選択肢が狭まるのです。
不動産の有効活用が制限されるリスクも高くなりますので、いくらまで借りるかは冷静に判断することが大切です。
※後順位とは……不動産を担保に設定する際、先順位の担保権よりも後の優先度で回収が行われる立場を指します。
信用力がない場合は金利が高くなる
不動産担保ローンでは、「不動産を担保に差し出すから金利が安くなる」という理屈は通用しません。
担保物件があれば金融機関のリスクは減るため、金利は下がると思われがちです。
しかし、実際には延滞や貸し倒れが起きた際に不動産を長期間管理し続ける手間や費用、処分に伴う手続きなど、金融機関側の負担も増えます。
貸し倒れリスクと長期間に及ぶ担保管理の手間を考えると、金融機関は低金利で貸し出すメリットがないのです。返済能力が低い(信用力が低い)人ほど、金利は高く設定されやすいと考えておきましょう。
融資期間が長期化する
不動産担保ローンは「融資期間30年」など、長期で設定できる場合があります。
短期間で返済できる見込みがあるにもかかわらず、返済額を抑えるためにあえて長期化すると、結果的に支払利息が増大する恐れが大きくなり返済不能になるリスクも高くなります。
本来は10年程度で返済できる能力があっても、ゆとりを求めて20年返済に延ばすケースも少なくありません。例えば、毎月5万円ずつ元金を返していく余力があっても、2万5千円に抑えると、単純に返済期間は倍になってしまいます。
長期返済は月々の負担が軽減されるメリットがある一方、利息が増えるというデメリットも無視できません。
将来の金利上昇リスクや、ライフプランの変化を考慮して、長期化が本当に得策なのかをよく検討することが大切です。
違法業者が存在する
不動産担保ローンには、貸金業登録を受けていない違法業者が紛れ込んでいるリスクがあり、注意が必要です。
違法業者を利用してしまうと、法定外の金利を要求されたり、個人情報が流用されたりする危険性があるため、利用前は金融庁に登録されているかどうかを必ず確認しましょう。
ネット上の口コミだけを鵜呑みにせず、公式サイトや登録番号の有無をチェックすることが大切です。
違法業者は強引な取り立てや、不動産を早期に処分しよ うとする可能性が高いため、「おかしい」と感じたら契約を避けるなどの自己防衛策を徹底することが大切です。
不動産担保ローンの仕組み
不動産担保ローンは不動産を担保に差し出すことで、高額かつ長期の資金を融資してもらえる融資の仕組みです。
無担保ローンとは異なり、担保評価が加わるために審査内容が複雑になる一方で、借入額や返済期間の柔軟性が高いのが特徴といえます。
不動産担保ローンがどのような仕組みで行われるのか、審査や融資額の考え方、無担保ローンとの違いを中心に見ていきましょう。
不動産担保ローンの基本的な仕組み
不動産担保ローンは、「担保評価額+申込人の信用力」をもとに融資可否が決まります。
無担保ローンとの大きな違いは、担保物件の価値が重視され、融資額や金利・返済期間が幅広く設定されている点です。
不動産担保ローン | 無担保ローン (ビジネスローン) | |
---|---|---|
融資額 | 100万円〜10億円程度 (金融機関により異なる) | 最大で数百万円〜1,000万円程度が一般的 |
金利 | 1.5~5.5%程度 | 3.0~18.0%程度 |
審査基準 | 不動産評価+信用状況 (不動産価値が重視されやすい) | 申込人の信用力がメイン (年収や勤続年数、勤務先など) |
審査期間 | ノンバンク系はスコアリングシステムを利用し、 1週間程度で融資実行も可能。 銀行の場合は数週間〜1ヵ月程度かかることが多い。 | 即日〜数日程度 |
保証人 | 不要な商品が多い。 ただし法人の場合は代表者の連帯保証が求められるケースがほとんど。 | 原則不要 (信用保証協会や保証会社が代位する場合あり) |
担保設定 | 抵当権・根抵当権を設定 | 担保設定なし |
資金使途 | 事業資金・個人資金・借り換えなど幅広い | 基本的には自由だが事業資金に限定されることも多い |
返済方法 | 元利均等または元金均等。 長期返済(10年以上)にも対応可能。 | 元利均等が中心。 返済期間は5年〜10年程度が一般的。 |
上記のように、担保評価の加わる不動産担保ローンは高額融資や長期返済が可能で、資金使途も幅広いのが特徴です。
一方で「不動産を失うリスク」や「審査時間が長め」などの注意点もあるため、メリットとデメリットを慎重に比較しながら利用を検討することが大切です。
不動産担保ローンにおける実際の融資額
不動産担保ローンでは、担保不動産の評価額に一定の掛目をかけ、さらに申込人の返済能力を考慮したうえで融資額が決まります。
一般的な金融機関は、担保評価額の70〜80%程度が実際の融資額となるのが一般的です。
宅地の場合は路線価や近隣の売買事例、建物の場合は構造や築年数などを加味して評価額を算定し、そこに70〜80%の掛目を乗じて融資可能額を決定します。
ただし、金融機関によっては担保掛目を100%に設定している場合や、ノンバンクも独自の評価手法を持つケースがあるため、一概に「評価額の何%借りられる」と断言はできません。
実際に借りられる金額は申込人の年収や信用状況によって上下しますし、多額の借入希望に対しては金融機関も、より厳格な審査を行います。最終的な融資額は「担保評価+返済能力のバランスで決まる」と考えておきましょう。
不動産担保ローンの利用対象
不動産担保ローンは個人・法人ともに申し込みが可能ですが、あくまで担保評価と返済能力を前提に審査が行われます。
個人の場合は、不動産担保があれば100%借りられるわけではなく、安定した収入があることや過去のローン返済実績などが見られる点に注意しましょう。
申込時点で年齢制限を設ける金融機関も多く、完済時年齢が80歳未満などのルールが定められているケースが一般的です。
法人の場合は、法人名義の不動産はもちろん、代表者の個人名義で所有している物件を担保にすることもあります。その場合、代表者個人が物上保証人(※)になる必要があるため、抵当権設定に伴う手続きや承諾が不可欠です。
※物上保証人とは……自身が借金を負わない代わりに、自分の所有する不動産などを担保として提供する人を指します。
また、市街化調整区域など流通性が低い物件は担保評価が大幅に下がる、または担保として認められない場合もあります。
結局のところ、不動産担保ローンの利用対象は「一定の市場価値を持つ不動産を所有し、しっかり返済ができる人や法人に限られる」といえるでしょう。
金利や返済期間などの条件
不動産担保ローンの金利や返済期間・手数料は、取り扱う金融機関やノンバンクによって大きく異なります。
一般的な相場と特徴を下表にまとめました。
銀行のプロパー融資 | 銀行の保証付き融資 | ノンバンクの融資 | |
---|---|---|---|
金利目安 | 1.5〜4%程度 | 3〜8%程度 | 3〜15%程度 |
返済期間 | 〜10年程度が目安 (設備投資等に利用) | 〜30年程度の商品もあり | 〜30年・35年の商品もあり |
事務手数料 | 無料〜定額 (数万円) | 借入額に応じた定額制または保証料含む | 借入金額に一定の料率が乗じられるケースが多い |
審査難易度 | やや厳しめ (担保評価+返済能力重視) | 保証会社の基準による | 比較的柔軟だが金利が高くなりやすい |
審査〜実行までのスピード | 数週間〜1ヵ月程度 | 保証会社の審査状況によるが1ヵ月程度 | スコアリングシステムによる審査で1週間程度も可能 |
銀行のプロパー融資の場合は、低金利で借りられる一方で、審査や実行までに時間がかかりやすいというデメリットがあります。
保証会社付きであれば審査期間は短縮されるものの、保証料が金利に上乗せされる場合が多くなります。
ノンバンクは、スピーディに資金化しやすい一方で、金利・手数料が高めになりやすいのが特徴です。
不動産担保ローンの利用方法
ここからは、不動産担保ローンの申込から融資実行までの一般的な流れや必要書類、資金使途に関するポイントについて見ていきましょう。
申込みから融資までの流れ
不動産担保ローンを利用する流れは、「仮申込→仮審査→本申込→本審査→融資実行」が基本です。
1. 仮(事前)申込 | インターネットや窓口、FAXなどで基本情報(担保物件の情報、希望融資額、申込人情報)を提出。 ※金融機関によっては事前申込を省略する場合もある。 |
---|---|
2. 仮(事前0審査 | 不動産評価の簡易チェックやスコアリングシステムによる審査。 最短即日~数日で審査結果がわかることもある。 |
3. 本申込 | 仮審査が通過すると、本申込を行い詳細な書類を提出。 収入証明や担保物件の登記事項証明書、公図、納税証明などを揃える。 |
4. 本審査 | 本審査では融資条件の最終確定を行い、金利・融資限度額・返済期間などが正式に決定。 場合によっては融資額や金利が変更となる場合もある。 |
5. 融資実行 | 契約締結と同時に担保設定を行い、融資金が振り込まれる。 抵当権・根抵当権の登記が実施され、司法書士が手続きをサポートするのが一般的。 |
金融機関のプロパー融資は物件の実地調査が必要となり、担当者や支店の稟議スケジュールによって回答期間が変動します。
保証会社やノンバンクを利用した不動産担保ローンは、スコアリングの導入によって審査回答が早い反面、金利や手数料が高めになる傾向がある点はおさえておきましょう。
必要書類
必要書類の不備があると、審査が滞ったり融資実行が遅れたりします。
提出タイミングが仮申込時か本申込時かで変わる場合があるので、早めに揃えておくのがポイントです。
申込ステップ | 必要書類 |
---|---|
仮(事前)申込時 | ・本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど) ・担保不動産に関する簡易情報(地番など) ・資金使途がわかる資料(あれば) |
本申込時 | ・収入証明書類(源泉徴収票、確定申告書、所得証明書など) ・登記事項証明書、公図、地積測量図、建物図面、検査済証 ・納税証明書(事業資金の場合は事業計画書や決算書も) |
融資実行時 | ・権利証(登記済証または登記識別情報通知) ・印鑑証明書 ・司法書士への委任状など融資契約 ・担保設定に必要な書類 |
備考 | ・法人の場合は法人の履歴事項全部証明書、代表者個人の印鑑証明、会社の納税証明書など ・ノンバンクを利用する場合、追加で別の書類を求められるケースもある |
仮申込時に提出を求められないものでも、早めに準備しておけば本審査がスムーズに進みます。
また、登記関係の資料は多くの金融機関が自ら取り寄せることもありますが、Web完結で申し込む場合は申込人が準備しなければならないケースが多いので注意しましょう。
資金使途
不動産担保ローンは住宅ローンや自動車ローンと異なり、資金使途が幅広い商品も多いです。
個人であれば、生活資金やレジャー資金、借り換え・おまとめ、相続税の支払い、セカンドハウスや別荘購入など多岐にわたります。
法人の場合は、運転資金や設備投資資金、借り換え資金としての利用が一般的です。
ただし、「資金使途を問わない」としている金融機関やノンバンクでも、事業資金はNGとしている商品や、借り換えは他社のみ可能(自社ローンの返済には不可)といった制限を設けるケースもあります。
融資担当者は、リスクの高い投機的な資金利用を防ぐため、用途に関するヒアリングを念入りに行うのが普通です。
事実、不動産担保ローンは、無担保融資での対応が難しい顧客に対しての商品とも位置づけられるため、金融機関もリスクヘッジを徹底しています。申込時には用途を明確化し、適切な資料を提示できるようにしておきましょう。
不動産担保ローン利用時の注意点
不動産担保ローンを利用するうえでは、個人信用情報や担保物件の瑕疵、周辺環境の問題などに十分注意する必要があります。
個人信用情報(いわゆる「個信」)に事故情報があると、そもそも審査に通らないことが多いため、申し込みを検討する前に自分の個信を確認してみるのも一手です。
また、登記事項証明書の甲区に差し押さえの記載が残っている物件や、担保に入れる物件に「環境的瑕疵」がある場合は注意が必要です。
なぜなら、いざ処分しようとしても買い手がつかず、金融機関としてもリスクが高い物件と判断するからです。
ちなみに、反社会的勢力の事務所が隣接するエリアなどは特に評価が下がります。こうした物件は融資拒否となる可能性が高いため、事前に物件の状況をしっかり把握しておくことが重要です。
不動産担保ローンを利用して資金調達するメリット
不動産担保ローンには「やばい」と言われるリスクがある一方で、うまく活用すればメリットもあります。
「高額融資や資金使途の自由度」、「長期返済ができる」など、通常の無担保ローンでは得られない点もチェックしておきましょう。
高額融資が可能
不動産担保ローンの最大の魅力は、数百万円から数億円単位まで高額融資が期待できる点です。
一般的なカードローンやフリーローンの融資額は、せいぜい数百万円が限度でしょう。
一方、不動産担保ローンなら資産価値のある自宅や土地を担保に、高額資金を一度に確保することも可能です。そのため、生活再建や教育資金、セカンドハウス購入なども検討できるでしょう。
法人なら、売上が安定しない時期でも不動産があれば審査通過できる可能性があるため、急な運転資金の調達や大型設備投資に対応できます。
無担保で数千万円以上を借りるのは難しいケースが多いため、不動産を有効活用して大きな事業資金を確保できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

資金使途の幅が広い
不動産担保ローンはほとんどの場合、資金使途の制限が比較的ゆるやか(あるいは自由)な商品が多く、個人・法人を問わず幅広いニーズに応えられます。
レジャーや投資、納税資金など多種多様な目的に対応可能です。また、多重債務の借り換え(おまとめローン)として利用すれば、毎月の返済負担も軽減できるでしょう。
無担保融資では資金使途が厳密に問われるケースが多いのに対し、不動産担保があることで金融機関としても柔軟な対応が可能です。
長期返済が可能
不動産担保ローンの中には10年〜30年、場合によっては35年など超長期の返済期間を選択できる商品も存在します。
個人の場合、給与収入が急激に増えない場合でも、長めの期間を設定することで毎月の返済額を抑え、家計への負担を軽くできるでしょう。大きな出費が控えている時期や、子どもの学費などが重なる場合などにも役立ちます。
法人の場合も、運転資金を長期的に借り入れることで資金繰りを安定化させるメリットがあります。
短期返済だと毎月の返済額が大きく経営を圧迫する可能性があるため、あえて長期でゆとりを持たせるわけです。
とはいえ、長期借入は支払い総額の増加を招く側面もあるため、「繰上返済や一部返済を柔軟にできるか?」、「手数料はどの程度かかるのか?」なども事前に確認しておく必要があります。
低金利で利用できる
無担保ローンと比較すると、一般的に不動産担保ローンの金利は低めです。ただし、「低金利」の幅には個人の信用力や担保評価、金融機関ごとの方針などが大きく影響します。
銀行のプロパー融資で不動産担保を差し出せば、年2〜3%台といった比較的低金利を提示されるケースもあるでしょう。法人でも、赤字決算や債務超過などで金利が上昇しそうなとき、不動産を担保に入れることで金利を抑えられる場合があります。
一方で、ノンバンクや保証会社付きの不動産担保ローンでは、金利が5〜10%程度とやや高くなることもあるので注意が必要です。
どのタイプの商品を選ぶにしても、延滞が発生した場合、労せずに債権を回収できることが金融機関のメリットであり、その分のリスクをどう評価するかで金利が決まります。
よって、「不動産担保だから絶対に低金利」という思い込みは禁物で、複数の金融機関・ノンバンクで条件比較するのがおすすめです。

不動産担保ローンを利用して資金調達するデメリット
不動産担保ローンには、デメリットも存在します。
特に「不動産を失うリスク」は最たるもので、高額借入や長期返済に伴う負担、諸費用の多さなども見逃せません。
利用を検討する際は、メリットと同時にこうしたデメリットを正しく把握し、無理のない借入計画を立てることが重要です。
以下では、不動産担保ローンにおける代表的なデメリットを紹介します。
不動産を失う可能性がある
不動産担保ローンの最大リスクは、返済不能に陥ったときに担保として差し出した不動産が処分されてしまう点です。
金融機関は、返済が滞るとまずは支払い条件の変更や元金据え置きなどを提案しますが、延滞が続けば期限の利益を喪失させ、競売や任意売却などの手段を取ります。
売却額が融資残高を下回れば、差額を自己資金で補填しなければならない可能性もあり、物件だけでなく追加負担までも発生しかねません。
また、市場動向によっては不動産の価値が下落している場合があり、当初の評価額よりも低い金額でしか売却できないケースもあります。
そのため、借入額を上限いっぱいに設定してしまうと「残高>売却額」となるリスクが高く、破産に近い状況へ追い込まれることもあるのです。
不動産担保ローンはあくまで「返済できる見込みが立つ人」が利用するものであり、返済計画を軽視すると大きな代償を支払う結果になり得ることを認識しておきましょう。
諸経費負担が多くなる
不動産担保ローンを利用すると、抵当権や根抵当権の設定費用、司法書士報酬、融資事務手数料など、無担保ローンにはない諸費用がかかります。
中でもノンバンクを利用する場合は、融資金額に一定の料率をかけた手数料が請求されるケースが多く、借入額が大きいほど初期費用も高額化します。
また、繰上返済を行う際に別途手数料が発生する契約も多いため、早期返済を検討している場合は要注意です。
さらに、抵当権設定登記をするためには、登録免許税や司法書士への委任費用が必要となり、これらの費用を自己資金から支出するか、融資額に含めるかで総返済額が変わってくる点も見逃せません。
金利だけを見て「お得かも?」と思って契約したら、「諸費用を含めて計算するとむしろ割高だった」というトラブルもあるため、契約前に総支払額をしっかり試算しておくことが大切です。
担保評価額の範囲内でしか借入ができない
不動産担保ローンは不動産の評価額を基準として融資限度額が決まるため、担保評価額を大きく上回る借入は不可能です。
基本的には担保評価額×70〜80%が上限であり、築年数や構造、立地などで評価が下がると希望額を満たせないケースがあります。
評価額が低ければ、追加で他の物件を担保に出すか、本人保証に頼るしか手段はありません。
そもそも不動産担保ローンは、担保評価額以上の貸出は難しいといえる金融機関の融資スタンスが前提となっており、どれだけ「信用力がある」と言っても、評価を無視して貸し出すことはほとんどありません。
審査に時間を要する場合がある
不動産担保ローンの審査は、物件調査や書類確認などが必要になるため、無担保ローンよりも時間がかかりがちです。
金融機関のプロパー融資の場合は、支店の担当者が現地調査を行い、担保調査書を作成し、本部の稟議にかけるなどステップが多く、数週間から1ヵ月ほど要するケースも珍しくありません。
一方、ノンバンクや保証会社付きのローンはスコアリング審査が主流のため、1週間程度で結果が出る場合もありますが、それでも即日融資は難しいでしょう。
また、利用者側の書類不備や金融機関とのやり取りのスケジュールが合わず、手続きが滞る可能性もあります。
資金が急ぎで必要な場合、準備を念入りにしておかないと計画通りに資金調達できず、手遅れになるリスクがあるのです。
したがって「いつまでにいくら必要か」を明確にし、余裕を持って申し込みを進めることが重要となります。
不動産の有効活用が制限される
一度不動産を担保に入れると、後から売却や建替えなどを自由に行うには金融機関の承諾が必要になり、計画通りの不動産活用がしにくくなる可能性があります。
ローン残高がある状態で売却する場合は、抵当権抹消のために全額返済が前提となるため、新たな不動産投資や買い替えを検討していてもスムーズに進まないケースも多いでしょう。
また、更地の土地を担保にしていた場合に建築工事を行おうとすると、追加融資を求められたり、金融機関から追加担保の提供を要求されたりする場合もあります。
根抵当権の設定だと極度額いっぱいまで利用した時点で「融資枠がいっぱい」になり、返済が進んでも自動的に枠が復活しない点も留意しなければなりません。

安全な不動産担保ローン会社を選ぶ方法
不動産担保ローンを扱う会社は銀行からノンバンクまでさまざまで、中には違法業者も存在します。
安全に利用するには、登録の有無やローン条件の透明性、実績の確認など、しっかりと見極めることが大切です。

メイン銀行に相談してみる
不動産担保ローンを利用したいなら、まずは給与振込や住宅ローンなどで取引実績のあるメイン銀行に相談するのが最も安心です。
既存の取引履歴があるため、担当者との信頼関係が構築されている場合が多く、詳しい審査ポイントや追加書類についても丁寧に案内してもらえる可能性が高いでしょう。
日常的に取引を行うメインバンクの担当者が、状況に応じて別の提携ローンや保証会社付き商品を紹介してくれるケースもあります。
ただし、地方銀行や信用金庫は地域密着型の金融機関であり、担保物件が営業エリア外の場合は融資が難しくなる点には注意しましょう。
もしメイン銀行での融資が厳しいと感じた場合でも、担当者を通じてほかに提携しているノンバンクなどを教えてもらえる可能性があるため、まずは相談してみる価値があります。
ローンの条件を確認する
融資額や金利、返済期間、諸経費(手数料)の明記があるかどうかを必ずチェックしましょう。
不動産担保ローンを提供する金融機関やノンバンクの公式サイトには、商品概要が掲載されていることが多いので、事前に目を通すことで大まかな条件を把握できます。
条件開示が不十分で「問い合わせをしないとわからない」という業者は、透明性が低い可能性があるため要注意です。
また、融資条件に「資金使途自由」と書かれていても、実際には「事業資金は不可」「借り換えは他社のみ可能」など細かい制限を設けているケースもあります。
思っていた条件と違う契約を結ばないよう、電話やメールで疑問点を必ず確認することが大切です。
契約書面の内容も、金利や違約金・繰上返済手数料、遅延損害金などの条件がしっかり記載されているかチェックしましょう。
信頼できる金融機関(ローン会社)を選ぶ
不動産担保ローンは長期返済が前提となることが多いため、長く付き合える金融機関かどうかが重要です。
大手銀行や地方銀行は将来的な合併などのリスクはあるものの、基本的に経営基盤は安定しており、法律を守って事業運営をしています。
ノンバンクに目を向ける場合は、会社の沿革や資本金、過去の行政処分歴などを確認し、貸金業登録番号が正しく有効であるかもチェックしましょう。
口コミサイトや利用者の体験談は参考になる場合もあれば、過度に誇張されているケースもあります。最終的には公式情報や実際の担当者とのやり取りで判断するのが望ましいでしょう。
特に返済条件の変更や繰上返済の対応など、柔軟性がどの程度あるかを知るためには、直接質問するのが確実です。
長い目で見てサポート体制が整っている会社を選ぶことで、万一のトラブルに対しても落ち着いて対応できるでしょう。
不動産担保ローンで資金調達をする流れ
不動産担保ローンの申し込みを決意したら、まずは担保にする物件の選定から始める必要があります。
どの金融機関・ノンバンクを選ぶか、必要書類は何か、審査でどのようなポイントが見られるかなど、事前に把握しておくとスムーズです。
担保にする不動産を決める
担保に出す不動産は「評価が高く、流通性がある物件」を選ぶのがベストです。逆に言えば、再建築不可物件や過疎地の不動産などは評価が低く、十分な融資を受けられない可能性があります。
- 良い物件……整形地、築年数の浅い物件、市街化区域内で周辺環境も良好、地目が宅地や雑種地など比較的転用が容易
- やめた方がいい物件……不整形地(旗竿地など)、再建築不可物件、共有名義で共有者の同意が得られない、周辺に反社会的勢力事務所など環境的瑕疵がある物件
市街化調整区域の物件は、金融機関によっては取り扱いが制限されることも多いため注意が必要です。
金融機関によっては、市街化調整区域の不動産は担保に取らない方針のところもあります。
また、法人が代表者自宅などを担保に入れる場合は、共有名義かどうか、違う名義人がいないかを確認し、物上保証が必要になる点を念頭に置きましょう。
申込む金融機関やノンバンクを選ぶ
金融機関かノンバンクかを決めるには、「融資スピード」「金利」「手数料」「融資可能額」「来店の必要性」といったポイントを考慮しましょう。
急いでいるならWeb上で申込みから実行まで完結できるノンバンクが候補になりますが、手数料や金利が高めになりやすいデメリットもあります。
一方、銀行を利用すれば金利は低めに抑えられる可能性がありますが、審査に時間がかかりがちです。
高額資金を借りたい場合は、銀行から優先して検討しましょう。ただし、銀行は担保評価と返済能力を厳しく審査するため、希望額の100%が借りられる保証はありません。
法人の場合、事業計画や資金使途が明確に示されていると審査で好印象を与えやすく、より有利な条件を引き出せる可能性があります。複数の候補を比較し、総返済額やサポート体制なども含めて総合的に判断しましょう。

必要書類を準備する
提出書類の不備が融資実行を遅らせる大きな要因となるため、事前にしっかり揃えておきましょう。
特にノンバンクでWeb完結型の申込をする場合は、登記事項証明書や公図、地積測量図、建物図面などを自分で取り寄せる必要があります。
口頭で住居表示を伝えれば金融機関が担保調査を進めてくれるところもありますが、オンライン申請ですべてを自己完結できる仕組みを用意しているノンバンクも増えています。
融資実行時には、権利証(登記済証や登記識別情報通知)や印鑑証明書が必須です。手続き当日に忘れたり、書類の内容に相違があったりすると、融資実行日がずれ込んで計画が狂ってしまうこともあります。
法人の場合は決算書類や納税証明書など、追加で求められる書類が多いため、事前にリストアップしてミスのないように準備しましょう。

審査通過のポイント
不動産担保ローンの審査を通過するには「不動産評価」と「返済能力」の両方がポイントとなります。
まず担保物件に十分な価値があることが大前提ですが、それだけでは不十分で、申込人が安定して返済できるだけの収入(または事業利益)を示す必要があります。
過去の延滞履歴や信用情報に問題がないことも重要で、クレジットカードや他社借入の返済に遅れがあったり、カードローン枠をめいっぱい使用しているとマイナス評価となりやすいです。
また、希望額が担保評価ギリギリだったり、収入から見て返済が厳しそうと判断されたりすると減額の可能性が高くなります。なるべく余裕をもった返済計画を提示し、金融機関が「貸し倒れの心配が少ない」と感じることがポイントです。
法人であれば、具体的な事業計画書や資金使途の明確化、最近の決算書が好調であることなどが審査を通過しやすくする要素になります。

諸経費に注意する
不動産担保ローンの諸経費には抵当権設定費用、登録免許税、司法書士報酬、融資手数料などがあり、合計すると数十万円以上になる場合も珍しくありません。
特にノンバンクの場合、融資金額に応じて数%の手数料が発生することがあり、高額資金を借りるほど初期コストが膨らみます。
また、保証会社付きの銀行ローンでは金利に保証料が含まれているかどうかを確認しましょう。含まれていない場合、別途一時払いの保証料が必要になるケースがあります。
さらに、繰上返済や一部返済を検討しているなら、違約金や手数料がかかる条件にも注目が必要です。
契約前に「諸経費を融資額に含められるか」「繰上返済手数料はいくらか」など細部を確認し、総返済額を正確に試算することが失敗を防ぐ秘訣です。

不動産担保ローンのメリット・デメリットまとめ
不動産担保ローンは、高額融資・長期返済・資金使途の柔軟さ・金利の低さなど、多くのメリットを持つ一方で、不動産を失うリスクや諸費用の高さ、担保評価以上の借入ができないといったデメリットも抱えています。
特に、返済が滞れば最終的には競売にかけられる危険があるため、利用には入念な計画が欠かせません。
信頼できる金融機関を選び、書類や返済プランをしっかり整えたうえで、メリットを最大限に活かせるようにしましょう。