経営者を集客してセミナーを開催している皆様、セミナー参加者に記入していただくアンケートはきちんと練り上げたものを準備していますか?
もし、あまり深く考えずにアンケートを作っている方は、セミナーを開催する目的をもう1度、考え直してみてください。セミナー集客をしている多くの主催者にとって、セミナーを開催する狙いは「自社の商品・サービスに興味を持っていただける経営者を見つけるため」です。
つまり「営業活動」の一環としてセミナーを行っていらっしゃるのです。
そう考えたときに、セミナー後の商談を行うにあたって、
「なぜセミナーに参加したのか?」
「セミナーのどの部分に特に興味を抱いたのか?」
「今、どんな悩みを解決したいのか?」
などの情報をアンケートで取得できれば、その後の商談がとてもスムーズに進むのではないでしょうか。
にもかかわらず、セミナーでアンケートを取らないのは、営業活動で何ひとつ相手の話を聞かずに言いたいことだけ喋って帰ってくる『ダメ営業』と同じです!
経営者をセミナーに集客する以上は、必ず意味のあるアンケートは取りましょう。
この記事では、アンケートを「事前」と「事後」の2回に分けて設計する方法と、それぞれで聞くべき項目、そしてオンラインセミナーでの回収率を高める工夫を、年間600回以上の経営セミナーに携わる私たちの経験から解説します。
アンケートは『事前』と『事後』の2回に分ける
多くの主催者は、アンケートの回収はセミナー終了後の1回だけ実施すると考えがちです。しかし、それでは取れない情報があります。しかも、その情報はその後の営業活動を考えたときに大きな価値があるものです。
そのため私たちは、セミナーの「事前」と「事後」、2回に分けてアンケートを取得することを推奨しています。
事前にアンケートが必要な理由は「セミナーへの参加動機・理由」をできるだけ正しく聞き出すためです。なぜなら、セミナーの終了後に同じ質問を投げかけると、セミナーの内容に影響を受けてしまい、本当の参加動機が聞き出せない可能性があるからです。「講師の話を聞いて、そういえばうちも◯◯が課題かも」という後付けの回答では、本当の課題が分かりません。
セミナー後の商談に向けて知っておきたいことは、セミナー参加を決めた時点で経営者本人が抱えていた課題であり、このセミナーに何を期待してわざわざ申込をしたのか、という参加者の本音です。
その本音を掴むことができれば、その後の商談での提案ポイントやロジック、ストーリーも描きやすくなります。そのためにも「事前」のアンケート回収が不可欠なのです。
一方で、セミナー終了後にしか聞けないものもあります。
・セミナー内容に対する共感ポイント(どの部分が良かったか)
・セミナー内容に対する感想
・個別相談の希望
などがそれに該当します。
つまり、事前と事後の2回のアンケートで取得すべき項目を整理すると、
・事前:セミナーへの参加動機・理由(解決したい課題)
・事後:個別相談の希望、共感ポイント、感想
となります。
なお、事前にアンケートを取得することでもうひとつの効果が期待できます。それは、セミナーへの参加率アップにつながる点です。事前に「課題」を聞き出すことで、「あなたが抱える◯◯◯◯という課題について、当日こんな話をする予定です」と個別に訴求できれば、参加意欲を高めることになりキャンセル防止に繋がります。
リマインドメールでの具体的な活用方法は「経営者のセミナーキャンセルを減らす方法|5回のリマインドメール術」で解説しています。
事前アンケートで聞くこと
具体的な設問項目としてはこのようなものになります。
「セミナーにお申込みになった理由を教えてください」
「セミナーを通じて、どんなお悩みを解決したいと思って申し込まれましたか?」
「どんなお悩みを解決できたら、セミナーの満足度は高まりますか?」
この設問によって、セミナー参加予定の経営者が何にお悩みになり、何を課題に感じているのかが把握できます。その情報は、後日の商談で、相手に沿った提案ができるようになり、契約確率を高めることにつながります。
特に3つ目の「どんな悩みを解決できたら満足度が高まりますか」は、満足度という言葉を使いながら、実は課題を聞き出している設問です。参加者にとっては「アンケートに答える」感覚で本音を書いていただける可能性が高いです。
では、この事前アンケートはどのタイミングで取得するべきでしょうか。
タイミングとしては、以下3つが考えられます。
①申込フォームに設問を組み込む
②申込直後の御礼メールで依頼する
③セミナーの冒頭で、Zoomなどのチャット画面でフォームを送る
しかし、①の申込フォームで取得するのは、回答率は高まりますが、申込の手間が増えて申込率が落ちるうえ、その場で急いで書くため回答が短く雑になりやすいです。また③のセミナー冒頭でチャットで取得するのは、講師や司会から口頭で依頼ができるので回答してもらいやすいですが、その内容をリマインドメールなどに活かせないのが残念なところです。
そう考えると、②の申込直後に送る御礼メールで依頼する方法が最適でしょう。
セミナー申込直後は参加意欲が最も高い状態なので回答いただきやすく、またじっくり書いてもらう時間を取れるため正しい情報を取得できます。さらに、その内容をリマインドメールにも活かせる利点もあります。
ただし、欲張ってたくさんの設問を用意すると回答率が下がってしまいますので、本当に聞きたい項目だけに絞って準備しましょう。
事前アンケートの回答率は100%を目指したいところですが、さすがにそれは難しいでしょう。まずは6割程度を目指すのが良いと思います。
なお、事前アンケートに回答いただいた方は参加いただきやすい傾向がありますので、参加率アップのためにも事前アンケートの回収は注力する意味があります。
事後アンケートで聞くこと
セミナー終了後に取るアンケートでは、3つの項目を聞きましょう。
それぞれ目的が異なりますので、順に解説します。
①個別相談の希望(候補日つき)
次の商談に直結する最も重要な項目です。
具体的な設問としては、例えば以下のとおりです。
「◯◯に関する無料個別相談(60分間)をお受けします。希望されますか?」
◯◯の部分は、AI導入コンサルタントであれば「自社でのAI活用」になりますし、人事コンサルタントであれば「採用」とか「人事制度」になります。
こういった設問をしても、全員がセミナー後に個別相談を希望するわけではありません。しかし、そんな中でもわざわざアンケートで個別相談を希望する経営者は、
「この講師に、我が社のことを相談してみたい!」
と宣言をしています。つまり、最優先で営業フォローを行う参加者が誰なのかを判別する役割があります。
さらに、「個別相談」を希望した方に、面談候補日を複数日程提示して希望日を選んでいただくところまでアンケートで実施できるとベストです。
よくある失敗は、「個別相談」を希望いただいた経営者に、その後、アポイントを取ろうと電話やメールをしても、一向に連絡がつかずに終わってしまうということです。これでは、せっかく費用を掛けて取り組んだセミナー集客がムダになってしまいます。
そのためアンケートに個別相談の希望日程を選んでいただけるようにすることで、日程調整の連絡を省くことができ、確実に次の商談に繋げることが可能になるのです。
この「無料個別相談」という受け皿の作り方や、獲得後のフォローについては「経営セミナーを商談につなげる4つのポイント|アポイント獲得の設計法」で詳しく解説しています。
経営者をセミナー集客するにはコストが掛かります。しかし、アンケートのちょっとした工夫によって、コストを有効に使えるのです。
②共感ポイント(満足度の点数では意味がない)
アンケートでよく見るのは『満足度』を聞く項目です。例えば「今日のセミナーはいかがでしたか?」という設問で、それに対して、5点満点で点数を付けてもらうような内容です。
ただ、はっきり申し上げて、満足度の点数だけ把握しても、あまり意味がありません。もちろん、満足度を知ることは大切なことです。しかし、例えば「5点」を付けていただいた参加者がいたとしても、その方との個別面談時にどんな提案をすれば良いのか、といった情報は一切分からないのです。
そうではなく、本当に聞くべきなのは、
「セミナーのどの部分が特に参考になりましたか?」
「セミナーのどの部分を活かしたいと思いましたか?」
という「共感ポイント」です。
これは、参加した経営者が抱えている課題や悩みを把握することに繋がります。なぜなら、どこに反応したのかは、何に困っているのかの裏返しだからです。
さらには、何を大切に考えるタイプの経営者であるのかを把握することにもなります。
また、事前アンケートとの組み合わせができれば、事前に「解決したい課題」と事後の「どこに反応したか」が揃うため、商談時の提案精度が高まります。
これらの情報を持って、セミナー後に商談に挑むことができれば、皆様の商品・サービスを提案する切り口が事前にいくつも準備でき、スムーズな契約・受注に繋げることができるのではないでしょうか。
③セミナーの感想(次回の集客素材)
これまでの2つの項目とは目的が違い、次回以降のセミナー集客のために「ご参加者の声」として集客素材に使用するための項目です。
設問例としては、このような感じです。
「今後このセミナーに参加される経営者に向けて、おすすめの一言をお願いします」
同じセミナーを繰り返し開催していると、どうしても回数を重ねるごとにセミナー集客が難しくなってきます。そのセミナー集客の問題を解決するためには、参加を迷っている経営者の背中を押す情報が必要になります。その最も効果的なものが「参加者の声」です。
使い道は3つあります。
・LP・告知ページへの掲載
・リマインドメールでの紹介
・御礼メールでの紹介
御礼メールでの具体的な使い方は「セミナー参加した経営者への御礼メールの書き方【文例付き】」で解説しています。
ただし、いただいたコメントを使用する場合は、個人が特定される情報は記載しないこと、あるいは、会社名やお名前を記載することの了承を取るなどの対応は必要ですのでご注意ください。
オンラインセミナーでアンケート回収率を上げる方法
最後にお伝えしたいことは、「事後アンケートの回収率」についてです。
事後アンケートは、セミナー後の営業活動に活かすためのものです。回収できなかった分だけ営業機会を失っていることになりますので、回収率の目標は100%に設定しましょう。そして、そのためのアクションをセミナー企画段階でしっかり固めましょう。
最大のポイントは「送るタイミング」です。
セミナー終了後に送る御礼メールでアンケートへの回答をお願いしている主催者もいらっしゃるかもしれませんが、これは回収率が大きく下がるためおすすめできません。
アンケートの回収は、必ず参加者と繋がっているオンラインセミナーの開催中に行うことが鉄則です。Zoomなどのチャットを使い、アンケートフォームのリンクを送りましょう。
ただし、セミナーや質疑応答がすべて終わった後に「アンケート記入時間」を取るようなやり方ではいけません。それでは、アンケート記入せずに退室してしまう参加者がどうしても発生してしまいます。
そうではなく、セミナーの最後に行う「質疑応答」の最中にアンケート記入を促すのです。質疑応答中は参加者もその内容に関心がありますので、ここで退室することはありません。一方で、質問をするのは一部の参加者だけなので、他の参加者には待ち時間が生まれています。その時間をアンケート記入に充ててもらうのです。
講師や司会から「いまチャットに送ったリンクからアンケートにご回答ください」と依頼するのが効果的です。そうすることで、質疑応答が終わる頃には、大半の回答が集まっているでしょう。
もちろん、質疑応答が終わった時点でも全員が記入し切れていない可能性もありますので、最後に5分ほどの「アンケート記入時間」が確保できるよう、余裕を持ったタイムスケジュールを意識してください。
それでもアンケート回答していただけなかったり、時間の都合で退室を余儀なくされる参加者もいらっしゃるでしょうから、その方に対しては、終了後の御礼メールで再度依頼することは忘れずに行ってください。
まとめ
アンケートは「感想を集めるもの」、あるいは「満足度を確認するもの」ではなく、セミナー後の商談を有利に進めるための「営業活動の一部」です。
改めて、この記事でお伝えしたポイントを整理します。
アンケートは「事前」と「事後」の2回に分ける
事前アンケートでは、参加動機と抱えている課題を聞きます。セミナーの内容に影響される前の本音を掴むためです。取得は申込直後の御礼メールで依頼するのが最適で、回答内容はリマインドメールにも活かせます。
事後アンケートでは、3つの項目を聞きます。
・個別相談の希望:最優先で営業フォローすべき相手が分かる。候補日まで選んでもらえば商談が確実になる
・共感ポイント:どこに反応したかは、何に困っているかの裏返し。提案の切り口が見つかる
・セミナーの感想:次回以降の集客素材として使える
回収はセミナー開催中に済ませる
質疑応答の時間にチャットでフォームのリンクを送り、その場で記入してもらいます。終了後に依頼しても、大半は戻ってきません。
冒頭で「アンケートを取らないのは、相手の話を聞かずに言いたいことだけ喋って帰る『ダメ営業』と同じ」と書きました。しかし、ただ取るだけでも不十分です。何を、いつ聞くのか。そして、どうやって確実に回収するのか。そこまで設計して初めて、アンケートは商談の武器になります。
まずは事後アンケートに「個別相談の希望」の項目を加えるところから始めてみてください。それだけでも、次のセミナーの成果は変わります。
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