キャンセル防止はセミナー集客よりも費用対効果が高い!
経営セミナーを企画し、経営者をセミナー集客している主催者の皆様は、セミナー参加申込数を増やすことに注力しがちですが、キャンセル率を抑える取り組みは後手に回っていることが少なくありません。
しかし、経営者をセミナーに1人集客するのに、約1〜3万円の販売促進費や広告費がかかると言われています。つまり、キャンセルが1人出るたびに、それだけのコストがムダになってしまうのです。
仮に20名の経営者をセミナー集客できたとしても、キャンセル率が35%であれば、7名が欠席となり、金額にして7万円〜21万円が消える計算になります。
このキャンセル率を前提に集客目標を設計する方法は「経営者向けセミナーの最適な集客人数は10名|集客目標の立て方」で解説しています。
新たに経営者を1人、セミナーに集客する労力に比べれば、キャンセル者を1人減らす労力のほうが圧倒的に小さいはずです。しかも、あなたが開催するセミナーに少なからず興味を抱いた経営者です。そんなお客様をないがしろにして、新たな集客を優先するのは本末転倒です。
だからこそ、セミナー集客と並行して、キャンセル防止活動も計画的に行いましょう。以下、そのポイントを解説します。
経営セミナーのキャンセル率の実態
対策の話に入る前に、経営セミナーの一般的なキャンセル率はどれくらいなのか確認しましょう。
日程やテーマ、イベント内容によっても大きく変わりますが、年間600回以上、26,000名以上のセミナー集客を行っている私たちの実績値で申し上げますと、無料ウェビナーのキャンセル率は平均35%前後です。
無料ウェビナーは申込のハードルが低い分、参加への拘束力も弱く、また移動も伴わないため「行かなくてもいいか」という心理が働きやすいことも影響しています。
ただし、これから紹介する対策を実践すれば、20〜30%程度まで下げられます。キャンセル率が5%下がれば、20名申込なら1名、100名申込なら5名分の販促費(1〜3万円×人数)を取り戻せる計算です。
もし自社のキャンセル率が35%を大きく超えているなら、集客の努力が漏れている状態ですので、すぐに見直しを行いましょう。
なお、キャンセル率は開催する時間帯によっても大きく変わります。特に夜19時以降の開催はキャンセル率が50%を超えることも珍しくありません。詳しくは「経営者をセミナー集客しやすい曜日や時間帯は?【リアル/オンライン別】」をご覧ください。
経営者がセミナーをキャンセルする5つの理由
経営者がセミナーをキャンセルする理由を考えてみましょう。
概ね、以下5つに整理できるのではないでしょうか?
①申し込んだことを忘れていた
②日程を勘違いしていた
③別の予定が入ってしまった(優先度が低かった)
④セミナーへの興味がなくなった・面倒になった
⑤体調不良・緊急対応
この5つのうち、最後の⑤「体調不良・緊急対応」は不可抗力のため、防ぎようがありません。
しかし、①〜④の4つは、主催者による働きかけによって防ぐことが可能な理由です。
ではどのように防げばよいのでしょうか?
方向性としては以下の2つの工夫があります。
・申込内容(日時・テーマ)を定期的に思い出させる工夫 → ①②を防ぐ
・セミナーへの期待感を高め続ける工夫 → ③④を防ぐ
では、私たちが取り組んできたキャンセル防止策を以下にご紹介します。
対策の柱は「リマインドメール」——申込から当日まで5回送る
具体的な対策として取り組むのは「リマインドメール」の送付です。私たちが推奨するのは、セミナー申込をなさった経営者に、最低5回、メールによるコミュニケーションを取ることです。
送付するタイミングは、
・お申込みの当日、あるいは翌日(御礼メール)
・セミナー開催の2週間前
・セミナー開催の1週間前
・セミナー開催の3日前
・セミナー開催の前日(あるいは当日朝)
そして、5回のメールにはすべて、基本情報である、
・セミナータイトル
・登壇者が著名な方なら、その講師名
・開催日時
・受講方法(視聴URLなど)
・お問い合わせ先(TEL・メール)
の5項目を必ずお知らせします。
その上で、各ステップで送るメールの内容とポイントをご紹介します。
ステップ-1(お申込みの当日、あるいは翌日)
実は一番重要なリマインドメールがこの1本です。このメールは、申込直後にシステムから自動的に届く「受付完了メール」とは異なります。セミナー申込に対する御礼に加えて「セミナーへの期待感を高める情報」が求められます。
例えば、
・主催企業や講師の紹介(その分野の専門家であることを伝える)
・当日お伝えする内容の一部を先出し
・過去の参加者の声
などをお知らせします。動画やウェブページなどがあれば、それを紹介すると効果的です。
セミナーに申し込んだ瞬間は、参加への動機づけが最も高い状態です。そのタイミングで、より期待感を高める情報をお届けすることで、参加意欲を早い段階で高めていくのです。
また、このタイミングだからこそできるのが「事前アンケート」のお願いです。セミナーに期待することや現状の課題などをヒアリングできれば、セミナー当日までに送るリマインドメールにも活かすことができ、キャンセル防止にとって重要な情報となります。
加えてカレンダー登録への誘導をするため、Googleカレンダー追加リンクを用意してご案内するのも効果的です。
ステップ-2(開催2週間前)
申込から時間が経ち、記憶と熱が薄れ始める時期です。
そのため「申込時の気持ちを思い出させる」ことを目的にしたメールになります。
ここでは、申込直後に送ったステップ1とは別の素材で期待感を再点火する必要があります。例えば、以下のようなことが考えられます。
・当日のプログラム・タイムスケジュールの紹介
・講師からの一言メッセージ
・「こんな課題をお持ちの方に特に役立ちます」という対象者の再確認(自分ごと化)
特に、ステップ1で「事前アンケート」を実施していれば、そこでヒアリングした申込者の課題・悩みに触れながら、「その解決のヒントが当日のセミナーで得られる」と伝えるのがポイントです。
ステップ-3(開催1週間前)
開催1週間前になれば、他の予定が次々と入ってくる時期です。
そのため「セミナーの優先度を維持すること」を目的にしたメールになります。
このタイミングで効果的なのは「人気の高いセミナーであること」の提示です。
「すでに◯名がご参加予定です」
「まもなく満席となる見込みです」
など、多くの経営者がこのセミナーに興味を持っていることを伝えましょう。
さらに、事前アンケートの回答が集まっている場合は、
「参加予定の皆様からはこんな課題が寄せられています!」
と提示すれば、「自分と同じ課題を持つ経営者が集まるセミナーだ」と感じてもらえ、期待感がさらに高まります。
ステップ-4(開催3日前)
このタイミングでは、開催日時・視聴URLなどを事務的にお知らせするシンプルな内容で構いませんが、加えて、次のような一文を必ず入れましょう。
「ご欠席になる場合は必ず事前にお知らせください。現時点では、予定どおりご参加でよろしいでしょうか?」
開催3日前ですので、セミナーにお申込になった経営者の方々もほぼ当日のスケジュールが固まっています。また、これまでに3回もメールでお知らせをしており、多少なりとも親近感をお持ちいただいているため、上記のようなご質問にもきちんと回答いただける方が多くなります。
もちろん、ご返信をいただけない方もいらっしゃいますので、その方々には、あわせてお電話を差し上げて出欠確認することも効果的です。
事前に欠席であることが分かれば、別日程への振替ができますし、追加集客の余地が生まれます。
ステップ-5(開催前日、あるいは当日朝)
経営セミナー参加に対する最終の念押しを行います。
また、このタイミングでは、お申込になった経営者も「視聴URLはどのメールにあったかな?」と探し始めます。そのため、前日や当日朝にあらためてURLを送っておけば、参加者は古いメールを探し回る必要がなくなり、「探すのが面倒」による直前の離脱が防げます。
メールには以下を分かりやすく記載しましょう。
・視聴URL
・開始時間(◯分前から入室可能か)
・緊急連絡先(「接続できない」、「音声が聞こえない」などの対応窓口)
キャンセル防止マニュアルに完成はない
以上が私たちが推奨している5回のリマインドメールです。
1通1通は小さな働きかけですが、セミナー開催ごとに毎回きちんと行うことで、ドタキャンは格段に減少します。
ただし、これらの対策を実施しても、すべてのセミナーでキャンセルを抑えられているわけではなく、うまくいかないセミナーも当然あります。
そのため、私たちは経営セミナーが終わるたびに振り返りを行い、新たなキャンセル防止策を考えて、マニュアルをブラッシュアップしています。その繰り返しが、キャンセル率を35%から20%台へと下げてきた原動力です。
ぜひ、せっかくのセミナー集客をムダにさせないためにも、この記事の内容をたたき台に、あなたの会社にあったキャンセル防止マニュアルを作成してみてください。
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