エンジェル投資をしたいと思っても、リターン相場がわからなくて躊躇している人もいるでしょう。
日本におけるエンジェル投資家の数は欧米に比べて少ないため、投資の成功率を知らない人も少なくありません。
本記事ではエンジェル投資家のリターン相場を解説するとともに、高リターンが見込める投資先の探し方を紹介します。
エンジェル投資に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
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本人確認が済んでいる起業家はある程度信頼できるので、投資先を探す際の一つの指標になります。
単純に投資先を探す手段としても有用ですし、自社の新規事業を任せる社長を見つけるために利用するという方法も投資家にとっては大きなメリットになります。
エンジェル投資家のリターン相場
日本国内におけるエンジェル投資家のリターン相場は、一般的に10%だとされています。
ベンチャー企業の生存率は5年後で15%、20年後は1%にも満たないことから、エンジェル投資家の成功率はかなり低いと言えます。
エンジェル投資は、スタートアップ企業が成長したときに株式を売却したり配当を得たりするのが目的なので、出資した企業が倒産してしまうとリターンは得られません。
投資の成功率は高くないものの、スタートアップ企業の株は安価で購入できる場合があり、少額から投資ができるメリットがあります。
株式投資のように継続的な利益は得にくいですが、出資した企業が成長すればハイリターンを期待できます。
少額投資で一般的な株式投資よりも大きなリターンを得られるのは、エンジェル投資の大きな魅力です。
エンジェル投資家がリターンを得るタイミング
エンジェル投資家は、主に以下4つの方法でリターンを得ています。
- M&Aによる株式売却
- IPOによる株式売却
- 配当金によるインカムゲイン
- 会社清算時の分配
それぞれどのようにリターンを得るのか、どんな注意点があるかを解説します。
M&Aによる株式売却
企業の買収(M&A)による株式売却によって、エンジェル投資家はリターンを得られます。企業の成長とともに株価は上昇するため、適切な時期に売却すれば大きなリターンを獲得できます。
まだ成功していない企業でも将来性を見て買われることがあるため、M&Aは投資した時期から短期間で実現するケースが珍しくありません。出資した資金を比較的早く回収できるとともに、高リターンを得られるのが魅力です。
M&Aによる株式の売却では、個々の株主が持ち株を売却するよりも高い価格が付きやすいのが特徴です。買収の対価は現金ではなく、取得会社の株式であるケースもあります。その場合、取得会社が上場企業であれば、その株式を売却して譲渡益を得られます。
IPOによる株式売却
投資した会社が株式上場(IPO)をして市場内で株式が自由に売買されるようになれば、自分の保有する株式を売却して譲渡益を得られるようになります。
上場によって会社の知名度が上がると、株式を購入したい投資家が増えるため、IPO前に株式を売却するよりも市場価格は高い値段が付きやすくなります。
ただし、投資した会社が実際にIPOをするまでに長い時間が必要です。証券会社・証券取引所が審査をして認めてもらう必要があるため、M&Aよりもリターンを得るタイミングは遅くなります。IPOの時期を見通すのは難しいですが、株式売却によって高リターンを得られるのがメリットです。
配当金によるインカムゲイン
エンジェル投資家は保有している株式の売却(キャピタルゲイン)で利益を得るのが一般的ですが、株式を売却せずに保有して、配当金によるインカムゲインでリターンを得る方法もあります。
ただし、立ち上げたばかりのスタートアップ企業は、配当を出せるほどの利益をすぐには生み出せません。若い企業は生み出した収益でさらに成長する必要があるため、配当を得られたとしても非常に少額です。
投資した企業が大きく成長できれば、配当の金額も増加します。ただ実際は成長できずに会社を清算するケースが多く、リターンを得られないことが珍しくありません。エンジェル投資家がインカムゲインでリターンを得るのは難しいことを認識しておきましょう。
会社清算時の分配
投資した企業が倒産して会社清算をする際に、配当(清算分配)を受け取れる場合があります。会社の持っている資産をすべて換金して債権者への支払いを行い、それでもなお配当可能な利益が残っている場合に限り投資家に分配されます。
ただし、会社を清算するときに投資家へ配当する利益が残っているケースは非常に稀です。会社を清算するときは、すべての資産を使って従業員への給与支払いなども行わなければなりません。そのため、多くの企業では清算時に投資家へ配当する利益は残らないのが実情です。
エンジェル投資では、清算分配で投資資金を回収できるケースはほとんど期待できません。回収できたとしても、投資額を超える回収ができる可能性はまずないと認識しておきましょう。
エンジェル投資家が高いリターンを得る方法
エンジェル投資で高いリターンを獲得するには、以下3つの方法が役立ちます。
- エンジェル期・シード期の段階から投資をする
- 一般には公開されていない良い投資先を探す
- ベンチャーキャピタルへLPとして出資する
投資するタイミングと方法を把握して、高リターンを狙いましょう。
エンジェル期・シード期の段階から投資をする
スタートアップ企業はエンジェル期、シード期と順に進んで成長していきますが、将来高いリターンを得たいなら初期の段階から投資をしましょう。
エンジェル期は会社を立ち上げる初期段階で、シード期は起業前の準備段階を指します。一般的にエンジェル投資家が出資するタイミングは、エンジェル期やシード期が多いです。
エンジェル期から投資する場合、出資額は小規模なこともありますが、出資先が成長して証券市場に上場したりM&Aで買収されたりすると、出資額の数十倍のリターンを期待できます。
エンジェル期・シード期はサービスや商品が完成していないアイデアの段階なので、投資する際は事業の成長性や社会での必要性・浸透性を見極めることが重要です。
一般には公開されていない良い投資先を探す
一般には公開されていないものの、将来性のある良い投資先が見つかれば、高リターンを得られる可能性があります。
公開されていない良い投資先を見つけるには、優れた起業家との出会いが不可欠です。直接会って話してみて、人柄や事業に対する熱意を確認し、投資すべきかを慎重に判断する必要があります。
ネット上の情報収集だけでは、他の投資家と差別化することはできません。公開されていない会社は情報が少ないだけに、自分から出向いて情報を収集する必要があります。
そのためには、起業家が集まるピッチコンテストなどのイベントにも積極的に参加して人脈を広げ、出資先を見定めることが重要です。手間はかかりますが、将来企業が成長したときに得られるリターンは大きなものになります。
ベンチャーキャピタルへLPとして出資する
エンジェル投資を行う際に、ベンチャーキャピタルを通して出資(LP)する方法もあります。ベンチャーキャピタルとは、将来成長の見込める未上場のスタートアップ企業に投資を行う企業・投資ファンドのことです。
LP出資の場合、エンジェル投資家は投資先の企業と直接やりとりをしません。ベンチャーキャピタルを通じて間接的に投資をするため、万が一のときのリスクを軽減しながらリターンを得られます。複数の企業に少額ずつ出資できるので、リスクを分散した投資も可能です。
ベンチャーキャピタルは、これまで様々な分野のスタートアップ企業に出資をしてきた経験と協業先のネットワークを持っています。ベンチャーキャピタルが持つ有益な情報やネットワークを共有できるのも、LP出資のメリットです。
エンジェル投資をするメリット
エンジェル投資には、主に以下3つのメリットがあります。
- ハイリスクだがハイリターンを見込める
- 税の優遇措置を受けられ節税になる
- 有望な起業家やVCとの人脈が広がる
各メリットについて詳しく見ていきましょう。
ハイリスクだがハイリターンを見込める
エンジェル投資には大きなリスクがあるものの、ハイリターンを期待できるメリットがあります。投資したベンチャー企業が成功した際に得られるリターンは、一般的な株式売買よりも多額です。
例えば、投資先の企業が成長して新規上場やM&Aなどを実施した場合に、株式売却で大きなリターンを期待できます。株式(店頭有価証券)を受け取っていた場合は、株式価値が出資額の数百倍にまで上がる可能性もあります。
出資した企業が順調に成長すればハイリターンを獲得できますが、最悪倒産して株式価値がゼロになるリスクもあるので、エンジェル投資はハイリスク・ハイリターンな手法です。
企業が成長する保証はないので出資には高いリスクが伴いますが、無事に成長し上場すれば、一般的な株式投資を超えるハイリターンを得られるでしょう。
税の優遇措置を受けられ節税になる
エンジェル税制によって税の優遇措置を受けられるのもメリットの一つです。エンジェル税制とは、未上場ベンチャー企業に出資した個人投資家に対して税務上の優遇措置を行う制度のことです。
ベンチャー企業への投資促進と産業活性化を目的に作られた制度で、投資・売却の両時点で優遇措置が認められます。具体的には、投資した年の所得や譲渡益から投資額に応じた金額の控除を受けられるほか、株式売却で損失が生じた場合に他の株式譲渡益との相殺が可能です。
ただし、優遇措置を受けるには、企業側と投資家側の双方に課せられた要件をクリアする必要があります。すべてのエンジェル投資で優遇措置を受けられるわけではありませんが、投資しながら節税できるのは大きなメリットだといえるでしょう。
有望な起業家やVCとの人脈が広がる
エンジェル投資をすることで、将来有望な起業家やベンチャーキャピタル(VC)と知り合えるメリットもあります。投資する際に起業家やVCと直接やり取りをするため、人脈は自ずと広がります。
人脈が広がることで情報収集もしやすくなり、より高リターンが見込める企業やVCを見つけやすくなるでしょう。投資した企業をサポートする過程で、ビジネスに役立つ人脈がさらに広がり、ビジネススキルも養われます。
人脈の広がりによって優秀な起業家と出会えるチャンスも増えて、エンジェル投資家としての目利きが育っていきます。支援した起業家や事業が成長していく姿を見届けられるのも、楽しみの一つです。
高リターンが見込めるエンジェル投資先の見つけ方
高リターンが見込める起業家やスタートアップを探す方法は、主に2つあります。
- スタートアップのピッチコンテストで探す
- 起業家と投資家のマッチングサービスで探す
上記の方法を併用することで、より自分に適した投資先を見つけやすくなるでしょう。
スタートアップのピッチコンテストで探す
事業のプレゼンテーションを行うスタートアップのピッチコンテストに参加すれば、魅力的な投資先が見つかる可能性があります。ピッチコンテストでは、多くの起業家がビジネスアイデアやビジネスモデルをアピールするため、情報収集の場として役立ちます。
起業家自身の人間性や事業に対する熱意を確認できるのも、ピッチコンテストに参加するメリットの一つです。会社の魅力をしっかりとアピールできているかなど、経営者のスキルや人柄を直接自分の目で見て判断できます。
ピッチコンテストは企業だけでなく地方自治体が開催しているものもあり、規模も大小さまざまです。全国各地で開催しており、多くの起業家と出会うチャンスがあるので、人脈の拡大にもつながるでしょう。
起業家と投資家のマッチングサービスで探す
起業家と投資家を結びつけてくれるマッチングサービスを利用する方法もあります。インターネット上で簡単に登録・検索ができ、希望条件に合う起業家を見つけやすいのが特徴です。
出資額や出資に対する還元などを起業家と直接交渉して、お互いにとって最適な方法を決められるのも魅力です。起業家が開示した事業内容を見て、興味があれば直接コンタクトを取れるので手間がかかりません。希望条件は事前に提示できるため、投資したい起業家を効率よく探せるでしょう。
マッチングサービスには数多くの種類がありますが、なるべく実名制のサービスを使いましょう。実名制であれば透明性が高く、料金も良心的なものが多いので安心です。
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また、Founderでは起業家が身分証などを登録して本人確認をすることができます。本人確認が済んでいる起業家はある程度信頼できると考えられるので、投資先を探す際の一つの指標になります。
起業家のプロフィールには希望調達額や事業内容などが掲載されており、その中から気になった起業家にメッセージを送ることができます。
- プロフィール写真(未登録もあり)
- 本人情報(性別、年代、創業年など)
- 希望調達金額
- 自己PR
- 事業計画・事業内容
- 投資の内訳・起業の際の必要物
- 予想収益
- 投資家への還元方法 など
リストを見る際は無料ですが、その後気になった起業家にメッセージを送る際は有料となります。
単純に投資先を探す手段としても有用ですし、自社の新規事業を任せる社長を見つけるために利用するという方法も投資家にとっては大きなメリットになります。
まとめ
エンジェル投資家のリターン相場は決して高くありません。
しかし、投資先の企業が順調に成長すれば、投資額以上の大きなリターンを得られます。
ハイリスク・ハイリターンな投資方法なので、出資先は慎重に見極めましょう。
高リターンが見込める投資先を見つけたいなら、ピッチコンテストやマッチングサービスを積極的に活用して、普段からこまめに情報収集をすることが大切です。
リターンを得る方法は複数あるので、それぞれの特徴をよく理解して高リターンを狙いましょう。
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