法人カードを持つことによって、経理作業を簡略化できたり従業員の支出管理を一元管理できたりなど、さまざまなメリットが発生します。
そのため、多くの会社経営者や個人事業主が「法人カードを持ちたい」と考えていることでしょう。
しかし、法人カードを発行する際、「結局どのカードがおすすめなのかわからない」「何を基準に選べば良いかわからない」と悩んでいる人も多いです。
そこで今回は、個人事業主・会社経営者におすすめの法人カードランキングやおすすめのカードの選び方について詳しく紹介します。
法人カードのおすすめの選び方
法人カードを選ぶ際、何を基準に選べば良いのかわからない、という人が多いです。
法人カードは、個人カードと比較して利用目的が異なるため、選び方に悩んでしまうのは当然です。
そのためまずは、法人カードのおすすめの選び方について、以下の通り解説していきます。ぜひ参考にしてください。
- 年会費で選ぶ
- 追加発行可能枚数で選ぶ
- 付帯サービスの充実度で選ぶ
- 経理作業がどれだけ楽になるかで選ぶ
年会費で選ぶ
法人カードの多くは、年会費が発生します。安いものであれば数千円、高いもので数十万円のカードまであります。
年会費が安い法人カードは、高い法人カードと比べて付帯サービスの充実度が劣ります。たとえば、年会費が安いもしくは無料の法人カードの場合、基本的な保険サービスしか付帯していません。
一方、数十万円程度の年会費が発生する法人カードの場合、充実補償の旅行保険が付帯されていたり、コンシェルジュサービスが付帯していたりなど、とても充実しています。
そのため、付帯サービスと年会費のバランスを考えながら、発行する法人カードを選択すると良いでしょう。
追加発行できるカードの枚数で選ぶ
法人カードは発行できるカード枚数に制限がある場合があります。たとえば、「追加カードの発行は5枚まで」といったような制限がある法人カードがあるのです。
そのため、「すべての従業員に法人カードを発行したい」と考えている企業である場合、発行枚数が制限に達してしまうかもしれません。そうすると、カード会社の切り替えを検討しなければいけず、余計な手続きが発生します。
法人カードの中には無制限で発行できるものがあったり、数十枚まで発行できるものがあったりするため、利用目的に合わせて発行元を選ぶと良いでしょう。
付帯サービス内容の充実度で選ぶ
付帯サービスの充実度で法人カードを選ぶ方法もあります。たとえば、法人カードで付帯されているサービスの一例は以下の通りです。
- 海外アシスタンス
- 空港ラウンジ
- 各種保険
海外アシスタンスサービスでは、海外出張に行かれる人におすすめの付帯サービスです。現地のさまざまな情報を提供してくれたり、航空券や現地ホテルの予約を取ってくれたりなどのサービスを行います。
また、現地でトラブルが発生したり怪我や病気をしてしまった際にも、さまざまな案内をしてくれるなど、コンシェルジュ的な役割を担ってくれます。そのため、海外出張へ頻繁に行く人におすすめです。
空港ラウンジサービスは、特定のクレジットカードを所有していることによって、各空港の会員専用ラウンジへ入れる資格を得られます。ラウンジならではの特別なサービスを受けられるため、リラックスできること間違いありません。
また、空港ラウンジは限られた人しか入れないため静かで落ち着いた雰囲気が特徴です。そのため「出張へ行く前に集中して資料を整理したい」、「出張前はゆっくり過ごしたい」と考えるビジネスマンにとてもおすすめの付帯サービスです。
そして、法人カードには以下のような保険が付帯されています。
- 国内旅行傷害保険
- 海外旅行傷害保険
- ショッピング保険
旅行保険は、国内外問わず出張へ行く機会のあるビジネスマンにおすすめです。「旅行」と書かれてはいるものの、一般的なビジネス出張でも万が一のことがあれば、補償の対象になります。
たとえば、海外出張中に病気や怪我をしてしまった場合、高額な治療費を請求されるケースがあります。そういった場合、海外旅行傷害保険の適用を受けられれば、安心して治療を受けられるでしょう。
そのため、出張へ行く機会がある人にとって、とてもありがたい付帯サービスのひとつです。
ショッピング保険はどのようなカードでも標準的に付帯されているサービスです。法人カードで購入した商品が故障したり盗難に遭ったりした場合に補償を受けられます。法人カードで購入する物品は高価なものも多いため、必須の付帯サービスです。
これらのサービスは、標準的についているものもあれば、カードによって異なったり補償額が異なったりします。そのため、必要付帯サービスを基準に法人カードを選んでも良いでしょう。
経理作業がどれくらい楽になるかで選ぶ
法人カードを利用するメリットのひとつに「経理作業の簡略化」が挙げられます。しかし、実際にどの程度簡略化されるのかは、カード会社や使用している会計ソフト等との相性次第です。
そのため、経理作業がどの程度楽になるのか?を基準に、法人カードを選んでみても良いでしょう。
たとえば、会計ソフトと連携できる法人カードがある一方で、連携できない法人カードがあります。当然、連携できたほうが作業効率は上がります。
他にも、各種経費を会社単位、事業部署単位、個人単位で管理できるサービスなど各社さまざまなサービスを提供しています。そのため、自社の利用目的に合い、もっとも経理作業が楽になる法人カードを選ぶと良いでしょう。
法人クレジットカードのおすすめランキング10選
それでは本題のおすすめカード10選をランキング形式で紹介していきます。
法人クレジットカードの付帯サービスであるETCカードのおすすめランキングはこちらをご覧ください。
1位:セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

国際ブランド | アメリカン・エキスプレス |
年会費 | 22,000円(2年目以降11,000~22,000円※) |
追加カード年会費 | 3,300円(2年目以降3,300円) |
ETCカード年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | 基本0.75%(最大1.0%) |
マイル還元率 | 0.75%〜1.1125(JAL) |
世界中の空港ラウンジや専用コンシェルジュサービス、各種保険など、アメックスプラチナ法人カードならではの充実したサービスを受けることができます。
限度額1,000万円以上も可能なので、会社規模が大きい法人や事業が軌道に乗った個人事業主の方におすすめのカードです。
年間200万円の利用で、翌年の年会費が11,000円になるというのも魅力の1つ。
毎月20万円以上の経費を支払っているなら、このカードがおすすめです。
利用限度額 | 個別設定 |
申込条件 | 法人代表者、個人事業主 |
必要書類(個人) | 本人確認書類 |
必要書類(法人) | 代表の本人確認書類 |
発行スピード | 最短3営業日 |
2位:JCB法人カード

国際ブランド | JCB |
年会費 | 無料(2年目以降1,375円) |
追加カード年会費 | 無料(2年目以降440円) |
ETCカード年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | 基本0.5%(最大1.25%) |
マイル還元率 | 0.3%(ANA) |
JCB一般法人カードは各種年会費が高コスパのスタンダードな法人カードです。
JCB海外加盟店でカードを利用すれば自動的にポイントが2倍となり、貯めたポイントは各種マイルや景品等に交換できます。
貯めたポイントをJCBギフトカードに変えられるので、個人事業主の方にも大変人気です。
利用限度額 | 10万〜100万円 |
申込条件 | 法人代表者、個人事業主 |
必要書類(個人) | 本人確認書類 |
必要書類(法人) | 登記簿謄本、代表の本人確認書類 |
発行スピード | 2〜3週間程度 |
3位:オリコ EX Gold for Biz

国際ブランド | VISA,Mastercard |
年会費 | 無料(2年目以降2,200円) |
追加カード年会費 | 無料 |
ETCカード年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | 基本0.5%(最大1.10%) |
マイル還元率 | 0.66%(ANA) |
ゴールドカードなのに、年会費が安く、追加カード年会費が無料という高コスパで大変人気のある法人カードです。
限度額が300万円と比較的高額に設定されているので、事業が安定している中小企業や個人事業主の方も安心してご利用いただけます。
空港ラウンジの利用や、接待会食の特典など、ゴールドカードならではの魅力的なサービスが満載。
利用限度額 | 10〜300万円 |
申込条件 | 法人代表者、個人事業主 |
必要書類(個人) | 本人確認書類 |
必要書類(法人) | 代表の本人確認書類 |
発行スピード | 2〜3週間程度 |
4位:三井住友ビジネスゴールドカードfor Owners

国際ブランド | VISA,MasterCard |
年会費 | 無料(2年目以降11,000円) |
追加カード年会費 | 2,200円(2年目移行2,200円) |
ETCカード年会費 | 無料(前年度利用が無い場合 翌年550円) |
ポイント還元率 | 基本0.5%(最大1.0%) |
マイル還元率 | 0.3%(ANA) |
三井住友ビジネスカードゴールドは経費管理や資金運用の効率化を目的として作られているので、経費事務に手間をかけている中小企業の方に大変おすすめです。
ゴールドカードなのに年会費は初年度無料と大変お得で、公共料金の支払いも可能なので、経費削減にも役立ちます。
ゴールドカードならではの空港ラウンジや会食での魅力的なサービスがついています。
利用限度額 | 50〜300万円 |
申込条件 | 法人代表者、個人事業主(20歳以上) |
必要書類(個人) | 本人確認書類 |
必要書類(法人) | 代表の本人確認書類 |
発行スピード | 3週間程度 |
5位:三井住友ビジネスカード for Owners クラシック

国際ブランド | VISA,MasterCard |
年会費 | 無料(2年目以降1,375円) |
追加カード年会費 | 440円(2年目移行440円) |
ETCカード年会費 | 無料(前年度利用が無い場合 翌年550円) |
ポイント還元率 | 基本0.5%(最大2.5%) |
マイル還元率 | 0.3%(ANA) |
三井住友ビジネスカード for Ownersは年会費などの各種費用が大変お得で、多くの方に利用されている法人カードです。
起業したてのスタートアップや個人事業主の方で法人カードに迷ったら、とりあえずこのカードを検討すればいいでしょう。
セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、マクドナルドでカード利用すると、ポイントが通常の5倍貯まるのも魅力的です。
利用限度額 | 10〜150万円 |
申込条件 | 法人代表者、個人事業主(20歳以上) |
必要書類(個人) | 本人確認書類 |
必要書類(法人) | 代表の本人確認書類 |
発行スピード | 最短3営業日 |
6位:三井住友カードビジネスオーナーズ一般カード

国際ブランド | VISA,MasterCard |
年会費 | 永年無料 |
追加カード年会費 | 永年無料 |
ETCカード年会費 | 永年無料 |
ポイント還元率 | 0.5~1.5% |
マイル還元率 | 1.5%(ANA) |
三井住友カードビジネスオーナーズ一般カードは、本会員・パートナー会員ともに年会費無料でパートナーカードを19枚まで申し込むことができます。
また、最短で3営業日の発行が可能な上に特典や補償も充実しているので、カード利用者からの評価も高くなっています。
個人カードとの2枚持ちで対象店舗の還元率が1.5%になる点も魅力的です。
利用限度額 | 〜500万円 |
申込条件 | 法人代表者、個人事業主(20歳以上) |
必要書類(個人) | 本人確認書類 |
必要書類(法人) | 代表の本人確認書類 |
発行スピード | 最短3営業日 |
7位:アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

国際ブランド | アメリカン・エキスプレス |
年会費 | 36,300円 |
追加カード年会費 | 13,200円 |
ETCカード年会費 | ー |
ポイント還元率 | 0.5% |
マイル還元率 | 0.15%〜0.5% |
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードはステータスが高い法人向けのクレジットカードで、共通で設定されている限度額はありません。
クレジットカード自体はメタル製でできていて、追加のカードも1枚まではメタル製のものを発行することができます。
また、国内・海外の旅行傷害保険が最高1億円まで付帯していることも大きなメリットです。
利用限度額 | 個別設定 |
申込条件 | 法人代表者、個人事業主 |
必要書類(個人) | 本人確認書類 |
必要書類(法人) | 代表の本人確認書類 |
発行スピード | 1~3週間 |
8位:楽天ビジネスカード

国際ブランド | visa |
年会費 | 初年度:2,200円 2年目以降:2,200円 |
追加カード年会費 | ー |
ETCカード年会費 | 1枚目:無料 2枚目以降:550円 |
ポイント還元率 | 1.0%~5.0% |
マイル還元率 | ー |
楽天ビジネスカードは、個人で楽天経済圏での買い物やサービス利用が多い方におすすめです。
個人のプレミアムカードと法人のビジネスカードで利用条件を満たせば、最大で5.0%の還元率を見込むことができます。
また、1枚目のETCカードも年会費無料で発行することが可能です。
利用限度額 | 300万円 |
申込条件 | 法人代表者、個人事業主 |
必要書類(個人) | 本人確認書類 |
必要書類(法人) | 代表の本人確認書類 |
発行スピード | 2週間 |
9位:ライフカードビジネスライトプラス

国際ブランド | VISA,Mastercard,JCB |
年会費 | スタンダード:無料 ゴールド:2200円 |
追加カード年会費 | 上記と同様 |
ETCカード年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | 0.5% |
マイル還元率 | ー |
ライフカードビジネスプラスは、コストパフォーマンスを重視したい方におすすめのビジネスカードです。
弁護士に無料相談ができるサービスやタイムズ会員カードの発行手数料が無料になるサービスも付いてきます。
また、申し込みから最後までWEBで完結するので最短3営業日内にカードを発行することができます。
利用限度額 | 10~500万円 |
申込条件 | 法人代表者、個人事業主 |
必要書類(個人) | 本人確認書類 |
必要書類(法人) | 代表の本人確認書類 |
発行スピード | 最短3営業日 |
10位:ETC協同組合ガソリンカード

国際ブランド | ー |
年会費 | 無料 |
追加カード年会費 | 無料 |
ETCカード年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | 0% |
マイル還元率 | なし |
ETC協同組合の法人ガソリンカードはENEOSと出光で利用可能なので、より広いエリアでお得に給油することができます。
またクレジット機能が無く、年会費も0円なので、とりあえず法人ガソリンカードを作っておきたいという方にもおすすめです。
最初に出資金1万円がかかるのですが、退会時に返還されるのであまり気にすることはありません。
利用限度額 | ー |
申込条件 | 法人代表者、個人事業主 |
必要書類(個人) | 本人確認書類 |
必要書類(法人) | 代表の本人確認書類 |
発行スピード | ー |
おすすめ法人カードの比較一覧表
法人カード | ブランド | 年会費 | ポイント還元率 | マイル還元率 | 発行速度 |
---|---|---|---|---|---|
セゾンプラチナ・ビジネス・ アメリカン・エキスプレス・カード | アメリカン・エキスプレス | 22,000円 | 0.75%〜1% | 0.75%〜1.1125% | 最短3営業日 |
JCB法人カード | JCB | 無料 | 0.5%〜1.25% | 0.3% | 2〜3週間程度 |
オリコ EX Gold for Biz | VISA,Mastercard | 無料 | 0.5%〜1.1% | 0.66% | 2〜3週間程度 |
三井住友ビジネスゴールドカードfor Owners | VISA,Mastercard | 無料 | 0.5%〜1.0% | 0.3% | 3週間程度 |
三井住友ビジネスカード for Owners クラシック | VISA,Mastercard | 無料 | 0.5%〜2.5% | 0.3% | 最短3営業日 |
三井住友カードビジネスオーナーズ一般カード | VISA,Mastercard | 無料 | 0.5%〜1.5% | 1.5% | 最短3営業日 |
アメリカン・エキスプレス・ ビジネス・ゴールド・カード | アメリカン・エキスプレス | 36,300円 | 0.5% | 0.15%〜0.5% | 1~3週間 |
楽天ビジネスカード | VISA | 初年度:2,200円 2年目以降:2,200円 | 1.0%~5.0% | – | 2週間 |
ライフカードビジネス ライトプラス | VISA,Mastercard,JCB | スタンダード:無料 ゴールド:2200円 | 0.5% | – | 最短3営業日 |
ETC協同組合ガソリンカード | – | 無料 | 0% | なし | – |
個人事業主や中小企業でも法人カードを使うメリット
「法人カードは、大企業向けのカードである」と考えている経営者の人が多いのではないでしょうか。実は、個人事業主や中小企業であっても法人カードを利用するメリットがあります。
たとえば以下のようなメリットがあります。
- 限度額が高めに設定
- 経費管理が楽
- 支出を一元管理できる
- 追加カード発行で従業員に持たせられる
- ETCカードの発行も可能
個人カードに比べて限度額が高めに設定されている
法人カードの利用限度額は、個人カードと比較して高めに設定されています。そのため、事業用の買い物をする際にも利用できるといったメリットがあります。
たとえば、個人向け一般カードの場合、最大利用上限額は100万円のところが多いです。ゴールドカードでも200万円程度で設定されているケースが多く、事業用として考えると物足りなさを感じてしまうことがあるでしょう。
一方、法人カードの利用限度額は500万円〜1億円程度、もしくは一律の上限額なしといったカードが大半です。個人カードと比較にならないほどの上限額に設定できるカードが多いです。そのため、法人カードの利用がメリットとなり得ます。
たとえば、出張費用やホテルへの宿泊費、現地での打ち合わせ費用(接待交際費)を考えると、数十万円単位のお金が必要になることもあるでしょう。
1か月の間で複数回の出張があったり、その他の物品購入等が必要であったりする場合、100万円〜200万円だと「限度額が足りない…」と感じることがあります。また、従業員が多く、カードを複数枚発行している場合は、複数人で100万円〜200万円では足りません。
そのため、事業用としてカードを利用する際は、法人カードの発行がおすすめです。
経費管理が楽になる
法人カードはさまざまな会計ソフトと連携できるため、経費管理がとても楽になります。
もちろん、個人カードであっても会計ソフトと連携できますが、個人用・事業用の仕訳は自分で行わなければいけません。基本的には事業用カードは事業用として利用するのが好ましいです。
そして、法人カードと会計ソフトを連携させておけば、毎月自動的に仕訳を行ってくれます。仕訳にかかる時間を大幅に短縮できる上、人為的ミスも大幅に減るのがメリットです。
普段の経費管理を法人カードに変更して会計ソフトと連携する、これだけで人件費の削減や人為的ミスの減少に繋がります。
支出を一元管理できるためキャッシュフローを改善しやすい
カード払い可能な支出をすべて、法人カード払いにしてしまうことによって、支出を一元管理できるようになります。一元管理することによって、業務の効率化や人件費の削減に期待が持てます。結果的に、キャッシュフローが改善されていくでしょう。
また、法人カード払いにすることによって、支払日を翌月以降に変更できます。そのため、口座内にお金が残り、キャッシュフローに余裕が生まれる点もメリットです。
経営を行っていると、販売商品に対する支払いが翌月以降になることがあります。お金が入る前に仕入れが重なるとキャッシュフローが悪化し、経営状況が悪化するリスクもあります。
そのため、支払い期日を先延ばしにできる法人カードは、キャッシュフローの視点から見てもメリットがとても大きいです。
追加カード発行で複数人が持てる
法人カードは複数枚の追加カード発行が可能です。そのため、従業員に1枚ずつ持たせることによって、経費管理を簡略化できます。
とくに、普段から従業員の立替に頼っているような場合、後からレシートや領収書を確認したり計算をした上で従業員へ返済をしたりする手間がかかります。仮払金を渡している場合も同様の手間がかかるでしょう。
そういった手間を省く目的から、従業員に法人カードを持たせるというのもメリットです。法人カードで使用した経費は、すべて会計ソフトに自動入力されるため、煩わしい手間がかかりません。人件費の削減や業務の効率化に大きな期待が持てるでしょう。
ETCカードも発行でき、営業車の管理がしやすい
法人カードはETCカードの発行が可能であるため、営業車等の管理が簡略化されます。
高速道路利用時に現金で支払いをしていると、後から領収書の確認や現金の入出金管理などの手間がかかってしまいます。しかし、法人用のETCカードを発行することによってETC割引を利用でき、経費管理の簡略化に期待を持てるなどのメリットが発生するでしょう。
そのため、普段から高速道路を頻繁に利用するのであれば、ETCカードの発行を検討したほうが良いです。滅多に使用しない場合であっても、1社で複数枚は用意しておいたほうが良いでしょう。
法人用ETCカードの中には「◯枚まで年会費無料」といったところもあります。利用車数や利用状況に合わせて、発行しておくのもおすすめです。
法人カードの注意点
法人カードを利用する際は、以下のことに注意してください。
- 分割払いやリボ払いに対応していない
- 複数枚発行すると管理がやや大変
- 年会費無料のカードが少ない
それぞれの注意点について、詳しく解説します。
分割払いやリボ払いは対応していないことが多い
法人カードの多くは、分割払いやリボ払いといった柔軟な支払い方法に対応していません。つまり、一括払いが原則であるということです。
法人カードの利用をしていると、毎月数十万円〜数百万円程度の請求が来ることも珍しくはありません。起業当初は、キャッシュが少なく支払いに苦慮してしまう場面があるかもしれないため、十分に注意したほうが良いです。
万が一、返済できなければ、代表者である個人の個人信用情報機関にいわゆる「キズ」が付いてしまいます。結果的に、今後の銀行等からの借入に大きな影響を与える原因となり得るため注意してください。
なお、法人カードであっても、分割やリボ払いに対応しているものもあります。もし、起業当初等でキャッシュフローに不安がある人は、分割払い等に対応している法人カードを選択すると良いでしょう。
複数枚発行すると管理がやや大変
法人カードは複数枚の発行が可能であり、従業員に1枚ずつ持たせることによって経理管理の簡略化に期待が持てます。しかし、複数枚管理をすることによって、カード番号別の管理が必要になるため、「管理が面倒くさい」と感じてしまうことがあるかもしれません。
また、従業員に法人カードを渡した場合、私用に使われてしまう可能性もあるため、注意しなければいけません。私用で使われてしまった場合は、当然経費算入は不可能であるため、当該従業員に請求したりカードを回収したり変更したりなどの手間がかかります。
法人カードを利用することによって、無駄な管理が発生してしまうのも事実です。そのため、必要性を見極めた上で最小枚数での発行を行い、メリットを最大限活かせるように工夫できると良いでしょう。
年会費無料の法人カードが少ない
法人カードの多くは、数万円〜数十万円程度の年会費が発生します。中には、年会費無料の法人カードもありますが、選択肢が少ない上にサービス内容が劣ります。
たとえば、頻繁に出張に行かれる人であれば、国内旅行傷害保険や海外旅行傷害保険などが標準的についているカードを選ぶべきでしょう。これらのサービスが付帯しているカードは、年会費が発生するものが大半です。
仮に年会費無料で各種旅行保険がついている場合は、補償額が少なかったり適用条件が厳しかったりなど、頻繁に出張に行く人には向かないカードである可能性が高いです。そのため、年会費とサービスのバランスを考慮して選ばなければいけません。
年会費ばかりを気にして法人カードを発行してしまうと、いざという時のサービスが劣る可能性もあるため、ある程度の年会費は覚悟しておくべきでしょう。
法人カードの審査や申込に必要な書類
法人カードを発行する際に必要となる書類は、法人か個人事業主かによって異なります。それぞれで必要となる書類は、以下の通りです。
【個人事業主の場合】
- 個人事業主本人の本人確認書類
個人事業主の場合は、基本的に本人の本人確認書類のみの提出で法人カードを発行できます。ちなみに、本人確認として認められる主な書類は、以下の通りです。
- 運転免許証
- 運転経歴証
- マイナンバーカード(通知カードは不可)
- パスポート
なお、法人カードの発行先によっては、その他の書類提出を求められる可能性があります。たとえば、収入証明書類(確定申告書類等)の提出です。提出を求められる可能性があることも考慮した上で、事前に準備しておくとスムーズなカード発行が可能です。
【法人の場合】
- 法人の本人確認書類
- 代表者の本人確認書類
法人が法人カードを発行する場合は、法人の本人確認書類に加えて代表者の本人確認書類の提出が必要です。
法人の本人確認書類は以下のものが該当します。
- 現在事項全部証明書
- 履歴事項全部証明書
現在事項全部証明書とは、会社の現在の登記事項が記載されている証明書です。履歴事項全部証明書とは、現在登記されている事項に加えて、過去に抹消した登記事項も記載されている証明書です。
いずれも登記所や法務局での取得が可能であるため、あらかじめ用意しておくとスムーズに申込ができるでしょう。
代表者の本人確認書類は、基本的には法人代表者の本人確認書類を指していると考えて良いです。代表者個人の本人確認書類は、以下のようなものが該当します。
- 運転免許証
- 運転経歴証
- マイナンバーカード(通知カードは不可)
- パスポート
ちなみに、法人カードの発行には2週間〜3週間程度かかります。個人カード発行よりも時間がかかるため、時間に余裕を持って申込をするようにしてください。
法人クレジットカードのまとめ
今回は、おすすめの法人カードについて解説しました。
法人カードは経理作業の管理作業が簡略化、従業員の支出管理が一元化、キャッシュフローの改善などさまざまなメリットがあります。しかし、「どの法人カードを選べば良いのかわからない」と考える経営者や個人事業主も多いです。
法人カードを選ぶ際は利用目的を明確にした上で、必要な付帯サービスと許容できる年会費、発行可能枚数などを基準に選ぶと失敗は少なく済みます。
その上で、おすすめの法人カードを30種類、ランキング形式で紹介しました。きっと、自分に合ったぴったりの1枚が見つかったのではないでしょうか。
もし、見つかっていないようでしたら、今一度「法人カードのおすすめの選び方」を参考にしてください。きっと自社にぴったりな法人カードに出会えるでしょう。