オンラインセミナーを開催している皆様、参加者がどの地域の経営者なのか、確認したことはありますか?
オンラインですから、全国どこからでも参加できます。しかし実際に申込一覧を見てみると、東京・神奈川・千葉・埼玉ばかり、ということはないでしょうか。
これは、もったいない話です。
以前は、地方の経営者に参加してもらおうと思えば、現地で開催するしかありませんでした。大阪や福岡に会場を押さえ、スタッフが出張し、それなりの費用と手間をかけて、ようやく数十名の経営者と会える。そういうものでした。
いまは違います。会場費も交通費もかからず、北海道の経営者にも沖縄の経営者にも、同じように届けられます。追加コストをかけずに商圏を全国へ広げられるようになったのに、その機会を使っていない主催者が少なくありません。
年間600回以上の経営セミナーの集客に携わってきた経験から、地方の経営者がなぜ狙い目なのか、そして実際に集めるための4つの工夫をご紹介します。
なぜ地方の経営者は狙い目なのか
地方の経営者は、いまでも「東京に比べて情報が入ってこない」という感覚を持っています。
これは以前からそうでした。オンラインセミナーが主流でない頃には、実際、セミナーに参加するためだけに飛行機や新幹線に乗って毎月のように東京まで来られる経営者がいらっしゃいました。移動に半日以上かけて、交通費も宿泊費も自腹です。それだけの負担をしてでも学びたいという方が、確かにいたのです。
オンラインセミナーが増えた今では、その負担が一切なくなりました。
地方の経営者でも自席のパソコンからセミナーに参加できます。移動時間もゼロ、交通費もゼロ。つまり、もともと学習意欲が高かった層が、何の負担もなくセミナーに参加できるようになったということです。
ここまでは、多くの方が想像できる話かもしれません。しかし、もうひとつ見落とされがちなことがあります。
それは、地域を打ち出したセミナーが、いまもほとんどないということです。
オンライン化によって、地方の経営者は全国どのセミナーにも参加できるようになりました。選択肢が増えたという意味では、主催者にとって競合が増えたとも言えます。しかし実際に告知ページを見渡してみると、並んでいるのは全国向けのセミナーばかりです。「◯◯県の経営者の皆様へ」と地域を明示したセミナーは、驚くほど少ないのが現状です。
意欲は高い。参加のハードルもない。それなのに、自分たちに向けて開かれたセミナーは見当たらない。
地方の経営者が置かれているのは、こういう状況です。だからこそ、そこに向けて一言添えるだけで、反応は大きく変わります。
地方の経営者を集めるための4つの工夫
では、地方の経営者を集めるには何をすればよいのでしょうか。私たちが実践している4つの工夫をご紹介します。
①キャッチコピーで「地方性」を出す
オンラインセミナーの告知は、どうしても「全国どこからでも参加できます」という書き方になりがちです。参加のハードルが低いことを伝えたいので、当然といえば当然です。
しかし、これは裏を返せば「誰に向けたセミナーなのか分からない」ということでもあります。全国の誰もが対象ということは、特定の誰かに向けたメッセージにはなっていません。
そこで有効なのが、キャッチコピーに地域名を入れることです。
たとえば、
「◯◯県の経営者の皆様へ」
「◯◯県の製造業で売上30%アップを実現した方法」
このように地域名がひとつ入るだけで、その県の経営者は自分に向けられたメッセージだと感じます。全国向けのセミナーが並ぶ中で、自分の県の名前が出てくれば、目に留まります。
対象を狭めると集客数が減るのではないか、と心配になるかもしれません。しかし実際は逆です。全員に向けた言葉は誰にも刺さらず、特定の層に向けた言葉のほうが深く届きます。この考え方は「経営者をセミナー集客できるタイトルの作り方【実例4本つき】」でも解説していますので、あわせてご覧ください。
なお、複数の県を狙う場合は、県ごとにキャッチコピーを変えて告知するという方法もあります。
②地方の媒体・チャネルを使う
告知の場所も、全国向けの媒体だけで考えないほうがいいと思います。
以前ほどではありませんが、地方の経営者にはネット広告が届きにくい傾向がまだ残っています。全国規模の媒体に出稿しても、実際に届くのは首都圏の読者に偏りがちです。
そこで、その地域の経営者が見ている媒体を探します。セミナーのテーマによって、どこを見ればよいかは変わります。採用がテーマなら地域の求人媒体、資金調達なら地元金融機関との接点、といった具合です。あるいは、各地域の商工会議所や各種団体の広告枠も検討の価値があります。全国媒体に比べれば規模は小さいものの、届く相手ははっきりしています。
この「どこにいるかを探す」という作業については、「経営者のセミナー集客は『ターゲットの選定』から始まる|3つのステップ」で詳しく解説しています。地域を絞るのであれば、その地域特有の媒体まで視野に入れてみてください。
また、郵送DMや電話といったアナログな手段も、地方ではまだ一定の効果があります。
③紹介が生まれる仕掛けをつくる
地方と首都圏の大きな違いのひとつに、経営者同士の繋がりの強さがあります。
地元だけで商売をしている会社が多いため、取引先も地元企業になります。加えて、商工会議所やJC、ロータリークラブといった経営者組織に加入している比率も、首都圏に比べて高い傾向があります。結果として、地域の経営者同士が顔見知りであることが珍しくありません。
この環境では、「◯◯さんの紹介だから」「◯◯さんも参加するらしい」という情報が、そのままセミナーへの信用になります。知らない会社が主催するセミナーでも、知っている経営者が薦めていれば話は別です。
ですから、紹介が自然に生まれる仕掛けを用意しておきたいところです。
もっとも簡単なのは、申込時に「お知り合いの経営者もぜひお誘いください」と一言添えることです。さらに踏み込むなら、紹介した方とされた方の双方に特典をつける方法もあります。
すでに取引のある地元の経営者がいるなら、直接お願いするのが最も早い方法です。1人が3人を誘ってくれれば、それだけで集客の見通しは変わります。
④地元企業と共催する
もし地元の企業とのつながりがあるなら、共催という選択肢も検討してみてください。
たとえば、その地域で活動している税理士やコンサルタント、あるいは取引のある地元企業と一緒に開催する形です。集客も分担できますし、相手が持っている顧客ネットワークにも案内が届きます。
効果として大きいのは、地元企業が主催者に名を連ねていることによる安心感です。参加を検討する経営者にとって、知らない会社が単独で開くセミナーと、地元の会社が関わっているセミナーとでは、印象がかなり変わります。
そして、オンライン化によって共催のハードルも下がりました。
かつては会場の手配や当日の運営を、離れた場所にいる相手と調整しなければなりませんでした。打ち合わせのために出張が必要になることもあります。いまは会場がなく、打ち合わせもオンラインで済みますので、相手がどこにいても進め方は変わりません。
登壇者を相手企業にお願いする形にすれば、集客はさらにしやすくなります。地元でよく知られた経営者や専門家が話すセミナーであれば、その地域での反応は違ってきます。
まとめ
オンラインセミナーが主流になったことで、地方の経営者は格段に集めやすくなりました。それなのに、その機会を使っている主催者はまだ多くありません。
この記事でご紹介した4つの工夫を振り返ります。
①キャッチコピーで「地方性」を出す:全国向けの言葉ではなく、「◯◯県の経営者の皆様へ」と地域名を入れる
②地方の媒体・チャネルを使う:テーマに応じて、その地域の経営者が見ている媒体を探す
③紹介が生まれる仕掛けをつくる:地方は経営者同士の繋がりが強い。紹介を促す一言や特典を用意する
④地元企業と共催する:地元企業が名を連ねることで安心感が生まれる。オンラインなら調整の手間も少ない
まず何かひとつ試すのであれば、①から始めてみてください。次回の告知ページに、狙いたい県の名前をひとつ入れるだけです。手間もコストもかかりません。
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