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労務Q&A
一時休業の手当てについて
社会保険労務士 富岡英紀 加藤美香

更新日:2009年02月25日

生産を調整するために工場の稼働を一定期間ストップするのに伴い、従業員を休ませることになるわけですが、その間の給与も支払わなくてはならないのでしょうか。そのほか一時休業を行なう場合の留意点について説明しています。
 


 
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質問

当社は自動車部品の製造を行なっていますが、景気後退の影響により受注が大幅に減少、生産を調整するために工場の稼働を一定期間ストップしようと考えています。それに伴い従業員を休ませることになるわけですが、その間の給与も支払わなくてはならないのでしょうか。それ以外にも一時休業を行なう場合の留意点などあれば教えてください。
(愛知県 K社社長)


回答

会社の都合で従業員を休ませる場合、その間の給与も保障しなくてはなりません。法律では給与の6割を支払うよう定めています。


解 説

一時休業とは、会社の指示で所定の労働日をお休みにすることです。景気の悪化を受けて思いきったリストラに踏み切らざるを得ない会社が増えていますが、どれだけ業績が悪くても会社には従業員の雇用を守る努力が求められます。

操業を停止し(その間、従業員を休ませ)ながらも雇用だけは維持する「一時休業」もその努力のひとつですが、最終手段である整理解雇を防ぐためにはこうした施策も必要です。

一時休業をする場合、労働基準法では「会社は給与の6割を支払わなければならない」と定めています。工場の稼動はストップし実際に作業をしているわけではありませんが、それでも従業員には給与の6割を保障しなくてはなりません。これを休業手当といいますが、具体的には休業日以前の3カ月間の平均給与日額の6割を支給する必要があります。

一時休業を行なう場合には、対象事業所や休業期間、その他の段取りについて十分に計画を立てることが重要です。そして、その内容について従業員にも十分に説明し、理解と協力を得ることも大切です。従業員の不安を和らげ無用なトラブルを防ぐためにも、労働組合や従業員の代表とは事前に協定を結んでおくようにしましょう。

生産がストップし売り上げが上がらない中で休業手当を支払うことは容易ではありませんが、そんなときに活用したいのが「雇用調整助成金」や「中小企業緊急雇用安定助成金」といった制度です。上手に活用をすることでコストを抑えた一時休業も可能ですので、まずは要件に該当しているかどうか確認し、検討してみてはいかがでしょうか。

【資料1】平均賃金について:11KB
【資料2】一時休業に関する助成金:9KB
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著者クレジット

●富岡英紀(とみおか・ひでき): 
社会保険労務士
経営・労務に関するコンサルティングのほか、ベンチャー企業への助成金コンサルティングや就業規則によるリスクヘッジなど付加価値の高いサービスにとくに力を入れている。
●加藤美香(かとう・みか): 
社会保険労務士
労働基準監督署労働条件相談員、労働時間短縮アドバイザー、就業規則普及指導員等公的業務の経験を生かし、企業への人事労務コンサルティングに力を入れている。