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労務Q&A
契約社員の雇い止めについて
社会保険労務士 富岡英紀 加藤美香

更新日:2009年01月28日

経済情勢が厳しさを増す中、契約社員を解雇せざるを得ない企業もあることでしょう。今回は、契約社員との労働契約に関して注意点を解説しています。
 


 
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質問

経済情勢が厳しさを増す中、大幅に受注が落ち込んでいるため、今いる契約社員を解雇する方向で検討しています。契約期間の終了を前に契約を解除しても問題はないでしょうか?
なお、景気が回復した場合には、また契約社員を雇用したいと考えています。そこで、契約社員との労働契約に関して注意点があれば教えてください。
(茨城県 G社社長)


回答

原則として契約期間が満了するまでは解雇ができません。契約期間の満了を待ち、雇い止めをしなければなりません。


解 説

労働契約には、「有期労働契約」と「期間の定めのない労働契約」の2種類があります。契約社員は有期労働契約になりますが、労働契約法という法律では「やむを得ない事由がある場合でなければ契約期間中に解雇できない」と定めています。

契約社員を契約期間中に解雇する場合、その理由や合理性については厳密に判断されるため、「受注が低下している」という理由だけで解雇するのは難しいと言えそうです。契約期間中の解雇はトラブルに発展する可能性もありますので、有効な策としては、契約期間の満了時に次の更新をしないこと(これを「雇い止め」といいます)です。

その際、留意点が2つあります。
(1) 契約社員の労働契約が3回以上更新されているか、または1年を越えて継続して雇用されている場合には、遅くとも契約期間満了日の30日前までに「更新しない」旨を予告すること
(2) 契約社員から雇い止めの理由を求められた場合には、すぐに証明書を交付すること

契約社員の雇い入れや更新については、厚生労働省がガイドラインを示して指導の強化をしています(【資料1】参照)。

有期労働契約に関しては、「更新の有無」を明確にするとともに、更新することがある場合には「更新の判断基準」をあらかじめ明らかにしておくことになっています。

トラブルを未然に防止するためにも、こうした点に留意して就業規則、労働条件通知書、労働契約書などを整備するようにしましょう。

【資料1】有期労働契約の締結・更新・雇い止めの基準:8KB
【資料2】有期労働契約に関する法律:7KB
※PDFファイルを見るには、Adobe Readerが必要です。お持ちでない方は、下記URLから無償でダウンロードできます。
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著者クレジット

●富岡英紀(とみおか・ひでき): 
社会保険労務士
経営・労務に関するコンサルティングのほか、ベンチャー企業への助成金コンサルティングや就業規則によるリスクヘッジなど付加価値の高いサービスにとくに力を入れている。
●加藤美香(かとう・みか): 
社会保険労務士
労働基準監督署労働条件相談員、労働時間短縮アドバイザー、就業規則普及指導員等公的業務の経験を生かし、企業への人事労務コンサルティングに力を入れている。