56歳で人気ブロガーに転身 人脈を拡げ、リアルなビジネスも
モッチーママ企画 代表 餅田雅子(もちだ・まさこ)
更新日:2009年12月16日
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自分らしい仕事をしたいと考え、起業したシニアにエールを送るコーナーです。
56歳にしてネット起業を果たした餅田雅子さん。経理ソフトが使える程度だったものが、いまや、6本のブログを運営し、その半分が人気ランキングで上位3本に入るという人気ブロガーに。このほか、店舗のアドバイザーや村おこしなど、ネット以外のビジネスにも進出している。
“キャベツを切って”に愕然。起業を決意
――56歳で起業されたと伺いましたが、キッカケを教えてください。
夫が広告用のイラストを作成する会社を経営しており、私はそこで30年間、経理の仕事を担当していました。高度成長期には、いろんな仕事を受託し、忙しいながらも充実感のある毎日でした。しかし、バブル崩壊後、企業の広告費の削減などから受注も減り、会社の経営も厳しくなりました。また、イラストも、筆とエアーブラシに替わりパソコンで描くものが主流になり、夫も仕事にとまどいを感じるようになりました。こうした状況から、私たち夫婦は、この仕事を離れることを決め、会社を社員に引き継ぐとともに、大阪の自宅を売り払い、神戸に移り住むことにしたのです。
それまで夫も私も会社役員だったため、失業保険がなく、次の仕事を探さなければなりませんでした。さいわい夫は、絵を描く技術を買われ、日本画を制作する会社に勤めることができたのですが、私の方は年齢の壁もあり、なかなか仕事が見つかりませんでした。
そんなとき、近所の喫茶店で“50歳以上のウェイトレス募集”の記事を見つけました。年齢がネックになり、希望する仕事が見つけられなかった私に、“50歳以上のウェイトレス”は、救いの神でした。新しいエプロンも買い、やる気いっぱいで面接に行くと、「明日からでもお願いします」とのこと。万歳と叫びそうになった瞬間、面接者が、「フロアの接客は覚えることがたくさんあります。餅田さんはお歳ですから、奥でキャベツを切ってもらいましょう!」と言ったのです。
この言葉に、膨らんでいた私の夢はいっきにしぼみました。そして、この時、「これからは、年齢に左右される生き方は、やめよう!」と、自分で事業を始めることを決めたのです。
――起業の手段として、ネットビジネスを選んだのはなぜですか?
パソコンは、経理ソフトを使うくらいで、ほかはほとんどわかりませんでした。しかし、当時は、ネットショップが人気で、ネットショップであれば、低投資で始められると考えたのです。また、大阪にいたころ、運営を任されたブティックの売り上げを大きく伸ばした経験もあったことから、商品の販売であればできるだろうと考えたわけです。
しかし、いろいろ調べていると、ネットショップは在庫を大量に抱えなければならないことがわかり、その案は消滅しました。では何をしようかと考えていた折、参加していた起業塾の講師から、「30年の経理業務を活かして、確定申告や税務対策のノウハウを伝える仕事をしてはどうか?」というアドバイスをもらいました。
経理は独学で身につけたので、税理士のような高度な知識はないのですが、従業員や会社のためにいろんな工夫をしてきました。一般の経理の本にはないようなそうした情報を紹介すればいいという講師の言葉に背中を押され、経理関連の知識をまとめたE-BOOKを発行することにしたのです。
――料理のブログなど、経理関連以外にも取り組まれていますね。
これまでに経理関連の商材を4本販売しました。このほか、税理士さんとジョイントした商品や起業家さんとジョイントしたシステムなども手掛けました。ブログは、経理のブログ以外に、手軽にできる料理を紹介した「モッチーママの超簡単料理でごめん遊ばせ」、さまざまなカレーレシピを紹介した「毎日食べたい美味しいカレー」など、全部で6本運営しています。このうち、3本は、「人気ブログランキング」で、1位〜3位の間を占めています。
さらに、最近は、ネット上だけでなく、地域おこしや実店舗運営のアドバイザー業務も手掛けており、ブランド戦略から広告企画、新製品の開発まで、さまざまな業務に取り組んでいます。
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モッチーママ企画 代表 餅田雅子(もちだ・まさこ) |
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