海外出向社員に特化した人材育成
更新日:2009年08月26日
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現役時代は早く会社を辞めたい一心だったという秋里さん。ところが定年退職後「何かしようかな」という思いが頭をもたげてきて、自らの海外出向経験を後輩に伝えようと寺子屋式の人材育成塾を立ち上げました。
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「海外では相談する相手がいないから、まず自分でどうするか考えてもらう。この考える力がすごく重要なんです」と秋里さん。
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実践場面に応用できる力をつける
――どのような事業をされていますか。
海外拠点に出向する社員に対して、現地で起こり得るさまざまな場面を想定した「課題解決型ショートケース」を用いて指導し、海外経験のない方や浅い方でも短期間に実践的なマネジメント力を身につけてもらえるよう、海外出向社員に特化した人材育成を行なっています。寺子屋と名づけているように研修は4、5人までの少人数制で行ない、1回にショートケース2題を2時間かけて双方向で討論するのが特徴です。
――具体的にどのようなことを学ぶのですか。
研修プログラムは大きく、「マネジメント力のつく異文化コミュニケーション」「成長を持続するグローカライズ経営」「フレームワークで考える経営戦略」「数字の奥まで考えるアカウンティング」という4テーマから成ります。それぞれ10題の短い事例があり、例えば「緊急事態に残業を断わるローカル社員は信用できないか」という課題を各自で考え、討論してもらい、最後に私が要点を解説します。いずれも「非常にわかりやすい」と好評です。
――学校の教え方とはまったく逆の方式を取ってられるそうですね。
大学の経営学部等は先に経営理論を教え、「実践でそれを応用しなさい」という方式。しかし多忙な日常業務の中で、イザという時は経営理論を忘れ去り、論理的に物事を考えられない状況にも陥ります。そこで先に現地で困る場面を描き出し、「問題解決にどんなフレームワークが活用できるか」を考えてもらいます。徹底して実践場面に応用できる力をつけるのです。
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プロフィール |
グローバル人材育成塾 塾長 秋里寿正<あきさと・としまさ> |
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