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ゼロ円(フリー)という起爆剤

更新日:2011年04月05日

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 マクドナルドでコーヒーが無料で飲めると話題になった頃から、ビジネス界では「フリー」「フリーミアム」という言葉が飛び交うようになった。いわゆる商品・サービスの無料提供だが、一体どんなものなのか?その実態を紹介する。
 


 
 クリス・アンダーソンが2009年7月に出版した著書
アメリカの著名IT誌「ワイアード」編集長クリス・アンダーソンが2009年7月に出版した著書
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

フリーで成立するビジネスがあるのか?

2009年の夏、マクドナルドは期間限定でコーヒーの無料キャンペーンを行ない、話題を集めた。この時、誰もが思ったことだろう、「儲かるのか?」と。結論からいうと、キャンペーン実施月の集客が増加しただけではなく、売り上げにも影響を及ぼした。無料のコーヒー目当てで来店した人の中に、ハンバーガーなどを購入する人が多く出てくるだろうという仮説が実証され、このキャンペーンの収支は黒字化したといわれている。

このキャンペーンだけが要因とは断言できないものの、この結果が意味することは、デフレにおける単なる値下げ競争の切り札とは、全く異なるということだ。これは、歴とした「フリー」というマーケティング手法だったのだ。

フリービジネスは、その概念こそ古くからあるものの、ビジネスモデルとして明確に示されたのは2006年で、ベンチャー投資家のフレッド・ウィルソンが証明者といわれている。

彼によると、「サービスを無料で提供し、場合によっては広告収入で支え、クチコミ・紹介ネットワーク・有機的な検索マーケティングなどで非常に効率的に多数の顧客を獲得し、そして、顧客獲得に対して付加価値サービスや強化版サービスを割増価格で提供すること」と、フリービジネスを定義している。

その後、アメリカの著名IT誌「ワイアード」編集長クリス・アンダーソンが2009年7月に出版した著書(邦題:FREE(フリー)で、その戦略についてより詳しく分析した。現在、日本でも関連書籍が多く刊行されている。

16万部のベストセラーは事前に無料で全文公開されていた

フリービジネスの中でも、「フリーミアム」という言葉が特に注目されている。これは、ITビジネスに多くみられる手法で、基本的なサービスを無料(フリー)で提供し、より高度な機能など(プレミアム)を取得する際には、料金を課金する仕組みで、フリーとプレミアムを掛け合わせた造語である。

実際に、クリス・アンダーソンの著書は、フリーミアムの戦略に基づき、アメリカでは出版の際に2週間限定で全文をインターネットで無料公開した。結果、30万人がダウンロードしたにも関わらず、有料の書籍もベストセラーとなった。

同様に、日本でも発売日の2週間前から1万人限定で全文無料公開を行ない、大きな話題となった。限定された人数とはいえ全文が公開されたものの、現在16万部のベストセラーになっている。

つまり、話題性と同時に、そこで書かれていることが、「プレミアム」であるからこそ、人々に、お金を出してでも読みたいと思わせ、収支構造が成立しているのだ。

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