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行動指針の明文化で社員の力を組織力へ!

更新日:2006年11月09日

組織力を強化するには組織固有の価値体系や行動指針が明文化されていなければならない。明文化されていないと社員に周知徹底されず、各自の行動にブレが生じてしまうものだ。成長力の高い企業が実践している指針、世界的に普及した指針などいくつかの事例を紹介しよう!


明文化の根底は「人としての在り方」

組織にはその組織固有の行動指針が明文化されていないと、構成メンバーの行動が組織の設定したベクトルとずれてしまいかねない。そして明文化された指針どおりに、各自が無意識に行動できるまでに周知徹底させなければ、個々の行動が組織力へと集約されない。

朝礼での唱和など周知徹底させる方法はさまざまだが、メンバーが毎日、行動指針を再確認することを仕向ける必要があろう。指針の中味だが、組織によって、あるいは時代によって相違はあるものの、その根底は共通しているようだ。要は、人としての在り方が明文化されているのである。

例をあげよう。昭和7年、当時世界の三大兵学校のひとつといわれた江田島海軍兵学校では、かの有名な「五省」が明文化された。同校の校長である松下元少将が創始したものである。

一、至誠に悖(もと)るなかりしか
一、言行に恥ずるなかりしか
一、気力に欠くるなかりしか
一、努力に憾(うら)みなかりしか
一、不精に亘(わた)るなかりしか

「五省」はいま読み返しても色あせていない。普遍性のある内容である。

成長力の高い企業はほぼ例外なく理念や指針を明文化しているが、社歴の新しい企業の例をみても格別ユニークではない。当然といえば当然の教えを徹底させている。まずグッドウィルグループの「グッドウィルグループ十訓」。

一、お客様の立場に立て、究極の満足を与えよ
一、夢と志を持ち、常にチャレンジせよ
一、困難の先に栄光がある、逆境を乗り越えよ
一、物事の本質を見抜け、雑音に動じるな
一、原因あるから結果がある、公正に判断せよ
一、積極果敢に攻めよ、守りは負けの始まりなり
一、スピードは力なり、変化をチャンスと思え
一、自信を持て、謙虚さと思いやりを持て
一、笑顔と共に明るくあれ
一、正しくないことをするな、常に正しい方を選べ


グッドウィルグループの社是「弛まぬベンチャースピリット」に基いて、社員がブレないように「グッドウィルグループ十訓」で明確な指針が掲げられている。同じ成長企業でも「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの場合、「起業家十戒」を定めている。社員に起業家としての行動を求めているのだろうか。

1、ハードワーク、一日二十四時間仕事に集中する。
2、唯一絶対の評価者は、市場と顧客である。
3、長期ビジョン、計画、夢、理想を失わない。
4、現実を知る。その上で理想と目標を失わない。
5、 自分の未来は、自分で切り開く。他人ではなく、自分で自分の運命をコントロールする。
6、時代や社会の変化に積極的に対応する。
7、日常業務を最重視する。
8、自分の商売に、誰よりも高い目標と基準を持つ。
9、社員とのパートナーシップとチームワーク精神を持つ。
10、 つぶれない会社にする。一勝九敗でよいが、再起不能の失敗をしない。キャッシュが 尽きればすべてが終わり。

ビジネスの成功を超えた人生の幸福

この10項目を毎日実行できれば起業家として成功しないほうがおかしい、と思えるほどの内容だ。『加速成功』『会社の寿命10年時代の生き方』(ともにサンマーク出版)などの著書をもつコンサルタントの道幸武久氏は、社員の名刺の裏にかつて伊藤忠の最高幹部が明文化した「成功六ヶ条」を印刷している。

一、如何なることがあっても、物事を肯定的に考える。
ニ、 常に、一歩でも、二歩でも、前進することを考える。そのためには努力することを惜しまない。
三、 如何なるときでも、人生に対する明確な目的意識を持ち続ける。
四、自分を信じ、他人の否定的な言動に惑わされない。
五、大事に直面して、失敗を恐れない。必ず成功すると確信する。
六、 将来の望ましい自分の姿を常にありありと、微にいり、細にわたり想像する。そうすると想像通りの人になると確信する。

成功という言葉に現われているように、これは成功への哲学ともいえる。特定の人物の見解ではなく数多くの成功者の行動を調査分析した法則として、世界的に知られているのが「7つの習慣」。実用性の高さが特徴といえるだろう。

第1の習慣 主体性を発揮する―自己責任の原則
第2の習慣  目的意識を持って始める―自己リーダーシップの原則
第3の習慣 重要事項を優先する―自己管理の原則
第4の習慣 WinWinを考える―人間関係におけるリーダーシップの原則
第5の習慣 理解してから理解される―感情移入のコミュニケーションの原則
第6の習慣 相乗効果を発揮する―創造的な協力の原則
第7の習慣 刃を研ぐ―バランスのとれた自己新再生の原則

 ビジネスにおいては成功がキーワードになるが、人生という土俵においては成功よりも幸福という概念が優先されるだろう。幸福論に関する著書も多い漫画家の水木しげる氏。第二次大戦でラバウルに出征して生死の極限を体験し、漫画家として地位を築くまでに多くの辛酸をなめた水木氏の「幸福の七カ条」は、ホッとする内容だ。

 

第一条 成功や名誉や勝ち負けを目的に、ことを行なってはいけない。
第二条 しないではいられないことをし続けなさい。
第三条 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しみを追求すべし。
第四条 好きの力を信じる。
第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
第六条 怠け者になりなさい。
第七条 目に見えない世界を信じる。

企業経営には相容れない箇所もあるだろうが、経営を離れた場で、ときには心の拠り所にしてはいかがか――。

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