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30年前に実証された“超モチベーション革命”

更新日:2005年11月02日

社員のモチベーションを高めるためにさまざまなプログラムが開発されている。いまや精神論によるモチベーション向上策はほとんどみられなくなったが、30年前にさかのぼると、当時は精神論が支えだった。しかし、この時代に、独自の方法で社員のモチベーションを高めた企業がある。当時の経営者が振り返る――。


 
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サングラスをかけてブーツをはき、アタッシュケースを

67歳の元エンジニアリング会社オーナーは、背広の下にはいつもカラーシャツしか身につけない。 赤、青、緑、茶、黄と派手に着こなし、「普通の日本人にはこんな色を着る度胸はないでしょう?」とニンマリする。いつごろからカラーシャツを?「若いときからですよ」

昭和40年代にさかのぼる。このオーナーは社員の士気高揚策を考えた。ふつうは人事評価制度の改定や研修の実施に目がむくだろうが、彼は身体感覚に目をつけたのだ。社員に命じたことは4つの習慣だった。

第一に、肉を食べること。「肉食になるとカッカしやすくなって戦闘的になるから、営業むきになる。社員を毎日のように焼き肉屋に連れていったものです。しかも、そば屋とかうどん屋に入った社員はクビにするぞ!とまでいいましたよ(笑)。私も若かったので、健康管理までは考えませんでしたが」

第二に、サングラスをかけてブーツをはき、アタッシュケースをもつこと。「流行の先端をいくファッションで身を固めると、時代の流れに敏感になります。これは多くの職業にとって大切なことじゃないですか。でも、さすがに社内でサングラスをかけてデスクワークをしている社員はいませんでしたね、遠慮する必要はないと念を押したのですが」。30年前には、サングラス、ブーツ、アタッシュケースは流行の先端をいくファッション・アイテムだったのだ。

ファッションは時代の産物である。ビジネス・センスを磨くためにファッションというツールに目をつけたわけだ。第三の習慣、第四の習慣は何だろう。話を続けよう。

カラーシャツを着て、広い家に住む

第三に、毎日カラーシャツを着ること。「当時、白いワイシャツを着るのはオシャレによるものではなく、ただ無難だからという理由からでした。しかし、無難でありたいという心理は自分の殻に閉じこもることでもあるので、まず殻を打ち破らせようと。それで、似合っても似合わなくてもよいからカラーシャツを着させたのです」。白地にストライプのデザインも、中途半端という理由で認めなかった。

第四に、広い家に住むこと。「広い空間に住むと人間の身体はのびのびするもので、これは精神にも影響します。精神がゆったりとしてくるのです。多少通勤時間がかかってもよいから、広い家に住むようにうながしました」

今日からみれば乱暴な点もあるが、すべて30年前に実践したことである。オーナーは4つの習慣をどこかで学んだのではなく、自らの実践と人間観察から考えたのだ。結果はどう出たのだろうか。即効性はなかったが、2カ月から3カ月たつと社内の空気が変わってきたという。

「明らかに活気が違ってきました。それに各自に意欲とか積極性が出てきました。今風に申し上げれば、モチベーションがアップしたということでしょうか」

4つの習慣に科学的な裏付けがあるかどうかは賛否両論だろう。もちろん肉を食べることは持続できる習慣ではないが、カラーシャツの着用はカラーセラピーなどの普及をみれば、先取りした取り組みともいえるだろう。

「セミナー会社に金を払って意識改革してもらうようりも、私のやり方のほうが安上がりで実践的だと思いませんか?」。このオーナーは第一線を退いてからは若手経営者の育成に取り組み、いまでも「白いワイシャツを着るな!個性がみがかれないぞ!」と叱咤している。

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