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人生の価値を高める勇気の一歩

更新日:2005年06月16日

2005年2月、東京のデパートで戦争写真家、ロバート・キャパの写真展が開催された。キャパといえば写実的な白黒作品が有名であるが、今回の写真展では新たに見つかったカラー写真を展示。連日盛況で最終日には行列ができ、入場制限がされたという。


 
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被写体に一歩踏み込む勇気

ロバート・キャパは5つの異なる戦争を取材した。スペイン内戦、日中戦争、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線、第一次中東戦争、および第一次インドシナ戦争である。ちなみに彼の名を世に知らしめた民兵の死の瞬間をとらえた『崩れ落ちる兵士』はスペイン内戦時のものだ。

キャパは、史上最大の作戦と名高いノルマンディ上陸作戦においても従軍記者として兵士たちと船に乗り、フランスの大地を踏みしめた。いまから61年前の1944年6月6日のことである。まさにキャパは、決死の覚悟で敵前上陸をめざす先陣部隊の兵士たちを、カメラに収めていったのだ。

たしかにロバート・キャパの写真作品には、人の心を打つ何かがある。そのゆえはなにか。キャパの弟であり、国際写真センター創立者でもあるコーネル・キャパ氏は、「それは被写体に一歩深く踏み込む勇気である」と語っている。キャパは望遠レンズを使わず、戦場で35ミリレンズで撮影した。迫力ある写真を撮るためには、被写体に一歩でも二歩でも近づくことが不可欠であったというのだ。

あと一歩が勝利の分かれ目に

銃弾が飛び交い、砲弾が炸裂する戦場で「一歩前に踏み込む」勇気をもつことが、どれほど大変なことであったか。それがキャパにとって、カメラマンの職業意識なのか、反戦を伝える使命感なのか、いまとなっては知るよしもない。しかし勇気の一歩を踏み出すことによって、彼は戦争と格闘し、自身の写真の価値を高めたのである。

ビジネス、さらには人生という戦場においても同じであろう。踏み込む一歩の距離はたしかに小さい。しかしその勇気があるかないかの差は、あまりにも大きい。いざという時に弱気になり、あと一歩を踏み出せない者は、結局は勝利にたどりつくことはできないのである。

ドイツの大詩人シラーはいう。「自分の執る職分を完全に尽くす人間は、尊敬すべきものだ。その活動範囲は、いくら小さくとも、その人はその人なりに大きいのだ。すべてこうした観点に立てば、いかに大いなる善が行なわれ、いかに人間は幸福になるだろう」

いまある職分を完全に尽くすだけでも、大善が行なわれているという。さらに一歩踏み込む勇気をもち創造性を発揮することによって、自らの活動範囲は広がり、新たな成果を勝ち得ることが可能となる。

いつも勇気の一歩を踏み出していたキャパは、1954年5月、インドシナの地で命を落とす。しかし彼の目線は、つねに凛と前を向いていたことは想像するに難くない。

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