アパートシェアのいいとこ取り
「coliving」という、住まい方、ライフスタイル
コモンリビング
更新日:2017年12月27日
日本でもシェアハウスが広がりを見せているが、アメリカでは、ヤングプロフェッショナルたちを対象とした、ちょっとグレードの高い「coliving(コリビング)」という、住まい方、ライフスタイルが注目されている。
個室プラス共有スペース
コリビングとは、おしゃれな共同生活、または学生生活を終えた大人の寮生活、とでも言うべきライフスタイル。アメリカ都市部の独身ヤングプロフェッショナルたちの間でコリビングを選ぶ人たちが増えてきており、それを反映して、ここ数年、コリビングをコンセプトとした集合住宅も増えている。
コリビングでは一般的に、入居すると個室が提供され、キッチン、リビング、バスルームなどは共用となる。プライベートスペースが少ない分、家賃は安くなる。だが、経済的な理由だけでなく、共用スペースでほかの住人と交流できる点も受けている。ニューヨーク、ブルックリンにある、コモンリビングが管理運営するコリビング「コモン バルティック」では、個室のベッドルームは家具付きで、キッチンやリビング、バスルームのほか、屋上スペース、受け付けは共用。さらに、共用スペースの清掃やトイレットペーパーなどの備品もサービスに含まれているので、快適に都会生活を満喫できる。
他の住人と交流したり、パソコンを持ちこんで仕事をしたりできる共用ラウンジ
ニューヨークの部屋探しはひと苦労
アメリカでは学生時代に寮生活を経験する人が多く、家賃が高いニューヨークなどの都市部ではアパートのシェアも一般的で、このようなコミュニティ型のライフスタイルに抵抗がない人は多い。しかし、家族や友人もいない大都会に一人で来て、安いアパートやルームメイトを探すとなると、オンライン掲示板などに頼るしかない。
これが外国人となるとさらにハードルが高くなる。アメリカで部屋を借りる場合、日本のように保証人は必要ないものの、クレジットカードのクレジットヒストリーの提示を求められるからだ。クレジットヒストリーは、アメリカの銀行口座をもち、アメリカで発行されたクレジットカードを一定期間使用しないと取得できない。つまり、アメリカに来たばかりの外国人は普通にアパートを借りることは不可能なのだ。
このため、家賃を半年分前払いしたり、クレジットヒストリーができるまでAirbnbに滞在するなど、不便を感じている人が多い。こうした不便さを解消してくれるのがコモンリビング。クレジットヒストリーのない外国人にも、手ごろな家賃で快適な最初の住空間を提供してくれる。
寝室は個室だが、あとは共用とすることで家賃が低く抑えられる/ブルックリンを一望に見渡せる屋上も共用スペース
家賃(共益費、光熱費、Wi-Fiなどを含めた金額)を、ニューヨーク、ブルックリンの同じ地域の一般的なステューディオ(ワンルームアパート)で比較すると以下のようになる。
コモン バルティック 1650ドル
オンライン掲示板 1660ドル
不動産仲介で探した物件 2710ドル
(コモンのHPより)
アパートシェアの煩雑さはすべてサービスとして引き受ける
オンライン掲示板で探せば比較的安く借りられ、クレジットヒストリーが必要ない場合もある。ただし、その分、アパートの状態がよくないとか、ルームメイトとのトラブルなどが発生するリスクがある。しかし、「コモン バルティック」を運営するコモンリビングのCEOで創設者のブラッド・ハーグリーブス氏は、「ルームメイト同士のケンカの原因は、家賃や買い物、掃除などの分担ですが、そういったものはすべてサービスとして家賃に含まれているので、こうしたトラブルは起きません」と言う。アパートシェアにありがちなこのようなトラブルがなければ、快適な共用スペースで隣人たちと交流するのは楽しいので、「コモンズ バルティック」には特に20〜30歳代の住人に人気がある。
また、空きさえあれば、手軽に他の都市のコモンズの部屋に移ることもできる。ネット環境さえあればどこにいても仕事ができる時代、仕事で出張が多い人や、物を持たないライフスタイルを好む人、定住するより時々違う環境に身をおいて生活したい人などにはとても便利な居住システムと言えそうだ。
コモンリビングは2010年に設立。現在ではアメリカの他、シンガポール、オーストラリア、香港、イギリスなど5カ国に20のコリビング物件を運営している。
20代〜30代のヤングプロフェッショナルに人気のコリビング
会社概要 |
企業名:コモンリビング |
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