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中国の労働力不足問題と産業用ロボットへの需要
莫邦富的視点〜21世紀の大国・中国を見つめる〜

更新日:2014年06月11日

2008年に、著者はメディアを通して、中国はやがて労働力輸入国になるだろうという予測を発表したという。この予測はますます現実味を帯びてきている・・・。


 
莫邦富氏
 
 
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中国はやがて労働力輸入国になる

中国の人件費は高騰している。労働者の募集もだんだん難しくなっている。しかも若い世代はひと昔の人たちほど働かないし、忍耐強さも欠けている。日系企業だけではなく、中国企業までも人件費の安さを求めて東南アジアをはじめ、パキスタン、バングラディシュなどに進出している。

吉林省あたりで、中国に密航してくる北朝鮮人を雇う工場やサービス業なども現われている。雲南省の国境地帯の町を歩くと、ミャンマー人やベトナム人の不法就労現象はなかば半公開の状態になっている。広東省東莞に行くと、刑務所の囚人には大勢の黒人がいる。まるでアメリカのどこかの地方の刑務所と錯覚してしまいそうだ。

2008年に、私はメディアを通して、中国はやがて労働力輸入国になるだろうという予測を発表した。この予測はますます現実味を帯びてきている。

こうした労働力不足問題とリンクする形で、中国の産業用ロボットに対する需要が急速に高まっている。

産業ロボットへのニーズが急騰

最近、英紙フィナンシャル・タイムズのある記事が人々の目を引いた。その記事によれば、「世界の工場」であった中国はいまや世界一の産業用ロボット購入国となっている。

フィナンシャル・タイムズはドイツの国際ロボット連盟の最新の統計を引用し、2013年中国が購入した産業用ロボットは世界の5分の1を占め、購入数が初めて日本を上回ったと報じた。中国が昨年購入した産業用ロボットは前年比約60%増の3万6600台で、二位の日本は2万6000台、三位のアメリカは2万3700台であった。

ただ、現在、日本の産業用ロボットの保有台数は世界一で、2012年は31万台で、アメリカの16万8000台、中国の9万6000台を大きく上回っている。中国の産業用ロボットの使用割合はいまなお低く、労働者1万人あたりわずかに23台である。韓国では労働者1万人あたり396台である。国際ロボット連盟の資料によれば、2008年から2013年まで、中国の産業用ロボット購入数は平均して毎年36%伸びており、賃金コストの上昇からハイテクに頼る必要があり、産業用ロボットの潜在的ニーズは高い。

スイスABB社ロボット部門担当のPer Vegard Nerseth氏は、中国では産業用ロボット市場の成長が凄まじく、数年後には市場規模が日本やアメリカを遥かに超えるだろう、という。

コンサルティング会社ソリディアンス社の報告によれば、中国での産業用ロボットのニーズは主に大型多国籍企業、特に自動車メーカーが占めており、全体の6割であるという。誘導・油圧・操縦性・人工知能分野の技術の進歩によって、産業用ロボットは一層の正確性とオートメーション化を実現し、さらに広範な製造分野での利用が可能となっている。

現在、スイスのABB、日本のファナック、ドイツのクーカなどの大手ロボットメーカーは中国市場の開拓を加速させている。産業用ロボット製造において現在のところイニシアチブを握っているのは日本で、中国市場での産業用ロボット売上高の半分を日本企業6社が占めているのに対し、中国の大手4社の中国市場でのシェアはわずか5%である。

外国人労働者を輸入するのか、それとも産業ロボットに頼っていくのか、注目すべきところだが、おそらくその両方とも中国ではますます大きなテーマになるだろうと思う。

著者プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu)
1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。 『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』などがある。 現 在、三井住友銀行グループ・SMBCコンサルティング会報誌の中国ビジネスクラブにて「データから見えてくる、これからの中国マーケット」、ダイヤモン ド・オンラインにて「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」、時事通信社の時事速報にて「莫邦富の『以心伝心』講座」などのコラムを好評連載中。 博報堂スーパバイザ。SMBCコンサルティング顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。山梨県観光懇話会委員。石川県中国インバウンド研究会顧問。大妻女子大学特任教授。
http://www.mo-office.jp/

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