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離島・宮古島の南西楽園リゾートホテルのペット誘客作戦
〜莫邦富的視点〜21世紀の大国・中国を見つめる〜

更新日:2013年11月27日

宮古島にある高級リゾートホテルでは、意外なことに、子供に対しては10歳以上でないと宿泊できないと決められているのに、ペット(犬を指す)とのステイは認められているという。
 


 
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高級感をアピールする離島のリゾートホテル

沖縄から300キロも離れた離島・宮古島に、南西楽園リゾートが経営する高級リゾートホテル群がある。ザ・シギラ、シギラベイサイドスイート・アラマンダ、リゾートヴィラブリッサ、ホテルブリーズベイマリーナなどがそれである。

高級という表現を使う以上、その高級さをある程度説明しないといけない。10室しかないザ・シギラをさておいて、まず、アラマンダを見よう。

ホテルの客室はすべてスイートルームで、全室にデイベッドを設えている。プライベートプールを備えた客室「プールヴィララグーンスイート」、「プールヴィラロイヤルスイート」は計85室もある。ホテルの随所に熱帯の植物や花などを植えており、宿泊客の滞在に彩りを添えるように気を配っている。

プールヴィラロイヤルスイートはコテージタイプの部屋で、開放的な吹き抜けのリビングルームもある室内は90平米と広い。専用プールとテラスをあわせると161平米の広さを擁する個人空間が贅沢な満足感を与える。しかも、専用カートが用意されており、リゾート巡りに自由に使える。

一方、プールヴィラ ラグーンスイートの場合は、水辺に佇む国内最大級のオールスイートヴィラとして知られる。すべての部屋にプライベートプールが用意されている。窓辺に設えたデイベッドに寝そべれば、宮古島の碧い海を時間を忘れるほど眺め続けられる。

ペット同伴を認める企業の狙い

しかし、この高級リゾートホテルでは、意外なことに、子供に対しては10歳以上でないと宿泊できないと決められているのに、ペット(犬を指す)とのステイは認められている。いくら犬種や犬の年齢などについてある程度の制限があると言っても、その事実を知った私は、やはり驚きを覚えた。

早速、ホテル側に頼んで、その客室をチェックしてみた。

愛犬との宿泊が認められるのがVIDルーム(VERY IMPORTANT DOG ROOM)と呼ばれる客室で、ホテルの1階に6室も用意されており、ラグーンに面したテラスでもペットと一緒に寛げる。カート道もすべて犬を連れて散歩することができる。

ペットと一緒に利用できるレストランもそれなりに用意されている。たとえば、ホテル本館1階にあるレストランとしては、和琉創作料理の「マラルンガ」のテラス席、プールサイドグリルの「フレッシュシーフード アンド ロブスター」のテラス席、リゾート内のレストランとしては、カフェ&ピッツァの「スターダストガーデン」のテラス席、南風屋台村「琉球の風」のボックス席はペットの同伴が認められる。

ペット同伴の3人家族の滞在として、滞在プランをチェックしてみたら、12月には、すでに満室の土日や月末が出ている。1泊朝食付で75600円(消費税・サービス料込み)。来年の正月を見ると、やはり満室になっている。人気の高さが再認識された。

高齢化が進む日本社会。ペットは一部の高齢者にとってはすでに日常生活の一部と家族の一員になっている。そのペットを置いての旅行は多くの飼い主にとっては忍び難い行為だと受け止めている。逆に言えば、ペットとのステイが認められると、年金生活に余裕のある一部の高齢者は旅行に出やすくなる。

高級リゾートホテルとは言え、多種多様な顧客のニーズに応えようとする南西楽園の狙いもまさにそこにある。企業努力を垣間見ることができた瞬間で、その決断には感心した。取材が終わり、お別れのあいさつをしながら、心の中では、すでにわが家のアイドル、シーズーのららを連れての宿泊企画を立て始めた。

著者プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu)
1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。 『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』などがある。 現 在、三井住友銀行グループ・SMBCコンサルティング会報誌の中国ビジネスクラブにて「データから見えてくる、これからの中国マーケット」、ダイヤモン ド・オンラインにて「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」、時事通信社の時事速報にて「莫邦富の『以心伝心』講座」などのコラムを好評連載中。 博報堂スーパバイザ。SMBCコンサルティング顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。山梨県観光懇話会委員。石川県中国インバウンド研究会顧問。大妻女子大学特任教授。
http://www.mo-office.jp/