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莫邦富的視点
人民元は世界の基軸通貨となれるのか
莫 邦富(Mo Bang-Fu)

更新日:2008年03月19日

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 最近、米ドルに対する評価が急激に下がっている。
 そうしたなか、世界の熱いまなざしが人民元に注がれているが、果たして人民元が世界の基軸通貨の一極をなす日はくるのだろうか。


 
莫邦富氏
 
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日本で高まった米ドル覇権の崩壊論

最近、米ドルに対する評価が急激に下がっている。日本国内でも米ドルの覇権時代は終わったと酷評する世論が高まっている。中央公論07年12月号には、もと大蔵省(現財務省)財務官だった榊原英資早稲田大学教授の論文「ドル帝国の黄昏が始まった」が掲載されている。
時事通信社からは宇野大介氏が著する『覇権国アメリカの終焉』、徳間書店からも副島隆彦氏の新著『ドル覇権の崩壊』が出版された。

こういったテーマの著書や論文を取り上げるならば長いリストを作成できるが、一応、その列挙はこの辺までにとどめておくことにする。

相場を通じて見える世界としてこのテーマに取り組んだ宇野氏は、その本の帯で、「基軸通貨・ドルの時代は終わった!」と大胆に主張している。副島氏も、いまこそ資産を金・ユーロ・人民元に移せ、と過激に主張する。榊原氏は、「時代は緩やかに、しかし着実に、ドルからの離脱の方向に動いてきている」といい、アメリカの影響力が低下し、21世紀は中国、インドを中心とするアジアの時代になると予測しながら、ヨーロッパ、アジア、アメリカという三極が並立するような構造になっていく趨勢にあることを指摘している。

2003年、ドイツの前首相ゲアハルト・シュレーダー氏も、「2030年に、世界はドル、人民元、ユーロの3大通貨が共同で支える局面になる。世界金融の安定性と持続可能性がアメリカ、中国、ヨーロッパの中央銀行の協力に依存する」と大胆に予測している。
このように、人民元に注がれる世界の熱いまなざしには共通したものがある。つまり、世界の機軸通貨としての人民元に対する期待と評価だ。

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プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu): 1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。
『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』『日中「アジア・トップ」への条件』などがある。
現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を連載中。博報堂スーパバイザ。東京経営者協会評議委員。東京メトロポリタンテレビジョン放送番組審議委員。中国山東省青島市開発区顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。
http://www.mo-office.jp/