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莫邦富的視点
なぜ航空会社は地方路線から撤退するのか
莫 邦富(Mo Bang-Fu)

更新日:2008年02月21日

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 地方からの海外路線が上手くいっていないようだ。
 では、市場ニーズはどうなっているのだろうか。市場ニーズを考えながら、日本の空港の状況を見ていく。


 
莫邦富氏
 
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挫折した香港・岡山定期チャーター便がもたらしたヒント

07年も残りわずかとなった時、あるニュースに目を奪われた。
岡山県の石井知事が香港の航空会社を訪れてトップセールスし、12月22日から香港エクスプレス航空による定期チャーター便の運航が始まった。とりあえず2月までに計20往復の運航が決定し、岡山〜香港空港の定期線開設に漕ぎ着けようと双方の関係者は考えていた。

しかし、その喜びも一瞬で終わった。12月25日、香港エクスプレス航空から突然の通知を受け、1月5日から計4往復の運航が中止になると岡山県が発表した。それ以降の定期チャーター便の運航も継続されるかどうか怪しくなってきた。
運航中止の最大の理由は、岡山発の便の予約率の低迷にあるそうだ。座席数164に対し、第1便の搭乗者は香港発110人、岡山発が24人だった、と報じられている。

このあまりにも情けない数字では運航中止はやむをえない措置だと私も思う。それと同時に日本の航空行政に対する不満がいっそう高まった。挫折した香港・岡山定期チャーター便がもたらしてくれたヒントをよく考えなければならない。ひと言で言えば、市場ニーズに逆行したということに尽きる。しかも、日本航空行政の不作為と誤った誘導が問題をさらに深刻化させたと思う。
首都圏空港の発着枠を増やすべきだ

2006年度出国日本人数を空・海港別で見ると、空港利用が全体の98.9%を占め、1734万7447人だった。一方、上位5空港の利用率を見ると、次のようになる。

表1







 


この5空港で全体の94.4%を占めている。しかも、前年との比較では羽田空港が17.6%増と成長を見せている。07年9月28日から羽田空港と上海虹橋空港を結ぶ国際定期チャーター便が開通したので、このデータはさらに大きく更新されるだろうと思う。

2008年年明け早々、全日空は1月6日、4月に羽田―香港間に定期チャーター便を就航させることを明らかにした。1日1往復とは言え、羽田の国際化が着実に歩を進めている。さらに、羽田空港と北京南苑空港を結ぶ国際定期チャーター便の運航も議論されている。実現すれば国際空港としての羽田空港の重みがいっそう増すものと想定できる。

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プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu): 1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。
『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』『日中「アジア・トップ」への条件』などがある。
現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を連載中。博報堂スーパバイザ。東京経営者協会評議委員。東京メトロポリタンテレビジョン放送番組審議委員。中国山東省青島市開発区顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。
http://www.mo-office.jp/