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莫邦富的視点
企業誘致に失敗した遼寧省訪日団が残した課題
莫 邦富(Mo Bang-Fu)

更新日:2009年05月27日

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知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続ける莫氏によるコラムです。
遼寧省の陳政高省長が省政府の幹部、省内14都市の市長など総数200人にものぼる巨大な訪日団を連れて、日本にやってきたのだが、公費による観光ではないのかとメディアから厳しく批判された。著者はこのような企業誘致方法はすでに時代遅れになっているという。

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コンサルタント会社などを上手に利用しよう

しかし、遼寧省訪日団のような企業誘致方法はすでに時代遅れのものになっていることも指摘しておかなければならない。10数年前ならば、大挙をなして日本に企業誘致に来るのを見て、日本人もそれを誠意と受け止めることもあっただろう。だが、金融危機のさなかの今、こうした手法は評価されるどころか、逆に顰蹙を買ってしまう。効果がほとんどないことがわかっているからだ。

 10数年前は、中国に進出している日本の銀行やシンクタンク、法律事務所、会計事務所、コンサルタント会社、リサーチ会社などがまだ少なかった。情報収集するためにも、自らの誠意を見せるためにも、日本を訪れて、多くの日本人と会って直接アピールするしか方法がなかったかもしれない。

 ところがいまは、上海、北京、広州、蘇州など中国の多くの大都市には、日本企業のビジネスを支えるこうした機構や団体、企業または事務所が進出している。これらを通したほうがより確実に、より迅速に信頼度の高い情報を入手することができる。しかも、大軍団を組織して日本など海外に直接行くよりも、コストが大幅に下げられる。

 残念ながら、遼寧省訪日団にはこうした視点はまったくなかった。ある意味では、彼らは批判されて当然である。これから中国の地方政府が外国企業を誘致する時、今回の事件の学習でもう少し利口になってくれるだろうと思いたい。

 ここまで書いてきて急に不安を覚えた。日本の地方自治体の海外訪問に対して、こうした批判の砲火を浴びせても的外れとはいえないのではないかと思う。果たしてどうだろうか。

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プロフィール

莫 邦富(Mo Bang-Fu): 1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。
『蛇頭』『中国全省を読む地図』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーとなり、話題作には『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』『これは私が愛した日本なのか』『新華僑』『日中「アジア・トップ」への条件』などがある。
現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を連載中。博報堂スーパバイザ。東京経営者協会評議委員。東京メトロポリタンテレビジョン放送番組審議委員。中国山東省青島市開発区顧問。三菱UFJ信託銀行業務顧問。
http://www.mo-office.jp/