莫邦富的視点
中国の地方にもビジネスチャンスあり
莫 邦富(Mo Bang-Fu)
更新日:2007年09月27日
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中国の地方都市など消費力の低いところにも、食の安全を求める消費者意識の波は打ち寄せつつある。中国の地方にもビジネスチャンスがあるのだ。
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炎天下の屋外に置かれたヨーグルト
8月中旬、太陽が燦燦と照りつけるなか、河南省のある乳製品会社を視察した。屋外の気温はとても高い。しばらく立っていると、汗が吹き出るように流れてくる。しかし、驚いたことに、この乳製品会社が生産した紙パックのヨーグルトが、太陽光が容赦なく照りつける炎天下の屋外に山と積まれていた。商品を手にとってみると、賞味期限が80日間となっている。
それを見て驚愕した私が、「こんな環境の中に商品を置いて大丈夫なのですか」と質問した。「真空パックだから、大丈夫だ」との回答に、腑に落ちない思いだったが、商品包装の専門知識がない私にはそれ以上切り込むことはできない。
そこで質問を変えてみた。
「大手メーカーである蒙牛や伊利などの代表的なライバル会社に勝てると思いますか」
「彼らと私たちが狙う市場は違うので、正面衝突はしない」
「どこが違うのですか」
とさらに聞いた。
「一線都市を中心にビジネスを展開する蒙牛などの大手メーカーと違って、私たちは二、三線の都市を狙う。もちろん、販売価格もその分安い」
それを聞いた私は無言のまま、視察現場を去った。
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プロフィール |
莫 邦富(Mo Bang-Fu): 1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。 |
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