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従業員と会社を助ける保険制度:育児休業・職場復帰

更新日:2014年02月12日

育児休業中の従業員が受けられる制度や、職場復帰後の注意点があれば教えてください。
 


 
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回答

育児休業中の従業員の雇用を維持するため、一定の要件を満たした育児休業中の雇用保険の被保険者には、育児休業給付金が支給されます。育児休業を中心に、さまざまな制度をご紹介します。

解説

 【育児介護休業とは】

育児休業とは、育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行なう労働者の福祉に関する法律)で定められている制度で、原則として1歳に満たない子を養育する労働者からの申し出により、子が1歳に達するまで(1歳の誕生日の前日まで)の期間で、取得することができます。
育児休業は、原則として、一人の子につき1回まで取得することができ、休業期間等は次の通りです。

 育児休業の種類  育児休業取得可能期間  取得要件
 原則  子が1歳に達するまで 一定の要件を満たせば取得できる
 例外1
パパママ育休プラス
子が1歳2カ月に達するまで 父母がともに育児休業を取得する場合
(一定の場合は、2回まで取得可能)
例外2
育児休業期間の延長
 子が1歳6カ月に達するまで  保育所に入所を希望しているが、入所できない場合や、子の養育を行なっている配偶者で、1歳以降子を養育する予定だった者が、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合

育児休業取得中の給与を無給にすることも可能です(ノーワーク・ノーペイの法則)。休業中の給与の取り扱いについては、事前に就業規則等で定めておくと良いでしょう。また、法律の基準を上回る育児休業制度を自社で定めることも可能です。

【育児休業の対象者】

育児休業は、女性だけでなく、男性も取得することができます。
また、契約期間の定めのある労働者についても、1年以上の雇用実績があり、かつ育児休業を終了した後も引き続き雇用されることが明らかな場合など、一定の条件を満たせば、育児休業の取得が可能です。

一方、日雇い労働者は育児休業の対象外となります。また、労使協定により、次の者を対象から除外することもできます。

(1) 入社後1年未満の者
(2)休業申し出から1年以内(1歳から1歳6カ月に達するまでの育児休業を取得する場合には、6カ月以内)に雇用関係が終了することが明らかな者
(3)1週間の所定労働日数が2日以内の者

【社会保険料の免除】


育児休業等を取得している期間については、健康保険・厚生年金保険(あわせて社会保険)の保険料は、「育児休業等取得者申出書」を提出することにより、被保険者負担分および会社負担分ともに徴収が免除されます。
保険料が免除される期間は、育児休業等開始月から終了予定日の翌日の月の前月(育児休業終了日が月の末日の場合は育児休業終了月)までです。
また、2014年4月からは、産前産後休業中の社会保険料についても徴収が免除されます。

【育児休業給付金】

雇用保険の一般被保険者である労働者で、原則として育児休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(過去に雇用保険の基本手当の受給資格の決定を受けたことのある場合は、受給資格決定を受けた後のものに限ります。)が12カ月以上ある者が育児休業を取得する場合、条件を満たせば育児休業給付金が支給されます。

ただし、育児休業を開始する時点で、育児休業終了後に退職することが決まっている場合などは支給の対象となりません。

育児休業給付金は、原則として、「休業開始時賃金日額」×支給日数×40%(ただし、当分の間は50%)に相当する額が支給されます。休業開始時賃金日額とは、原則として育児休業開始前(産前産後休業を取得した被保険者の方が育児休業を取得した場合は、原則として産前産後休業開始前)6カ月間の賃金を180で除した額を言います。

育児休業給付金の額(例)
・休業開始時賃金月額(休業開始時賃金日額×支給日数)が300,000円の被保険者が、支給対象期間の30日間休んだ場合
300,000円×50%
=150,000円(育児休業給付金の額)

一方、支給対象期間に賃金が支払われている場合は、以下のように金額が調整されます。

支給対象期間に支払われた賃金の額 育児休業給付金の額
休業開始時賃金日額の30%以下の
賃金が支払われた場合
賃金日額×支給日数の50%相当額
(上記の例の場合、300,000円×50%=150,000円)
休業開始時賃金日額の30%超〜
80%未満の賃金が支払われた場合
賃金日額×支給日数の80%相当額と賃金の差額
(上記の例の場合、300,000円×80%=240,000円から賃金額を差し引いた額)
休業開始時賃金日額の80%を超えて
賃金を支給した場合
支給なし

なお、上記の賃金月額には上限額および下限額があります。これらの金額は毎年改定されますので、ハローワークにて最新の額をご確認ください。

また、育児休業給付金の支給申請は、原則として2カ月に1回、所定の期日までに申請する必要があります。うっかり期限を過ぎてしまうことの無いよう、十分注意してください。

【職場復帰後に利用できる制度】


育児休業が終了し、職場復帰する際に利用できる主な制度は以下の通りです(女性だけでなく、男性従業員も利用することができます)。

制度の種類 対象となる労働者 制度利用の効果
所定外労働の制限 3歳未満の子を養育する者が請求した場合 所定労働時間を超えて労働させてはならない
時間外労働の制限 小学校入学前の子を養育する者が請求した場合 1カ月に24時間、1年に150時間を超える時間外労働を免除
深夜業の制限 小学校入学前の子を養育する者が請求した場合 深夜業をさせてはならない。(ただし、所定労働時間の全部が深夜にある労働者等は対象外)
短時間勤務制度の義務化 3歳未満の子を養育する者が希望した場合 利用可能な短時間勤務制度(1日原則として6時間)を設ける義務
子の看護休暇
(子どもの怪我・病気の看護や、予防接種・健康診断を受けさせるための休暇)
小学校入学前の子を養育する者から申し出があった場合 小学校就学前の子が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日の休暇を年次有給休暇とは別に付与。(ただし、無給でも可)

日雇いの者など、一部制度が対象外となる労働者もいます。また、労使協定を締結することにより、一定の労働者を制度の適用対象外とすることもできます(入社後1年を経過しない者等)。

【よくある質問】

Q.育児休業を取得したいのですが、査定が下がりそうで不安です。また、従業員数の少ない零細企業なので、育児休業を取得すること自体可能なのでしょうか?
A.従業員から育児休業の申し出があったときに、事業主は、これを拒むことはできません。また、育児休業の申し出をしたことや、実際に育児休業を取得したことを理由として、人事考課で不利益な評価を行なったり、退職を強要するなど、不利益な取り扱いをしてはならないということになっています。
とは言え、社内に代わりの人材がいない場合には、会社も引き継ぎや代替要員の確保などが必要になりますので、労使双方にとって納得のいく形で、育児休業を取得し、職場復帰できることが望ましいと言えます。

【問い合わせ先】

詳しい内容につきましては、下記にお問い合わせください。

・育児休業給付金について
全国ハローワークの所在案内(厚生労働省ホームページ)
http://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html

・社会保険料の免除について
全国年金事務所の所在案内(日本年金機構ホームページ)
http://www.nenkin.go.jp/n/www/section/index.html

著者クレジット

特定社会保険労務士 岩野麻子(いわの・あさこ)
勤務時代から、350社の中小企業に対する労務コンサルティング業務に従事し、企業内人事部では、従業員約3,000人をサポートした経験を持つ。現在は独立開業し、就業規則の作成や助成金の申請等を行なっている。