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労務Q&A
安全衛生管理:衛生管理の基礎知識

更新日:2012年11月21日

当社はソフトウェア開発を主な業務としておりますが、最近、過度の残業や仕事のストレスが原因でうつ病を発症し休職する社員が数名出てしまいました。社員の疲労が蓄積していることはわかっていましたが、この業界ではやむを得ないものとして黙認していました。緊急性のない整理整頓等は後回しにされ、職場も雑然とした状況です。会社として、どのような対応を取れば良いでしょうか。
 


 
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回答

衛生管理の基礎知識と、心身ともに健康な職場環境を作るポイントについてご説明します。

解説

【職場における衛生管理の現状】

従来の職場における衛生管理に関しては、職場そのものの整理整頓や換気をしたり、定期的に職場の設備等の衛生状態を点検する、というイメージがありました。もちろん、これらも重要ですが、今日では、ストレスや過重労働が原因で、心身ともにバランスを崩し、精神疾患、脳血管疾患、心臓疾患等を発症する労働者が増え続けています。そのため、これらの疾患等を予防することも衛生管理に関する業務の大切な役割であると言えます。

【衛生管理者とは】

「衛生管理者」は、労働者の健康障害防止措置に関することなど、事業場等の衛生に係る技術的事項の管理を行なう者であり、安全管理者とは異なり、常時50人以上の労働者を使用する全ての事業場において、その選任が義務付けられています(労働安全衛生法 第12条)。ここでいう「衛生に係る技術的事項の管理」とは、必ずしも専門的技術的な事項に限られず、後述の通り具体的な事項も含まれます。そのため、衛生管理者は、衛生に関する措置をなしうる権限を会社から付与されています。

また、常時10名以上50名未満の労働者を使用する事業場においては、「衛生推進者」の選任が義務付けられており、衛生に係る業務を行なうこととされています(労働安全衛生法 第12条の2)。

【衛生管理者を選任すべき人数】

事業所の労働者数によっては、次の表の通り衛生管理者を複数人選任する必要があります。

常時使用する労働者数 選任すべき衛生管理者の人数
50人以上200人以下 1人以上
200人を超え500人以下 2人以上
500人を超え1,000人以下 3人以上
1,000人を超え2,000人以下 4人以上
2,000人を超え3,000人以下 5人以上
3,000人を超えるもの 6人以上


なお、労働者数は、会社全体ではなく事業所ごとの人数でカウントします。そのため、原則として、衛生管理者はその事業所に専属する必要があります。

※ 衛生管理者選任の要件等については、コラム(こんなときどうする?)「安全衛生管理:安全衛生管理体制の整備」内の「安全衛生管理体制一覧表」でも説明していますので、併せてご参照ください。

【衛生管理者の職務】

衛生管理者は、主に次の業務を行ないます。
(1)健康に異常のある者の発見および処置
(2)作業環境の衛生上の調査
(3)作業条件、施設等の衛生上の改善
(4)労働衛生保護具、救急用具等の点検および整備
(5)衛生教育、健康相談その他労働者の健康保持に必要な事項
(6)労働者の負傷、疾病、死亡、欠勤および異動に関する統計の作成
(7)衛生日誌の記載等、職務上の記録の整備 等

衛生管理者の業務遂行にあたっては、「職場点検チェックリスト(巻末資料参照)」等を作成し項目ごとにチェックをすると便利です。作成例を参考に、自社で必要な項目を網羅したチェックリストを作成してみてください。衛生管理者に義務付けられている、週1回の職場巡視もスムーズに行なうことができます(衛生推進者には、職場巡視義務はありませんが、定期的に職場点検をすることが望ましいと言えます)。

【衛生管理者の要件】

衛生管理者は次のいずれかの資格を有する者でなければならないとされています。
(1)都道府県労働局長による以下の免許を受けた者(※)
・第一種衛生管理者免許
・第二種衛生管理者免許
・衛生工学衛生管理者免許
(2)医師または歯科医師
(3)労働衛生コンサルタント
(4)その他、厚生労働大臣の定める者

※ 下記の業種においては、第二種衛生管理者免許取得者以外の者からの選任が必要です。
農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業および清掃業

衛生管理者試験を受けるためには、「労働衛生の実務に従事した経験」等の受験資格を満たしていることが必要です。詳細は、「財団法人安全衛生技術試験協会(厚生労働大臣指定試験機関)」のホームページ等で確認することができます。また、社内で衛生管理者となる人を選任する場合は、できるだけ、他の事業所への異動予定や退職予定のない人を選任すると良いでしょう。晴れて試験に合格したら、衛生管理者免許の写しを添付し、労働基準監督署に「衛生管理者選任報告」を提出します。この提出をもって、衛生管理者選任の届出が完了します。

【よくある質問】

Q1.労働者の健康を維持するための制度には、どのようなものがありますか?

A1.今日では、仕事のスピードや効率化が重視される傾向にある一方、プライベートではスローライフ等、ストレスの少ない、ゆったりとした生き方に注目が集まっています。心身の健康のためには、心と体のバランスを保つことが大切であるため、仕事をしている時間にストレスや疲労を感じているのであれば、その分、緊張して滞った心身をほぐすことが必要と言えます。

たとえば、会社に定期的に整体師に来てもらうことによって、従業員が体のメンテナンスをしやすい環境を作る会社もあります。また、導入しやすい制度としては、週に1日「ノー残業デー」を作って残業を減らしたり、「有給休暇の取得推奨」によって有給休暇の取得率を上げ、心身ともにリフレッシュできる時間を作ってもらうなどもあります。自社に合ったものから少しずつ実践してみてはいかがでしょうか。

【問い合わせ先】

衛生管理者試験、衛生管理等の詳しい内容につきましては、下記をご覧ください。

■財団法人 安全衛生技術試験協会
http://www.exam.or.jp/

■労働基準監督署案内(労働基準監督署:安全衛生課)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/location.html

【資料】
職場点検チェックリスト(例)(PDF:67KB)

著者クレジット

社会保険労務士 岩野麻子(いわの・あさこ)
勤務時代から、350社の中小企業に対する労務コンサルティング業務に従事し、企業内人事部では、従業員約3,000人をサポートした経験を持つ。現在は独立開業し、就業規則の作成や助成金の申請等を行なっている。