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第1回:70歳、80歳現役社会の到来に備える

更新日:2018年02月26日

日本の65歳以上人口の割合は、2017年に27.8%であったものが、2025年には30.0%、2036年には33.3%にまで上昇する、と予想されています(国立社会保障・人口問題研究所2017年推計)。ついに3人に1人が高齢者という社会がやってくるわけです。政府としては、国民の3人に1人に対して年金を払い続けるなどということは考えておらず、年金受給開始年齢の引き上げや、65歳を過ぎても現役で働き続けてもらう、という方向に、国の政策が向かうことは明らかです。70歳、80歳現役社会の到来は必至だと言えるでしょう。
以下では、政府の有識者会合から出された提言などを基に、日本の未来の姿を探っていきます。
 

70歳、80歳現役社会の到来に備える1.政府の「高齢社会対策大綱」とその基本的考え方の背景
2017年8月8日に開催された内閣府の「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会」の中で、次のような提言が出されました。

・65歳以降も働き続けることで引退を先に延ばし、公的年金の給付水準の低下を抑える
・75歳まで年金の受給開始年齢を選択できて割り増し年金額をもらえる制度も考えていく


上記の報告を受け、内閣府「高齢社会対策大綱」では、次のように「高齢者」の捉え方の意識改革を行っていくこことされています。

内閣府「高齢社会対策大綱」より
<大綱の基本的考え方>
「高齢者の意欲や能力を最大限活かすため、『支えが必要な人』という高齢者像の固定観念を変え、意欲と能力のある65歳以上の者には支える側に回ってもらうよう、国民の意識改革を図る。」

上の提言や基本的考え方の下、公的年金受給開始年齢については(75歳も視野に入れて)65歳以降に引き延ばされることは、ほぼ確実と見られています。こうした中、少子高齢化が今後ますます進むことも考慮に入れると、日本の企業には将来的に、高齢者雇用についてのドラスティックな取り組みが求められてくることが予想されます。今後、「70歳現役」は当たり前、「80歳現役社会」が到来する可能性も充分にありえます。この「70歳、80歳現役社会」において、企業の高齢者雇用はどうなっていくのでしょうか?

1.定年年齢の引き上げ

公務員においては、すでに定年年齢が2019年度から段階的に65歳へ引き上げていく方向で調整が進められています。厚生労働省の資料によると、民間企業でも、中小企業を中心に65歳以上の定年制が導入されつつあります。定年年齢の引き上げは、今後、多くの企業にとって必要になってくるのではないでしょうか。

【65歳以上定年制導入企業数 2017年】(資料:厚生労働省「高年齢者の雇用状況」)
・中小企業……25,155社(前年比:1,968社の増加)
・大企業……1,437社(前年比:147社の増加)

2.定年制の廃止        
同資料によると、定年年齢の引き上げに比べると数はまだ少ないですが、中小企業を中心に、定年制を廃止する動きも出始めてきています。定年制の廃止も、場合によっては検討しなければならない時代がやって来ると思われます。

【定年制廃止企業 2017年】(資料:厚生労働省「高年齢者の雇用状況」)
・中小企業……3,983社(前年比:1社の増加)
・大企業……81社(前年比:1社の減少)

3.留意点等
少子高齢化がさらに進む将来、どの企業においても、高齢者比率が上昇し高齢者活用の必要性が高まることは必然的な流れだと考えられます。高齢者活用に際しては、ニーズや特性に応じて、フレックス勤務や在宅勤務の制度を整備するなど、長年培ってきた技術や専門知識を活かすことのできる仕事を配分するなどの工夫が必要になってくるでしょう。また、若手の人材採用難も予想されるため、40〜50代の人達を戦力として中途採用することも考慮に入れておくべきでしょう。

4.政府の支援策
政府は、65歳を超える定年制を導入する企業などを支援する助成金(※1)を出しているほか、今年1月12日に、厚生労働省から、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に、「生涯現役社会」の実現に向けた気運を醸成するための啓発広報等を行っていくよう指示が出されました(「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 第4期中期目標」より)。
将来的には、「70歳、80歳現役社会」は当たり前という「生涯現役社会」がやって来てしまうかもしれません。

※1:厚生労働省「65歳超雇用推進助成金」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139692.html