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雇用調整助成金の活用(1)

更新日:2013年07月17日

当社は従来、通信端末機器の部品となる精密機械を作ってきましたが、近年、取引先メーカーが海外の安価な部品に切り替えるケースが増えてきました。当社としては、当該製品の生産を縮小せざるをえず、一時休業や職人の出向までをも考えなければならない状態に陥ってしまいました。彼ら職人の雇用維持のためにも受けられる支援制度があれば、ご紹介下さい。
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

回答

「雇用調整助成金/休業・教育訓練」をご紹介します。

解説

雇用調整助成金は、経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時に休業等(休業および教育訓練)または出向により労働者の雇用維持を図る際に負担した休業手当や賃金等の一部を助成するものです。

【対象となる労働者】

対象となる労働者は雇用保険の被保険者です。ただし、次のいずれかに該当する労働者は対象になりません。
・同一事業主に引き続き雇用保険被保険者として雇用された期間が6カ月未満である者
・解雇を予告された者、退職願を提出した者または事業主による退職勧奨に応じた者
・日雇労働被保険者など

【対象となる事業主】

対象となる事業主の主な条件は、以下のとおりです。
・雇用保険の適用事業主であること
・対象労働者の出勤・休業・教育訓練または出向状況、および賃金・休業手当等の支払い状況等を明らかにする書類を整備保管していること
・売上高または生産量などの事業活動を示す指標の最近3カ月間の月平均値が、前年同期比で10%以上減少していること(※1)
・対象期間の初日が平成25年6月1日以降である場合は、最近3カ月の「雇用保険被保険者数と受け入れている派遣労働者数の合計」の平均値が前年同期比で、5%を超え6人以上(中小企業の場合は、10%を超え4人以上)、増加していないこと(※1)

※1:
・厚生労働大臣が指定する地域(雇用維持等地域)内に所在する事業所の事業主(雇用維持等地域事業主)
・厚生労働大臣が指定する事業主(大型倒産等事業主)の関連事業主(下請事業主等)
・認定港湾運送事業主
に関しては、
・売上高または生産量などの事業活動を示す指標の最近3カ月間の月平均値が、前年同期比で減少していること
・最近3カ月間の雇用保険被保険者数の平均値が、前年同期比で増加していないこと

【対象となる措置】

対象となる措置は、次の(1)(2)のいずれかの措置です。

(1)休業
次のすべてに該当する休業を行なうことが必要です。
・労使間の協定により行なわれるものであること
・所定労働日の所定労働時間内において実施されるものであること
・休業手当の支払いが労働基準法 第26条の規定に違反しないものであること
・所定労働日の全1日にわたるものであること、または、事業所の雇用保険被保険者全員に一斉に1時間以上実施されるものであること

(2)教育訓練
次のすべてに該当する教育訓練を行なうことが必要です。
・労使間の協定により行なわれるものであること
・所定労働日の所定労働時間内において実施されるものであること
・職業に関連する知識や技術等の習得を目的とするもの、または、事業所における今後の生産性向上につながると認められるものであること
・次のアまたはイに該当するものであること
ア:事業所内訓練の場合…事業主が自ら実施するものであって、受講する労働者の所定労働時間の全1日または半日(3時間以上で所定労働時間未満)にわたり行なわれるものであること
イ:事業所外訓練の場合…ア以外の教育訓練で、1日に3時間以上行なわれるものであって、受講者を受講日に業務に就かせないものであること

【受給できる額】

受給できる額は、以下のとおりです。

(1)休業の場合
休業実施の際に支給対象者に支払われた休業手当相当額の2分の1(中小企業の場合は3分の2)。ただし、1人1日あたり7,870円を上限とします。

(2)教育訓練の場合
教育訓練実施の際に支給対象者に支払われた賃金相当額の2分の1(中小企業の場合は3分の2)(上限:1人1日あたり7,870円)と下記の加算額
・加算額(1人1日当たり)
事業所内訓練…1,000円(中小企業の場合は1,500円)
事業所外訓練…2,000円(中小企業の場合は3,000円)

【受給のための手続き】

本助成金を受給するためには、以下のステップを踏む必要があります。

Step1.休業等実施計画届の提出

休業または教育訓練の開始日の2週間前をめどに、「雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書」と「休業等実施計画書」を必要な書類を添えて、管轄の労働局へ提出します。その後、対象期間内で別途定められた期間ごとに「休業等実施計画書」を必要な書類を添えて管轄の労働局へ提出します。
Step2.支給申請
対象期間内で別途定められた期間ごとに、「支給申請書」に必要な書類を添えて、管轄の労働局へ支給申請を行ないます。

【よくある質問】

Q.行政処分による営業停止などでも助成対象となりますか?
A.本助成金の対象要件である「経済上の理由」とは、景気変動および産業構造の変化ならびに地域経済の衰退、競合製品・サービス(輸入を含む)の出現、消費者物価、外国為替その他指標の変動等、経済事情の変化を指します。したがって、事故や災害により事業所が受けた被害や、行政処分などによる売上減少に起因する場合は、助成対象とはなりません。

※ 雇用維持等地域の事業主、大型倒産等事業主の下請事業主、認定港湾運送事業主、および東日本大震災被災地の事業主等においては、支給条件などに特例が存在する場合があります。詳細につきましては、巻末の問い合わせ先でご確認下さい。

【問い合わせ先】

本助成金の詳細につきましては、以下の問い合わせ先でご確認下さい。
・ハローワーク案内:
http://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html
・各都道府県労働局:
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/

著者クレジット

中小企業診断士石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善等の経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金等に関するアドバイスを行なっている。