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楽しみながら社会参加するシニアを応援
NPO法人シニア大楽 副理事長・講師紹介センター事務局長 藤井敬三(ふじい・けいぞう)

更新日:2014年08月27日

高齢化率が25%を超え、4人に1人が65歳以上となった。社会保障費抑制の観点だけでなく、本人の幸せという面からも、元気なシニアを増やすことは重要だ。元広告マンの藤井敬三氏は、シニアの生きがいづくりを支援するため、仲間とともにNPO法人「シニア大楽(だいがく)」を設立した。
 


 
 
 元広告マンらしく、「常にマーケティングの視点を持ち、社会のニーズに応えていきたい」と語る藤井敬三氏
元広告マンらしく、「常にマーケティングの視点を持ち、社会のニーズに応えていきたい」と語る藤井敬三氏
 
 
 講師のための話し方講習会
毎月「講師のための話し方講習会」を開催し、講師のスキルアップを図っている
 
 
 シニア演芸団「演多亭」
シニア演芸団「演多亭」は、自主公演のほか、高齢者施設などへの出張公演も行なう
 

シニアの講師派遣を事業化

――貴団体の事業を教えてください。
いろいろ事業はありますが、メインとなっているのは、講師派遣です。現在、500人を超える講師が登録しており、講演内容も、経済や法律などの硬い話から、旅行、歴史などの趣味の分野まで多岐にわたります。

――どんな人が講師をしているのですか。
ほとんどは、企業を定年退職した人たちで、現役時代のキャリアは、国際線の元パイロットや企業の研究開発者、元自衛隊員やカメラマンなどさまざまで、しかも、それぞれの分野で何十年というキャリアを持つ人たちばかりです。したがって、講師としては素人もいますが専門知識が豊富な人たちの経験に基づく話は、大学の先生やプロの講師とは一味違う面白さがあり、派遣先からも好評を得ています。

――講師としてのスキル向上にも取り組んでいるのですか。
もちろんです。ベテランの講師も多いですが、これから講師を始める素人も多いですから、月一回は「講師のための話し方講習会」を開催し、話し方のスキルアップを図っています。
この講習会では、まず、人気講師の講演を聞き、その後、参加者全員が3分間のショートスピーチを行ないます。60分の講演も3分の積み重ねですから、3分間スピーチを上手にできるようになることで、長時間の講演も上手にできるようになります。

――講師の派遣先は、どのようなところが多いのでしょう?
自治体の生涯学習や公民館が主催する市民講座が中心です。こうした先は、あまり予算がないので、多額の費用がかかる講師派遣会社を利用することはできません。その点、当団体の講師なら、手頃な料金で利用でき、しかも、さまざまなジャンルの講師がいるので、選択肢も広いというわけです。ちなみに、人気のテーマは、健康管理、歴史、旅行、セカンドライフ、エンターテイメントです。

――講師の派遣先は、どのように開拓しているのですか。
500人の講演内容を盛り込んだ講師リスト(冊子)を、自治体などに無料配布するほか、自治体の生涯学習担当者向けの研修講座も行なっています。市民講座の企画立案の仕方や講師選びのポイントを教えるとともに、基調講演と登録講師15人のショート講演も行ない、実際に講師の実力を見てもらうことで、受注につなげるのが狙いです。

楽しいことが元気の秘訣

――講師派遣以外には、どのような事業をやっておられるのですか。
毎月、公開講座を開催しているほか、「ユーモアスピーチの会」や「小ばなし・落語サロン」「シニア川柳」「発明発見サロン」「写真エッセイ教室」「旅カレッジ」などの会も主催しています。さらに、「演多亭」として、シニアによる演芸団も結成し、自主公演のほか、福祉施設や生涯学習センター、企業研修などでも公演をしています。2005年の「愛・地球博」の際は、瀬戸会場市民パビリオンで公演という貴重な機会も得ました。

――どの活動も楽しそうな活動ですね。
そうです。「シニア大楽」という名前の通り、シニアが、社会参加をしながら人生を“大いに楽しむ”というのが、当団体の目指すところですから。
人は、楽しいことをやっていれば、元気でいられます。だから、会員の皆さんは、とても元気ですよ。

――組織の運営費用は、どのように賄っているのですか。
講師の登録料が2000円(2年ごとに更新)で、講演をした場合、報酬の10%を事務費としてシニア大楽に寄付してもらっており、これが運営費になっています。このほかの活動は、参加費を徴収して運営しています。

定年直後の“若い層”の参加を期待

――ところで、シニア大楽は、仲間10人と設立されたそうですが、きっかけは何だったのですか。
シニアルネサンス財団のシニアライフアドバイザーの養成講座に通っていたさい、同期だった仲間と何か一緒にやろうかと始めたのが、シニア大楽です。定年後も、それまで培った経験を活かして社会の役に立ちながら、自身も人生を楽しめるような方法はないかと考えたところ、講師派遣を思いつきました。幸い、この事業を始めて間もなく新聞等で採り上げられたことから、講師登録の応募が殺到し、あっという間に300人を超えました。

――この事業をやって良かったことは、ありますか。
お客さんであるシニアや自治体だけでなく、登録者にも喜んでもらえることがうれしいですね。講師によっては、ファンがつくような人もいて、それが張り合いにもなっているようです。

――今後の計画について教えてください。
シニアの実態を把握して社会に発信する活動をしていく予定で、ビデオリサーチという調査会社とタイアップして、シニア層を対象としたマーケティング調査をする予定です。
また、川柳の応募者に対する景品の提供や川柳の本の出版、あるいは、発明品の商品化などでも、タイアップできる企業を探しています。

それから、こうした活動を行なっていくためには、若返りも必要です。現在、運営に携わるスタッフも講師も60代後半から70代が中心なので、ぜひ、定年したばかりの“若い層”にもこの活動に参加してもらいたいですね。

プロフィール

NPO法人シニア大楽
副理事長・講師紹介センター事務局長 藤井敬三(ふじい・けいぞう)

大手広告代理店に40年勤務。現役時代、さまざまな省庁に出入りするなかで、高齢社会への対応重要性を認識したことから、定年後、シニアライフアドバイザーの資格を取得、同養成講座で同期だった仲間とNPO法人「シニア大楽」を設立。
HP:http://www.senior-daigaku.jp/