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コミュニケーション能力を向上させる方法(店長編)

更新日:2012年08月22日

飲食業を経営しております。店長は有能なのですが人付き合いが得意ではないため、店舗スタッフと上手にコミュニケーションをとることができません。そのため、店内業務がうまく進んでおらず、メンバー間の連携も取れていません。何からどのように指導をしていけばよいでしょうか。
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

回答

店長と店舗スタッフとのコミュニケーションが上手にとれていない場合は、店長自らにコミュニケーションスキルを身につけてもらうことが効果的です。店長がスタッフと接している様子を見て、改善点を見つけて直接指導することが望まれます。

解説

コミュニケーションとは、「社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達しあうこと(大辞林より)」と定義されます。コミュニケーション能力を身につけることは大変重要であり、厚生労働省が実施している「若年者就職基礎能力支援事業」においても企業が若者に対して求める就職基礎能力の一つとして「コミュニケーション能力」が挙げられているほどです。

元々コミュニケーション能力の高い人もいますが、人付き合いが苦手な人でもスキルを身につけることによってコミュニケーション能力を高めることは可能です。コミュニケーションスキルは誰でも訓練で身につけることができます。

【基本的なコミュニケーションスキルのチェック】

まずは、基本的なコミュニケーションについてチェックしましょう。

店長はきちんとスタッフに挨拶をしているでしょうか?挨拶は「私はあなたを認めています」「私はあなたを受け入れています」という気持ちのサインであり、コミュニケーションはこの挨拶から始まります。当たり前のことですが挨拶をするという行為はとても大切なことです。

話を聴く時、話す時の姿勢は相手に不快感を与えていないでしょうか?コミュニケーションに占める非言語の比重は大きいものです。話を聴く時、話す時の視線、体の向き、姿勢、表情、相槌の仕方などをチェックしましょう。人は不快に感じる相手に対しては、本能的に心を開かないものです。話している本人に悪意は無くとも相手に不快感を与えてしまっている場合がありますので、第三者の目で見て、不適切な点があれば指摘してあげましょう。

口調もチェックしましょう。大きすぎる声や小さすぎる声、高圧的な口調、曖昧な口調なども相手に聴く際の負担や不快感を与えてしまいますので、同様に注意しましょう。

【場面別コミュニケーションスキルのチェック】

店長がスタッフと行なう重要なコミュニケーションの場面は、大きく次の3つに分けられます。

(1)スタッフの話を聴く場面
(2)指示を出す・指導する場面
(3)ミーティングを実施する場面


(1)スタッフの話を聴く場面
店舗においては、スタッフ間の連携不足や各種トラブル、お客様からのクレームなど、様々なことが生じます。店長不在時にトラブルが生じた場合は、店長は詳細な事後報告を受けることになります。

スタッフの話を聴く時には、相手の話をさえぎらず、最後まで聴くことを徹底させます。話の途中で言いたいことがあると相手の話に口を挟みがちですが、そのような場合スタッフからすると不満が残ってしまいます。最後まできちんと話を聴くことで、スタッフは「店長が自分のことを理解してくれている」という印象を持つようになり、その後の指導についても理解しようと努めるようになります。

また、「相手から話を引き出す技術」も必要です。相手から話を引き出すには、次のような姿勢や対応が効果的です。

・真剣に聴く。集中して聴く
「私はあなたの話を聴いていますよ」という意思を相手に伝えます。
・相手の話の中で重要な部分は復唱する
「私はあなたの話を理解しようと努めています」という意思を相手に伝えます。
・質問する
相手の話の中の曖昧な点をなくします。
・沈黙する
「話しづらいことでも聴く準備ができていますよ」という気持ちをここで相手に伝えます。

(2)指示を出す・指導する場面
意思疎通を図るための第一歩は「相手を理解する」ことです。相手がどのような考えを持っているのか、なぜそのような言動にでてしまうのか、などについて充分に理解せずに指導や指示をしているとすれば、一方的に自分の考えを押し付けるだけになってしまいます。指示を出す場合は、相手のレベルや置かれている状況を充分に理解したうえで、指示を出します。

指示を出す際は、次の項目を、順を追って説明すると、スタッフは指示の内容を正しく理解し、行動に移すことができるようになります。

・なぜその業務や対応をしなければならないのか
・どのような成果や結果を求めているのか
・具体的にどのように進めればよいのか
・いつまでに完了させる業務なのか

また、最後に「その業務を遂行するイメージが持てるかどうか」について確認をし、疑問点を残させないようにすることも大事です。

(3)ミーティングを実施する場面
ミーティングでは、複数のスタッフが会して意見を出し合うため、効率的なコミュニケーションを図ることができる反面、結論を出したり、全員の意思を統一させることの難しさもあります。

効率的なミーティングを行なうためには、参加者に事前にミーティングの内容や主旨を伝え、各人の考えや意見をまとめさせた上で参加させると、時間短縮にもつながり効果的です。また、事前に参加者の意向を探ることができれば、何か支障があった時、事前にミーティングの方向を修正することもできます。

スタッフの中には積極的にミーティングの場で発言する人もいますが、発言できない人もいます。ミーティングの場で意見を求める際には、バランスよく意見を聴き全員の意見を上手にまとめることに留意しましょう。

ミーティングは、スタッフが集まって相談し意思決定をする場です。店長の意見を一方的に伝えるだけでなく、スタッフ同士で意見交換させることも必要です。ミーティングで積極的に意見を出させる場面でも、(1)の「相手から話を引き出す技術」は有効です。

コミュニケーションスキルは、とても奥が深いものです。上記以外にも、コミュニケーションスキルを向上させるためのセミナーや研修も全国各地で開催されていますので、それらを活用されてもよいでしょう。

 

著者クレジット

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行なっている。