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業務改善で効率化を図る

更新日:2012年11月14日

企業体質の抜本的な改革の一環として、全社員の業務をより効率的に行なう方法を模索しています。また、自分の頭で考えるだけでは足りないとも感じており、全社員に業務効率化に向けた改善策を考えさせたいとも考えています。全社的な業務改善の仕方についてご指導ください。
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

回答

業務改善を行なう際は、基本的に、現在の業務のあり方や流れ、仕組みを明確化し、その一つひとつについて効率的な業務のやり方を検討し、改善策を考え出します。そして、上手くいった方法に関しては、新しいノウハウとして全社または関連する部署で共有します。

業務改善活動に関しては、キャンペーンなどという形で、全社的・集中的に実施するとなお良いでしょう。

解説

すでに習慣化されてしまったやり方を変えようとすることは難しいものです。たとえ、やり方を変えることにメリットがあると分かっていても、実際に変えるまでには手間も時間もかかります。また、業務が多忙で着手できない、などの理由でなかなか取り組みが進まないこともよく見受けられます。物事の改善には手間も時間もかかりますが、変化を積極的に取り入れる組織にしなければ、組織は硬直化が進むばかりであり、時代の流れに取り残されてしまいます。

例えば、ある会社では、社員の業務改善に対する意識を高めるべく、業務効率化への貢献度を人事評価に組み入れています。業務改善をそのような仕組みとして取り入れることも一つの手ではありますが、ある一定期間をキャンペーン期間として全社で集中的に業務改善に取り組むことも効果的な方法の一つです。以下では、業務改善を全社的・集中的に取り組む際のステップについて解説します。

1.メンバーの選定

キャンペーン期間中に業務改善に集中的に取り組むメンバー(プロジェクトチーム)を決めます。業務改善は個人で行なうことも可能ですが、さまざまなメンバーからの意見があってこそ、多面的でより効果的な業務改善が可能となりますので、同じ業務に関与している人同志でチームを編成して業務改善に取り組むとなお良いでしょう。全社的・集中的に業務改善に取り組む場合は、全社員が何らかのプロジェクトチームに属していることが理想的です。

2.活動テーマの設定

プロジェクトチームが決まったら、チーム毎に活動テーマを決めます。活動テーマは、「具体的に何の業務について何を改善することを目標として取り組むのか」というものです。例えば、営業の場合は、アポイント確率を上げたい、契約までに至る営業活動期間を短縮化したい、生産ラインの場合には、不良品発生率を下げたい、作業時間を短縮化したい、などといったことが目標になるでしょう。業務は常に改善をしていかなければならないものですが、まずは、1つの目標を設定し、集中して着実に取り組んでいきましょう。

目標設定に際しては、業務上の大きな課題であって、その課題を改善することで大きな成果が期待できるものを選ぶと良いでしょう。大きな課題は簡単に改善することができないため、後回しにしがちですが、このキャンペーンの機会にこそ、重要な課題の解決にチャレンジしたいものです。テーマが決まらない場合には、次の視点で改善すべき点を洗い出してみましょう。

 (1)直近の状況において問題視されている事項
 (2)メンバーの工数上、大きな負担になっている事項
 (3)部門のコスト面で、大きな負担になっている事項
 (4)その他、改善することで大幅に業務の効率化が見込める事項

3.現状確認

業務改善のテーマが決まってから、最初に着手することは、現状をしっかりと洗い出して可視化しメンバー全員で確認することです。誰が何をどのような方法で行なっているのか、どのようなルールに基づいて業務が進められているのか、など、5W1Hの視点で業務の流れを振り返りましょう。

例えば、営業活動においては、顧客を発掘する活動から契約に至るまでの一連の流れが、改善を検討する対象になります。誰がどのように誰にアポイントを取り、どのようなツールを使って、どのような話をして面談し、何を提案して契約にまで至っているのか、それぞれのステージ毎に明確にしていきます。

4.問題点の抽出、課題設定

明確化した一連の業務において、どの部分に手間や時間またはコストがかかっているのか、を明らかにしていきましょう。チームで取り組む場合には、全員でディスカッションを行なって考えてみましょう。

例えば、契約までに至る営業活動期間を短縮化したいのであれば、一番時間がかかっている業務はどこか、アポイントなのか、訪問なのか、資料作成なのか、など、テーマに関する一連の流れの中でネックとなっている部分、問題点を抽出します。そして、その問題点を改善すべき課題として設定します。

5.目標設定

改善すべき課題が明らかになれば、改善後の目標を設定します。例えば、従来長くかかっていた資料作成時間を○時間短縮化する、など数値化できる目標であれば検証も容易です。ただし、数値で表現しにくいような場合には、どのような状態になれば改善策が実行できたと言えるのか、イメージできる目標設定を行ないます(例:入社後間もない社員でも一人で滞りなく事務手続きを進められるようにする、など)。

6.改善策検討、アクション計画

すでに設定された目標に向かっての具体的な改善施策やアクションを決定します。スタッフの人数や時間の制約条件ばかりを考えてしまうと改善策もなかなか浮かばないでしょうから、まずは「解決すること」を念頭に置いて思いつく限り意見を出し合いましょう。ある程度意見が挙がったところで、具体的な改善策を検討します。改善策を検討する視点としては、以下のものなどを挙げることができます。

 (1)方法を変える
 (2)業務の流れや仕組みを変える
 (3)活動する対象を変える

その上で、具体的に誰が、何を、いつまでに行なうのかを詳細に決定していきます。改善しなければならない事項が数多く挙げられることもあるかもしれませんが、その時には優先順位を付けたり、担当を割り振ったりすることで取り組むようにしましょう。

7.改善活動、進捗管理

「誰が何をいつまでに行なうのか」というスケジュールが決まれば、いよいよ改善活動の実行です。チームメンバー全員の活動の進捗状況を確認するためには、定期的なミーティング開催やメールなどでのこまめな情報共有が必要です。なお、一度決めたスケジュールは、必要に応じて見直すようにしましょう。

8.振り返り、ノウハウ化

改善活動が一定の結果を出すに至ったら、計画通りにできた事とできなかった事についてしっかりと話し合います。そして、できなかった点についてはどのように改善していくか、定例ミーティングなどで話し合いさらに改善策を検討します。数値目標を設定している場合には、目標とのギャップをどのように埋めるかについて考えてみましょう。

そして、振り返り終了後は、改善策のノウハウ化に取り組みます。目標達成に貢献した手法については、新たなノウハウとして全社または関連する部署に共有します。また、一部しか改善できなかった手法についても、その成功要因を抽出し、従来の手法改善を検討します。

また、冒頭でもお伝えしましたが、変化を積極的に取り入れる組織にするためにも、このような改善に向けた取り組みは、定期的に継続して実施していきたいものです。

著者クレジット

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行なっている。