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新規事業進出のために押さえるべきポイント

更新日:2012年11月07日

本業の売上が落ち込んでおり、将来の見通しも明るくないため、体力のあるうちに新規事業への進出を模索しています。新規事業に進出するうえで押さえておくべきポイントや注意点を教えてください。
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

回答

新規事業進出にあたっては、押さえておくべきポイントが大きく3つあります。
1つ目はマーケットです。進出する分野が魅力あるマーケットであり、かつ自社がそこで勝ち抜くためのノウハウを持ち得ているかどうかです。2つ目は、リスクの許容範囲をあらかじめ決めておくことです。3つ目は、経営者だけでなく、すべての役員・経営幹部陣がその新規事業の意義を正しく理解し、全社で応援する体制を築くことです。この3つを整備したうえで新規事業への取り組みをすることが大切です。

解説

新規事業進出にあたって留意すべき3つのポイントについて順に解説します。

1. マーケットについて

まずは、新しく進出するマーケットが将来にわたって魅力的なものかどうかを判断する必要があります。

そのためには各種経済統計データなどは当然参考にすべきですが、それがすべてではありません。これから販売しようとする商品・サービスが顧客ターゲットにとって購入・利用したいものかどうかを市場調査する必要があります。

市場調査の方法としては、費用を掛けてコンサルティング会社や調査会社などに委託する方法もありますが、それ以上に取り組むべきなのは「新規事業を立ち上げる責任者自身、場合によっては経営者ご自身が、ターゲットになる顧客層の元へ出向き、直接声を聴く」ことです。そこに商品開発・サービス開発のヒントが隠れていることが少なくありません。

方法としては一人ひとりにインタビュー形式でアンケートを取っても良いですし、複数人数に集まっていただいてグループインタビューで意見をヒアリングする方法もあります。ここで大事なことは、偏った情報にならないよう、できるだけ友人・知人、あるいは取引先など関係の深い方々だけの意見ではなく、幅広いジャンルの方々からの意見を集めることです。

そのうえで、魅力あるマーケットだと判断できたとして、そのマーケットを奪取できるノウハウを自社が保有しているかどうかも大切な視点です。もし、そこに不安がある場合は、そのノウハウを補うパートナーを探すことも視野に入れましょう。例えば、FCビジネスへの加盟もその手段の1つです。

2.リスクの許容範囲をあらかじめ決めておく

新しいことへのチャレンジには失敗がつきものです。新規事業においても、当初の構想どおりに進まず、立ち上げで苦労して赤字が続くことも少なくありません。

新しい取り組みである以上、そういったリスクはある程度許容して、起こった問題に対してスピーディーに改善を図っていく姿勢で挑むことが大切です。

一方で、いつまでも赤字を許容するわけにもいきません。将来の成功を期待して大赤字を出し続け、その結果、本業の足元を崩すことがあっては元も子もありません。しかし一度始めた事業の撤退判断には大変難しいものがあります。そのため、リスクの許容範囲をあらかじめ決めておくことをお勧めします。

具体的には投資金額、あるいは期間で決めます。例えば、「許容範囲は3,000万円。累損額がそれを超えたら、その時点で撤退する」、とか、「3年間で黒字転換できなければ撤退する」などです。リスクの許容範囲の金額や期間は、事業内容や企業体力によって異なりますが、これらをあらかじめ決めて公言したうえで新規事業に取り組むことを常に心がけましょう。

3.全役員・全幹部の意識統一

企業が新規事業をする決断をする際に、最も大切なことは、「新規事業に取り組む理由」を全役員・全幹部、さらには全社員に繰り返し伝え続け、意識の統一を図ることです。

すでに触れましたように、新規事業は未経験の事業ですので失敗することもあり得ます。例えば、立ち上げた新規事業が計画から大きく外れ、6カ月間も赤字が続くこともあり得ます。このときに本業を担う役員・幹部陣、あるいは従業員が、「本業の黒字を食い潰している」という思いを持ち、周囲に愚痴を洩らすようなことがあった場合には、ほぼ確実にその新規事業は失敗します。

そうではなく、新規事業をどのようにして成功をさせるのか、ということをすべての役員・幹部・従業員が知恵を絞り、応援する組織風土を創り上げるならば、成功の素地ができ上がります。

それを実現させるのは、経営者が「会社の将来のために新規事業に進出し、絶対に成功せねばならない」という思いを、全役員・幹部、そして従業員に繰り返し伝え続けることです。この意識統一ができている会社とそうでない会社とでは、新規事業の成功確率に雲泥の差が生まれます。新規事業の取り組みにあたっては、その事業内容や戦略・戦術同様に、全員が新規事業の成功に向けて邁進し、努力を惜しまない組織風土を創り上げることも重要なのです。

著者クレジット

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行なっている。