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総務でできるコストダウン

更新日:2012年10月10日

売上拡大が厳しい中、少しでも利益を増やせるよう、日頃、目の届かない細かな出費のコストダウンに取り組んでいきたいと考えています。そのために総務担当者として押さえておくべきポイント等がありましたら教えてください。
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

回答

コストダウンに取り組むに際しては、まず、「20%削減」や「月50万円削減」などのように削減目標を定めることが重要です。その上で、現状、どのようなものにどれだけの出費をしているのかをすべて書き出した上で、金額の高い項目から順番にコスト削減の可能性を検討し、目標金額に到達するまでそれを何度も繰り返します。

コストダウンでとくに見落としやすい項目としては、たとえば以下のものが挙げられます。
・年に1度だけしか支払いがないもの
・月間の出費は少額だが毎月支払わなければならないもの
このため、リストアップをする際は、年間コストで費用項目を評価し検討することが大切です。

解説

コストダウンを検討する際は、以下の手順で進めると効果的です。

1.目標を定める

コストダウンに取り組む上では、目標設定がとても重要になります。それは、目標を持たずにコストダウンに取り組むと、ほとんどの費用項目が、「必要なものだからこのままで行こう」という結論になってしまうためです。

コストダウンに取り組むことは、多くの場合、「今よりも不便になる」「今よりも品質が落ちる」「今までのやり方が変わる」などのデメリットを伴う可能性があるため、具体的な検討に入っても目標がなければ消極的な結果になりがちです。とくに日常的に使うものの出費を取り扱う総務部門ではその傾向が強いため、総務部門でのコストダウンを考える上では、最初に目標設定をすることがやはり重要になってくるのです。コスト削減目標は、「年間○%削減」「年間○万円削減」など、具体的な数値で設定することが大事です。

2.出費している項目をすべて書き出す


コスト削減目標が定まったら、現在、総務部門で管轄している費用項目を金額の高い順にすべて書き出し、一覧表にします。この時、以下の点に注意してください。

・すべての項目を書き出す
たとえば、税金や社会保険料など、コストダウンできない可能性が高い項目も含めてすべて書き出しましょう。

・年間コストで評価する
年に1度だけ支払いがある項目や、少額ずつ毎月支払っている項目も含めて総点検するために、費用項目は年間コストで評価しましょう。

3.金額の高い項目から順番にコストダウンの可能性を検討する


上記で作成した一覧表を元に、金額の高い費用項目から順番にコストダウンの可能性を検討します。

このときに大切なことは、「制約条件」は一旦横に置いて、コストダウン削減の方法で考えられるものをすべて列挙するということです。ここで言う制約条件とは、コスト以外の特別な理由で取引先を選定しているものを指します。

たとえば、取引を推進するために必要だった為に契約しているものや、代表者や役員の知人という特別な理由で契約しているものなどを指します。このような制約条件付きの費用項目であっても、契約当時には必要であったものの、何年も過ぎる中で不必要になったり、現在の財務状況を鑑みて見直しの対象になる場合もあります。そのため、コストダウンの可能性を検討する際には、これら制約条件を考慮せず無条件に、金額の高い費用項目から順番にコストダウンの可能性を検討していきます。

【総務部門で取り組めるコストダウン】

上記のような活動に取り組むことで、意外なものに大きなコストを掛けていることが判明することも少なくありません。

とくに総務部門では日常的に使っているコストが多いため、そのケースが多くなります。たとえば、以下のような項目は、単価は低いものの、定期的に発生する費用であるため年間総額は大きく積み上がり、かつ、過去にコストダウンのメスを入れているケースも少ないため盲点になっている項目だといえます。

・名刺
一般的な単価は100枚で1,000〜2,000円程度ですが、毎月のように購入するものなので年間総額は意外と高くなる傾向があります。しかし、最近では品質を落とさずに500〜1,000円程度で作成できるサービスも数多くあります。名刺は過去から取引のある印刷会社に依頼しているケースが多く、その利便性から取引の見直しを検討することの少ない分野でもあります。それだけにコストダウン効果は意外と大きい場合があります。

・リサイクルトナー
プリンターに使用するトナーに、純正品ではなくリサイクル品を利用することで大幅なコスト削減が実現できます。リサイクルトナーは、以前は粗悪なものも多かったようですが、最近では品質も安定し、「STMC」という業界の世界品質に関する検査基準を満たす工場も増えてきたことから、利用する企業も増えてきています。現在も純正品を使用されている場合は、コストダウン効果は大きいといえます。

・賃料
代表的な固定費である賃料ですが、コストダウンに取り組む企業は意外と多くありません。しかし、金額が大きいだけにコストダウンの対象として捉えるべき項目です。その方法は2つあります。

1つは、今よりも安い賃料のオフィスに移転を検討することです。オフィス物件が供給過剰状態であることから、全国的にオフィス賃料の値下がりが続いています。さらに、「フリーレント」という賃料無料期間を設ける物件も増えているため、移転費用を考えてもコストダウンになることが充分あり得ます。

もう1つは、現在入居している物件の賃料を減額するという方法です。上記と同じ理由で、賃料が相場よりも高くなってしまっていることが少なくありません。そこで家主に対して賃料減額の相談をするのです。賃貸借契約で決めた賃料ですので難しい相談のように感じるかもしれませんが、家主としてはテナントに退去されることは避けたいので、周辺相場との乖離がある物件であれば実は相談の余地があります。

また、最近ではこれらの相談をサポートする会社も数多くあります。それらの多くは成功報酬型でサポートをするため、リスクなく活用することが可能です。

・振込手数料
銀行取引などで負担する振込手数料は案外大きなコスト負担になっています。1回1回は数百円ですが、取引先数が多くなればなるほど振込件数が増えますので、その金額は小さな会社でもすぐに毎月数万円になってしまいます。また、取引地域が拡大すると、地方銀行・信用金庫などへの振込も増えるため、他金融機関への振込が増えて単価が極端に上がります。

これらのコストは、どの銀行でも大きく変わらないため、やむを得ない出費としているケースが多いのではないでしょうか。しかし、振込手数料を削減するサービスを展開する会社もいくつかあります。また振込手数料を大幅に減らしたネット銀行もあります。これらを利用することで振込手数料を大幅に削減することが可能となります。

4.コストは定期的に見直すこと

コストダウンは一度取り組めば終わりではありません。常に新しいサービスが登場する時代ですので、1年前に契約・購買したものが、今ならもっと安く利用できることも少なくありません。そのため、上で例示しましたコストダウンのための活動も、少なくとも2〜3年に1度は総点検をすることが重要です。そのような地道な活動を繰り返すことが、全社的にコスト意識が高まっていくことにもつながり、企業体質の転換にもつながるのだといえます。

著者クレジット

中小企業診断士 石田雅子(いしだ・まさこ)
WizBiz株式会社に勤務。小売、サービス業を中心とし、売上拡大、組織風土改善などの経営課題解決に向けた支援、各種助成金・補助金などに関するアドバイスを行なっている。