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法務Q&A
「覚書」作成時の留意点

更新日:2012年02月08日

覚書はどんなときに作成するものですか? また、作成時の留意点について教えてください。
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

回答

覚書は、通常、契約書を補足する目的で作成されます。また、契約書を作るほどではないものの、合意事項を確認するために作成することもあります。覚書は基本的には契約書と同等の効果を有していますので適切な内容・表現で作成することが大切です。

解説

【覚書を作成する場面】

覚書は、一般的に次のような場面で作成されます。
(1)契約書の締結前に、双方の合意事項を書面に残しておきたいとき
(2)契約書の締結後に、新たに合意事項を追加するとき
(3)契約書に定めた事項を変更するとき
(4)契約書に定めた事項の細則を制定するとき

【覚書の効果・作成上の注意】

覚書であっても効果としては契約書と同等であり、万一当事者間で争いが生じた場合には、証拠としてその内容に従って判断がなされます。契約書に似ている文書として、「覚書」のほかにも「確認書」「協定書」「念書」等がありますが、これらは表題を使い分けているにすぎません。いずれにおいても、内容についてよく理解したうえで取り交わすことが大切です。

覚書の内容は一義的な文言を用いて誤解の生じないような表現とすることが大切です。曖昧な表現の場合、時間の経過や責任者の変更等により解釈のズレが生じてトラブルに発展してしまうおそれがあります。

そのため、当該取引の重要度に応じて、内容の理解や作成する書面の表現について行政書士や弁護士などの専門家を活用することもよいでしょう。

【覚書の作成ポイント】

覚書は次のような項目を記載して作成します。
1.前文
   「当事者」や「目的」など契約の概要を記載します。
2.表題
   表題の付け方に決まりはありません。合意内容に沿って、「○○変更の覚書」「○○に関する覚書」などとしておくと、書類管理がしやすくなります。
3.目的
   契約の趣旨や目的、内容を記載します。記載方法に決まりはありません。
4.後文
   契約が成立した旨や何通作成したかなどを書きます。
5.作成年月日
   契約が成立した日を証明する箇所です。契約の有効期限を確定するなどのためにも重要となります。
6.署名(記名)押印
   法人は「本店所在地の住所」「法人名」「役職」「氏名」、個人の場合は「住所」と「氏名」を記載します。署名でなく印字等による記名方式でも構いません。

  印鑑は代表印(実印)を使用するのが通例です。ただし、会社の規模が大きい場合など、その会社の内部規定により、権限を委任された支店長や部長などの名義・印鑑で締結する場合もあります。

【よくある質問】

Q1.覚書は契約書ではないので収入印紙を貼らなくてもよいのですか?
A1.書面の名称が「覚書」である場合も印紙税がかかる場合があります。印紙税法では課税対象文書について、「文書の名称の如何を問わず契約の内容の変更の事実等により判断する」としているからです。たとえ「覚書」という名称であったとしても、覚書により契約事項のうち何らかの重要な変更、補充等があった場合には、課税文書となります。

Q2.作成した覚書の訂正方法を教えてください。
A2.訂正は訂正箇所に訂正後も元の文字が読めるようにして二本線を引き、縦書きならば右横、横書きならばその上に正しい文字を書き、欄外には「削除○字」「加入(または挿入)○字」と記しておきます。
訂正印は記名押印者全員の印を欄外の加除箇所の記載のそばか訂正箇所のそばに押します。

Q3.捨印を押すように言われましたが大丈夫でしょうか?
A3.捨印は、後日になって訂正箇所が見つかった場合にいちいち訂正印を押す手間を省くためにあらかじめ欄外に訂正印をもらっておくものです。
しかし、捨印をすると無断で文書内容を変更されてしまう恐れがあるため、安易に捨印をするべきではありません。

【問い合わせ先】

・国税庁HP/印紙税額一覧表
  http://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7140.htm
  http://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7141.htm

・国税庁HP/印紙税に関するQ&A
  http://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/inshi31.htm

著者クレジット

行政書士 新津廣美(にいつ・ひろみ)
企業法務部時代に培った契約書等の作成ノウハウ、法務相談経験を活かして、企業への法務サポートに力を入れている。