見つかる!儲かる!助かる! 経営者の味方 WizBiz(ウィズビズ)

WizBiz:HOME >  ビジネスマガジン >  ビジネスワイド  >  同じママを味方につけて成長するマムプレナー  詳細


同じママを味方につけて成長するマムプレナー
タイムリーで役にたつ、ビジネステーマの核心を取材しました。

更新日:2013年06月12日

子育てと両立して、自分のビジネスを起ち上げる母親「マムプレナー」が注目を集めている。時間的制約の多い企業務めをするより、家族との時間を大切にしながら、仕事ができるスタイル。このマムプレナーを生んだ背景や、その特徴をみていく。
 


 
同じママを味方につけて成長するマムプレナー

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

マムプレナーが発展するアメリカ、ニュージーランド

NHKの「クローズアップ現代」で女性の起業が取り上げられるほか、女性が代表を務める会社の上場など、社会における女性の活躍がめざましい。なかでも、今回は母親業の傍らで起業する「マムプレナー」について紹介していく。

マムプレナーとは、起業家(アントレプレナー)と母親(ママ)を組み合わせた造語。

男女問わず起業文化が根付いているアメリカのほか、近年ではニュージーランドでの事例が多く挙げられている。その背景には、家族との時間が最優先である文化や、スモールビジネスが中心という点があるのかもしれない。また、欧米やオセアニア諸国では、学齢前の子どもは親と過ごし、親から学びを得るケースが多いため、仕事を望む女性であれば必然的に家庭と仕事を両立できるスタイルを模索することとなり、そのひとつの選択としてマムプレナーが発展したと考えられる。

共感者をつなぐインターネットとSNSの力

日本でも、出産を機に家庭に入った女性が後に起業するケースがみられる。母親業と両立しながらビジネスオーナーとして活動していくなかでは、時間・スキル・資金・人脈の面での工夫が必要となる。そのため、マムプレナーの特徴として、5つのことが挙げられる。

1)「必要な発明の母」の精神

起業の動機は、経営者になりたいといった欲望ではなく、自分が不便を感じるなどで「こんな商品・サービスがほしい」という視点であることが多い。

2)スモールビジネス

資金面やリスク面も鑑みて、自分の目の届く範囲で比較的規模が小さいケースが多い。

3)時間と距離の壁をクリアするインターネット
情報収集はもちろんのこと、自宅での仕事や、遠方にいる場合でも仕事をすることを可能にしている。

4)オンライン・オフラインのソーシャルネットワーク

同じスタイルをとる者同士の交流は活発に行われている。「女性起業家」「マムプレナー」といったコミュニティがあり、実際に会って交流するほか、SNSを利用したオンラインでの情報交換が、強い味方となっている。

5)組み合わせによる進化論
まったく新しい商品を開発するケースは極まれで、組み合わせることで付加価値を生み出す商品やサービスを手掛けている。

そして、手掛ける事業は大きく二分できる。

(1)女性ならではの、きめ細やかな視点を活かしたビジネス
例えば・・・
2012年の全国商工会議所の「女性起業家大賞」の最優秀賞は、大阪の豊中市を拠点に介護サービスや保育事業を展開する母親だった(ユミコーポレーション)。元々看護師として病院に勤務し出産後も働き続けたが、家庭と仕事の両立に悩み、介護ビジネスを学んだ後に起業に踏み切った。他の施設ではない、入浴や食事などの時間を選べる制度を取り入れるなど、利用者の視点にたったきめ細やかなサービスが特徴。

(2)母親ならではの視点を活かした、子育て関連ビジネス
例えば・・・
・オーガニックコットンを使った子供服の販売
・フェアトレード(※)を利用し、オーガニック原料で作ったスキンケアアイテム など

※フェアトレードとは、貧困の連鎖から抜け出せない発展途上国の人々に対して、公正な対価を払うことで、持続的に生産者を支援する仕組み。

政府が女性起業家支援に200億円を予定

マムプレナーに代表されるような女性の活躍を促進するため、国も起業支援を進める意向だ。「日本経済再生に向けた緊急経済対策」では、女性起業家らに創業費用の一部を補助する制度をつくり、12年度補正予算案として200億円を検討している。これは、マムプレナーに限った制度ではなく、独創的な商品やサービスを生み出す女性が起業しやすい環境を整備することが目的であるが、類にもれずマムプレナー活躍のチャンスをも意味する。

エコシステムの整備や家事・介護の支援にニーズ

マムプレナーなどの女性企業家の活動が活発になるには、課題も多い。欧米などと比較すると起業文化があまりない日本では、ノウハウなどをサポートするエコシステム(※)がまだ整っていないのが現状。ビジネスオーナーとして成長するためには、先人や専門家の助言が必須で、時間・スキル・資金・人脈のノウハウをアドバイスしてくれるメンター(良き助言者)の存在が大きいからだ。アメリカでは、「Women2.0」や「Women in Technology」といった団体が、女性起業家をサポートしている。こういった動きが日本にも期待される。

また、マムプレナーが活躍することで、新たなニーズも生まれるだろう。ただでさえ忙しい彼女たちの家事のサポートのほか、両親の介護問題が発生した際のサポートなどが必要になることも考えられる。

アベノミクスで景気の上向きが期待される一方で、国内のメーカーの業績悪化や人員整理といったネガティブなニュースも後を絶たない。そんななか、女性の活躍が期待されるのは時代背景としては当然の流れかもしれないが、マムプレナーという仕事と母親業との両立をめざすスタイルが定着することは、少子化対策のひとつのきっかけにもなるかもしれない。今後の動きに注目したい。

※エコシステムとは、複数のパートナーが互いの技術などを交換し合って共存共栄していく仕組みのこと。