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企業コラボで新たな魅力開拓
タイムリーで役にたつ、ビジネステーマの核心を取材しました。

更新日:2013年01月16日

ビックカメラとユニクロのコラボ「ビックロ」が9月に東京新宿にオープンして、その異色の組み合わせが話題になった。今後、日本経済は消費税率の段階的な増加を控え、ますます消費が落ち込むと懸念されているなか、小売業界では企業コラボでその打開策を見出そうとする動きが活発だ。その実態を事例と共に紹介する。
 


 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2015年消費税10%に向けた小売業の対策

消費税増税法案が参議院で可決し、成立した。2014年4月には5%から8%、2015年10月には10%に引き上げられることとなった。そうなれば、消費者の購買意欲が鈍化することが懸念される。これまでも、人口減少など国内消費が成熟し、従来型の売り方では消費者は動かなくなっているなか、小売業はどう対策を出していくのか。

今年9月にビックカメラとユニクロのコラボ「ビックロ」が東京新宿にオープンして話題になった。これは企業コラボの代表例といわれ、昨今では企業コラボが全盛期といっていいだろう。企業間でコラボレーション(以下、コラボ)することのメリットは、販促面において最も期待されている。ひとつは、話題性。そして期間や数量など限定的なものであれば希少性も挙げられる。その背景には、各企業のもつ既存の知名度や経営ノウハウを活かした、シナジー効果(相乗効果)の目論みがある。以前から企業コラボはあったが、昨今のコラボにはいくつかの特徴があり、そこで3つのコラボ形態で分類して紹介したい。

商品や業態の開発からソーシャルメディア上まで 拡がるコラボ

企業間のコラボについて3つの形態が挙げられ、それぞれ事例と共に紹介する。

(1)コラボ商品
(2)業態開発
(3)ソーシャルメディアでのコラボ

(1)コラボ商品
おもに各既存商品における強みを合体させた新しい魅力をもった商品で、比較的昔からある形態で、多くは限定品といった一時的なキャンペーン商品が多い。

例)
トンボ鉛筆
消しゴムで有名な「MONO」ブランドと、キャラクターや電卓などの文具とのコラボにより、スタンダードな事務用品というイメージからの一新に成功した。
<コラボ相手>
×サンスター文具(ディズニーキャラクター取扱企業)=ディズニーキャラクターのMONO消しゴム
×シャープ =MONOブランドの特徴的な黒白青3色デザインのおしゃれな電卓
×バンダイ =MONOブランドの特徴的な黒白青3色デザインの消臭剤

カルピス
お馴染みの飲み物カルピスは、少子化の影響から消費が減少傾向になりはじめたものの、2007年からさまざまな企業とのコラボを展開。話題性や希少性で注目を集め、オリジナル商品の販促にも寄与した。
<コラボ相手>
×山崎製パン =「夏期限定 カルピス蒸しパン」「夏期限定カルピスふんわり食パン」
×江崎グリコ =「カルピスガム」
×日本橋菓房 =「カルピスもち」

(2)業態開発
各企業の強みを活かして新しく開発した業態で、おもに店舗展開されている。商品開発以上に企業間の調整と初期投資が大きいコラボであるものの、昨今、取り組みが増えている。

例)
「ビックロ」=ビックカメラ×ユニクロ
「素晴らしいゴチャゴチャ感」というコンセプトの下、ユニクロの衣料品とビックカメラの家電製品の共同店舗。ダウンジャケットを着飾ったマネキンがデジタルカメラを首から提げるといった斬新な展示方法は、来店者の「ついで買い」や「複数ターゲットへの同時アプローチ」を実現している。男女のカップルで来店した場合、女性は衣料品に男性はデジタル家電にと関心が分かれることを想定したアプローチ方法になっている。

「MOSDO(モスド)」=モスバーガー×ミスタードーナツ
モスバーガーを運営するモスフードサービスとミスタードーナツのダスキンが共同開発したファーストフード店。関東1号店が今年4月に開業した。両社は2008年に資本・業務提携しており、これまでもコラボ商品では数々の事例があったが、業態開発は初の試み。サンドイッチとデザート専門で、20〜30代の女性をターゲットとしている。

「タリーズコーヒー ウィズ 伊東屋」=タリーズコーヒー×伊東屋
老舗文具店の伊東屋が今年8月に京浜急行電鉄の横浜駅にオープンさせた文具売り場のあるカフェ。従来の文具店では、来店者は買いたい商品を決めて来店する目的買いのため滞在時間が短かった。カフェと融合することで、滞在時間を長くして文具を吟味する可能性を高める狙い。

(3)ソーシャルメディアでのコラボ
ソーシャルメディア上で行う企業コラボ。ネット上で企業の顧客資産を相互に活用するため、商品開発や業態開発といった大掛かりなコラボと異なり、比較的初動のハードルは高くない。

例)
「ソーシャルスカイパーク」=コカコーラ×全日空
異業種同士ではあるものの、ビジネスマン会員を多くもつ両社が立ち上げたサイト。出張の多いビジネスマンにアプローチしたい企業がプロモーションに活用できる場としても注目されている。

●ツイッター上の商品対決 =東急ハンズ×ヴィレッジバンガード
消費者との対話の場としてソーシャルメディアを積極的に活用している両者が、お題を決めてツイッター上で自社商品の魅力を発信し対決するという企画。競合企業同士の取り組みに、ソーシャルメディア上で話題になった。

安易なコラボは失敗に陥る

このようにさまざまアイデアの下、商品やサービスの新しい魅力を開拓し付加価値を打ち出し、成熟した市場に変化をもたらそうとする動きが進んでいる。

しかし、企業コラボにはリスクはつきものであるため、安易な取り組みは失敗を招く。なぜなら、異業種コラボであれば、各特性や成約条件を踏まえた上でのコラボであるために、相互の理解がカギとなる。また、コラボをする以上は、意外性や希少性といった要素が不可欠で、通り一遍道では消費者も飽きてしまう。

そのため、企業間での経営理念の相互理解をはじめ、近しい哲学をもった会社同士でタッグを組むことや、役割分担によりそれぞれの企業の強みを活かし合うことが大切だ。先に述べたビックロでは、2社の強みが活かされている。ビックカメラの強みは、商品サイクルの早い生活家電やデジタル家電を扱うなかで培われた流行に敏感な商品ラインナップ。ユニクロの強みは、消費者の導線を研究し計算しつくされた店舗設計や陳列方法と接客。それらの融合がその例である。

今後も、企業コラボは注目されていき、われわれが想像もしなかった、驚く企業コラボが生まれ、経済に刺激を与えることを期待したい。