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「エナジードリンク」のパワー炸裂!
タイムリーで役にたつ、ビジネステーマの核心を取材しました。

更新日:2012年10月31日

昨今、「エナジードリンク」市場に活気がある。代表格の「Red Bull」のほか「burn」「MONSTER」といった新商品の発売も相次ぐ。商品は従来の栄養ドリンクとは一線を画した、疲労回復以外の高揚感やスッキリ感を打ち出している。注目市場の動向をみてみる。
 


 
 タイムリーで役にたつ、ビジネステーマの核心を取材しました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 老舗ブランド「Red Bull」に追随する「burn」や「MONSTER」

ここ数年、「エナジードリンク」と呼ばれる、おもに炭酸入りの栄養ドリンクが特に若者の間で話題になっている。その火付け役は、海外発の「Red Bull」と言っていいだろう。おしゃれなデザインの缶や、ユニークなテレビCM、都市部を回遊していたBMW・ミニの宣伝車を使ったサンプリングが印象的だ。日本では2005年に飲食店向けとしてスタートを切り、翌年にコンビニ発売をして以来、一定の市場を確立してきた。

その「エナジードリンク」市場の勢いに拍車を掛けるように、2012年上半期に、日本コカコーラから「burn」、アサヒ飲料から「MONSTER」が発売するなど、各社が参入してきている。

そもそも、日本では、「リポビタンD」(大正製薬)や「リゲイン」(第一三共ヘルスケア)といった栄養ドリンクというカテゴリーが浸透しており、いずれも近年売り上げは好調である。この栄養ドリンクと、「エナジードリンク」はどのように差別化されているのだろうか。市場の動きとともに紹介していきたい。

気分を上げたい時は栄養ドリンクよりも「エナジードリンク」

栄養ドリンクと「エナジードリンク」の違いを、日本に限定した中で、(1)商品登録、(2)ターゲットと訴求要素という2つのポイントから違いをみてみる。

●エナジードリンク(例/Red Bull、burn、MONSTERなど)
【(1)商品登録】
含有成分により、医薬品としての効果を保証するものではなく、清涼飲料水に属す。
【(2)ターゲットと訴求要素】
20〜30代男性をメインターゲットとし、高揚感やリフレッシュ感の提供。
→飲用シーンとしては、おもに「気分を高めたい時」「リフレッシュしたい時」としている。

●栄養ドリンク(例/リポビタンD、リゲインなど)
【(1)商品登録】
含有成分により、薬事法で定められた医薬部外品や指定医薬部外品に属す。
【(2)ターゲットと訴求要素】
30〜40代男性をメインターゲットとし、疲労回復や栄養補給の提供。
→飲用シーンとしては、おもに「体が疲れた時」としている。
※なお、日本での歴史が長く一般的に栄養ドリンクと呼称されている「オロナミンC」(大塚製薬)は、含有成分により清涼飲料に属している。

つまり、従来の栄養ドリンクは、中高年層のサラリーマンが仕事などで疲れた時に疲労回復を目的に飲むことを想定したマーケティングを行なっていたが、エナジードリンクは比較的若い世代が気分を上げたい時に日常的に飲むことをアピールし、差別化が図られている。

市場規模は1217億円、前年比6%増加で好調

市場の活気は、既に数値にも表れている。富士経済の健康志向食品市場の調査によると、栄養ドリンクと称されるドリンク類(前記の栄養ドリンク、エナジードリンクが含まれる)の市場規模は、数年前まで1100億円台で横ばいが続いていたなか、2011年には1217億円となり、前年の1148億円と比較して6%の増加となった。引き続き好調という見通しがされている。

では、市場拡大傾向の背景を見てくと同時に、注目のカテゴリー「エナジードリンク」の商品ラインナップを見てみる。まず、売り上げ増加の一因は従来型の栄養ドリンクの売り上げが伸びたことだ。具体的には、日本で初めて販売されたドリンク剤である「リポビタンD」のほか、「チオビタドリンク」「オロナミンC」の販売好調に加え、大容量をうたった「ドデカミン」(アサヒ飲料)も軌道にのっていた。これは、従来の「瓶入り少量」が主流であった市場に新風のごとく発売されたところ、猛暑や節電による暑さ対策により日常の水分補給としての飲用が伸びたと推測される。さらなる起爆剤として「Red Bull」といった海外メーカーの日本進出が考えられる。

海外発のエナジードリンクは、「Red Bull」をはじめ2012年に入ってからも続々と登場している。その一例を紹介する。

例:「表示名」(商品名カタカナ表記):販売会社・日本での販売会社、日本での販売年月

・「Red Bull」(レッドブル・エナジードリンク):レッドブルジャパン、2006年発売
※2012年4月より砂糖不使用、低カロリーの「レッドブル・シュガーフリー」を新発売。
http://www.redbull.jp

・「burn」(バーン エナジー ドリンク):日本コカコーラ、2012年3月発売
※2000年に欧州とオセアニアに導入され、現在では世界85カ国で飲まれている。
http://c.cocacola.co.jp/burn/

・「MONSTER」(モンスターエナジー):アサヒ飲料、2012年5月発売
※2002年米国で発売されて以来、世界57カ国以上で販売されている。
http://www.asahiinryo.co.jp/company/newsrelease/2012/pick_0315.html

・「ROCKSTAR」(ロックスター):モルソン・クアーズ・ジャパン株式会社、2008年6月関西、2009年3月全国発売
※2001年に米国で発売され、欧州、中東、オセアニアなどでも販売されている。
http://www.rockstarenergy.jp/

・「SHARK」(シャークエナジードリンク):株式会社アンタレスコーポレーション
※タイで発売されて以来、欧州やアジアをはじめ世界80カ国以上で販売され、世界第2位の消費。
http://www.sharkenergy.jp/

・「MAD-CROC」(マッドクロック エナジードリンク):株式会社OC Style、2010年と2011年にF1日本グランプリ開催時に関西圏イオン各店で先行販売し2012年5月より全国発売
※2004年フィンランドで発売されて以来、米国、欧州などで販売されている。
http://mad-croc.jp/

・「RAIZIN」(ライジン):ライジンジャパン株式会社、2012年4年
※日本で開発・販売しているエナジードリンク。
http://raizin-japan.com/

・「BEAST EYE」(ビーストアイ):ギガッツ合同会社
※日本で開発・販売しているエナジードリンク。
http://www.beasteye.com/

「エナジードリンク元年」を迎えた次は女性ファンの獲得

このように、2012年は、「エナジードリンク元年」と言ってもいいだろう。オリンピック開催年ということもあり、消費者のスポーツや健康に対する意識も高まっていることも追い風となり、引き続き期待ができるだろう。一方で、日本メーカーのオリジナル商品の売り上げの好調に加え、既に世界で実績をもつ海外メーカーとの競争が激化することが予想される。

すでに、スーパーやコンビニエンスストアをはじめ、ドラッグストアの棚取り合戦が始まっている。さらに市場の原理から、当然、価格競争という課題も出てくる。そこを見越して、次の一手を見据えているメーカーもある。その例として、2つ挙げられる。

(1)女性へのアプローチ
男性向けの印象が強かった「エナジードリンク」に対して、ターゲット拡大を狙い、「Red Bull」からはカロリー摂取に気をつかう女性を意識して、シュガーレスタイプを発売し、プロモーションを強化している。また、「SHARK」は美容によいとされる成分をアピールしており、女性のファンを惹き付ける狙いがある。

(2)メニュー提案
「Red Bull」は日本進出当初に飲食店向けに試飲のキャンペーンを行なっていたが、さらに最近では、各メーカーが消費者はもとより居酒屋などに向けて、「エナジードリンク」を使った新しいメニューの提案を始めている。「BEAST EYE」はビール割りを提唱し、「burn」はウォッカやジンと割るレシピを提案している。

このように海外メーカーの台頭や海外商品の販売権を獲得した日本の飲料メーカーの熾烈な戦いが予想され、市場全体の底上げが期待できそうだ。