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震災後の消費マインドは“長持ち”

更新日:2011年09月28日

 未曾有の被害をもたらした東北地方太平洋沖地震・津波の後、日本の消費はどうなってしまうのだろうかと懸念されている。ひとつ言えることは、消費者が、商品・サービスにおいて、より厳しいニーズを企業に求めていくのではないかと考えられる。
 


 
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復興特需の直後に注目される“長持ち商品”

   阪神淡路大震災の時と同様に、被害の規模にもよるが、震災後ある一定期間までは、復興特需と言われる、復興に関わる需要が急増する。当然、被災地における鉄道などのインフラや建設が必要なことは言うまでもない。しかし、これは、一時的であり、継続的なものとは言えない。そこで、この復興特需の後に、消費者を動かすものとして注目されているのが“長持ち商品”だ。実は、これは震災前から、動き出していた傾向でもある。

震災前の消費者は“賢く買う”ことに躍起になっていた

   震災前の消費の傾向を振り返ってみる。

   リーマンショック後から長引く不況、多くの人がリストラや減給を受けることとなった。当然、消費者は日々の生活で節約をすることになる。それも長引き、節約疲れが出てきた反動で、「プチ贅沢」といった言葉に代表される多少の消費が期待されてきたところだった。

   また、消費者は、耐震偽装や食品の賞味期限や産地偽装などを目の当たりにし、企業に対して不信感や疑いの心をもつようになっていた。その結果、消費者は、企業、そして商品やサービスに対して、厳しい目を向けるようになっていた。インターネットなどで情報を得て吟味し、お得に買うこと、そして失敗をしないようクチコミを隈無くチェックし、リスクヘッジもするようになった。「賢く買う」ということがひとつのテーマと言えただろう。

   そういった消費者の状況を踏まえて、企業が取った行動が、「価値以上の価値の提供」。つまり、消費者のイメージする価値(価格に対する効果)以上の価値を提供することに努めたのだ。そこで、登場してきたのが、“長持ち商品”だった。

単価が安いガムから、一戸建ての住宅まで

   この“長持ち商品”とは、味や効果が長続きする商品で、従来のそれよりも多少値段が高く設定されていることが多い。現在、さまざまな商品が市場に出回っているが、おもなものを紹介する。

●味が長持ちする「ガム」
   「フィッツリンク」ロッテ、「ストライド」「クロレッツXP」日本クラフトフーズ など
●香りが長持ちする「柔軟剤」
   「香りつづくトップ」ライオン など
●明かりが長持ちする「LED照明」
   「エルム」シャープ、「エバーレッズ」パナソニック など
●エネルギーが長持ちする「乾電池」
   「エボルタ」パナソニック など
●長期優良住宅
   「30年保証」ミサワホーム など

企業経営にとって“長持ち”は試す価値のある挑戦

   消費者が、多少高くても“長持ち商品”を購入しようとする背景には、次のことがある。長引く景気低迷を体感しており、目の先の安さに飛びつくのではなく、長い目で費用対効果を考えるようになっているからだ。「初期投資とその後のランニングコストを計算し、どのくらい(何回目、何年目)から、従来の安い商品を購入するより得になるのか?」といったことを算出することが習慣づいてきている。

   企業の立場で言うと、商品が長持ちすることは、買い替え需要の機会損出と一見捉えられがちだが、一方で、差別化を図ることができる点がメリット。特に、柔軟剤やLED照明などの日用品は、差別化しにくいので、価格競争に陥りがちであるが、そこで“長持ち”という優位性をもつことで、価値(効果)が他の商品より高い分、価格が高めのところで安定している。つまり、その価値に対して、多少高いとしても、消費者は購入に至ることが想定されるからだ。

   企業としては、商品開発やサービスの向上など、資金力や開発力あっての“長持ち商品”であるが、この挑戦にトライすることで、震災後の消費者のマインドに応えていけるのではないか。今後も、“長持ち商品”が多数登場していくだろう。