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フリーランスという生き方〜戦場カメラマン

更新日:2009年09月02日

会社員から「戦場カメラマン」というフリーの仕事に打って出て見事成功した加藤健二郎さんに、その初期からの話を伺った。


 
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アポなし正面突破

戦場カメラマン加藤健二郎さんは、1985年に大学を卒業して東亜建設工業へ技術屋として就職したも のの1988年1月には退職、外国の戦場へ飛び出している。中南米の内戦地帯に1年3カ月滞在したのち、日本へ帰国、そしてすぐに、戦場写真を雑誌に売り込んでみることにした。

マスコミ業界というものを一度も意識したことのない理系人間だったので、まったくコネもノウハウもなかったが、逆に何もなかったがゆえに、たいして考えもせず、さっさと行動を起こした。「次の事業に転向するなら、行動は速いほうがいいというくらいのノウハウはあったということだろう」と加藤さんは振り返っていた。

当時、外国の戦争報道に理解を示していた雑誌は週刊誌「朝日ジャーナル」くらいであったそうで、迷わず、朝日新聞東京本社の受付へ直行。電話でアポ取りするのが常識的な手順なのかもしれないが、直接行ってしまったほうが結果は速いと判断したのだ。

受付で「ぜひ、朝日ジャーナルに売り込みたいネタがある」と事情を話すと、すぐに国際報道に最も強い副編集長が下りてきてくれたので、加藤さんは、持参していった写真と原稿を渡した。これが、マスコミデビュー作になる。ネタは、中米の内戦国ニカラグア軍の女性高射砲部隊だ。

後日知り合った先輩ジャーナリストにこう言われたそうだ。
「アポなし正面突破で行ったから、戦争ネタに最も理解のいい人と出会えたんだね。私なんか、最初は知り合いのコネで紹介してもらったら、まったく戦争に興味ない編集者を紹介されてしまって、ぜんぜん話が前に進まなかった苦い経験ありますよ」と、コネを使うことが必ずしもよくはないことを教えてくれたという。コネで紹介してもらうと、その人が適任でなかったとしても、さっさと切って、他の適任な編集者の元へ行くこともできないとのことである。

結果ばかり先に考えるな

フリーランスで生きてゆくには人間関係が大切なのは確かだ。しかし、せっかくフリーランスなんだから、人間関係のしがらみや義理人情なんかは最低限にして、ドライにチャッチャと動きたい。などと思っていても、人間関係が構築されていくとそうもいかない。

「だからこそ、人間関係のまだ希薄な新人時代、初売り込みのときは、ドライにチャッチャを気兼ねなくやれるチャンスでもある」と加藤さんは言っていた。これなどは、企業の新人研修のヒントになると思った。

さらに加藤さんは気兼ねなくやる行動力の良さについてこう語った。
「気兼ねない人間づきあいをしてゆくと、自分の本性が相手に伝わりやすいため、自分に合った企画をまわしてもらえるようになっている気がする。ニカラグア軍の女性高射砲部隊でデビュー以来20年以上がたつが、自分向きでない企画を依頼されたことはほとんどないような気がする」

日本を代表する大手商社も「その昔は砂漠でハンカチを売っていた」とか、今でも「自衛隊が派遣される紛争地帯には隊員より早く商社マンがいる」という。加藤さんの例はフリーだからと看過せずに、組織に属していてもこういった行動力は企業のエンジンでもある。結果ばかり先に考えて頭でっかちな社員が増えていくことのないよう加藤さんの心意気を見習いたいものだ。