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GM凋落の驚き

更新日:2009年05月07日

あのGMが条件付ながらも破産法申請を政府に示唆されているというのだ。“経営管理主義”や“事業部制”の先駆けで、企業による社会の寡占という社会構造を作り出し、世界を動かしてきたアメリカ式資本主義の顔が泥にまみれている。
 


 
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どうなるかGM、再建計画提出期限6月1日

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 今日の日本ではまだまだ神話的な新しさを維持しているアメリカ式経営手法の代表者でもあるGMが危ない。GMはこれまでにアメリカ政府から134億ドル(約1兆3500億円)もの緊急融資を受けているが、このうちの一部を政府が新株と交換する可能性があるとのニュースもある。もしこれが実行されれば事実上の国有化に道筋をつけることになる。
 4月12日付けのニューヨーク・タイムズ電子版によれば、アメリカ財務省は6月1日までに破産法の適用申請を準備するように命じたと伝えている。6月1日の再建計画提出期限までに組合や債権保有者と合意に達しない場合に、破産法適用の可能性が大きいということらしい。

 二度の世界大戦を経て爆発的に成長したアメリカは1960年代に“経営管理主義”や“事業部制”を柱にして、“経営(マネージメント)”という概念を強力に推し進め、戦後の世界経済をリードするとともに、その後は金融工学を編み出して今日にいたっている。

“経営管理主義”や“事業部制”

 “事業部制”はGMのアルフレッド・スローンが導入し、その後松下幸之助が取り入れたことで日本でも現在にわたって合理的な経営手法と目されている。スローンは、事業部制だけでなく、「金持ちはキャデラック、裕福な控え目派はオールズモビル、働き盛りにビュイック、中産階級のプライド派はポンティアック、大衆はシボレー」といった“ブランド・マネジメント”という手法を編み出した。
 “経営戦略思考”や“知識労働者”というような現代に流行している経営用語や概念を作り出したピーター・ドラッカーも、世界を席巻していた時代のGMを含めたアメリカ式企業を研究して、『産業人の未来』(1942)や『現代の経営』(1954)を書いたのだろう。

 金融工学と桁はずれの市場原理主義が世界中で弊害を撒き散らしているものの、企業やトップ層の利益が絶対化された政治経済構造がすぐに変わるとは思えない。それにしても、自動車産業が不振に陥ると、他のこととは比べ物にならないほど凄まじいスピードで対応する政府の動きに、違和感を感じた人も多いのではないだろうか。

 ショッキングなGM凋落のニュースが世界を駆け巡り、アメリカ式経営への批判的な論評が多くなり、長らく世界を動かしてきたアメリカ式資本主義の見直しが迫られている。こうしたなか、主君・領民に「愛」と「義」を貫いた知勇兼備の戦国武将・直江兼続を主人公とした大河ドラマが人気を博し、アメリカ式合理主義とは真逆とも言える価値観が見直されているのは、決して偶然のことではないように思える。

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