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迷えるニートは戦場へ行け!『戦場のハローワーク』

更新日:2010年04月21日

 この朝礼ネタ110番コーナーでも何度か執筆していただいている、戦場ジャーナリストの加藤健二郎さんが講談社文庫『戦場のハローワーク』を刊行しました。何とも明るく人を喰ったタイトルですが戦場という職場で加藤さんが得てきた仕事のやり方、楽しみ方、考え方がこの本には書いてあります。戦場という職場での彼の振る舞いや考え方は、ビジネスという戦場で仕事に勤み、かつてないオリジナリティーの求められる時代に立ち向かう我々にとっても刺激に満ちた一冊になっています。


 
 
『戦場のハローワーク』
『戦場のハローワーク』/講談社文庫/本体695円(税別)
 
 
イラク戦争における、バクダッド陥落の最初の歴史的瞬間。(c)加藤健二郎
イラク戦争における、バクダッド陥落の最初の歴史的瞬間。(c)加藤健二郎
 
 
北朝鮮、ピョンヤン郊外で撮影された1枚。(c)加藤健二郎
北朝鮮、ピョンヤン郊外で撮影された1枚。(c)加藤健二郎
 
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限界を超えてこそ見えるものがある

「さて、行動をおこしたら、次に迫られるのは“どこまで突っ込むか”である。私が基本にしていることは、他の人たちが限界と思うラインよりも一歩でも二歩でも奥まで踏み込むことである。奥まで突っ込んでみると限界の向こう側が見えるし、限界だと思っていたところが実は限界ではなかったことに気づくこともある。限界を超えた者だけが体で味わえる醍醐味だ。これは戦場突入に限ったことではなく、生き方として広く適用できると思う。」

『戦場のハローワーク』冒頭の一節です。戦場カメラマンとか戦場ジャーナリストというと、「俺たちは特別なことをやっている」という威厳なり使命感なりを持っていて、近寄りがたいというイメージがあるでしょう。実際はおおむねそのとおりです。しかし、加藤さんはそれとは正反対。まったく威張るところがなく、気軽で柔和、あっけらかんとした人です。

ただし、彼の職場(戦場)での逞しさは飛びぬけています。こんなに行動力のある社員が会社にいたら頼もしいことこの上ないでしょう。1988年以降世界各地の戦場に突入すること76回、戦闘遭遇25回、戦場での負傷3回、スパイ容疑で逮捕されること3回、身柄拘束8回、国外退去3回……。上記のような威厳ある戦場ジャーナリストが、実は戦闘の後、治安部隊とともに戦場に入っていたりするのですが、加藤さんは弾がミサイルが飛び交っている戦場に突入するのですから、人は見かけでは判断できません。

仕事は時に楽しく、遊びも忘れずに

限界を超える、などと言われるとどんなに仕事オンリーで眉間に深い皺を刻んだ厳しい人かと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。加藤さんのデビュー作となって『朝日ジャーナル』の巻頭カラーグラビアを飾った「ニカラグア軍女性高射兵」が掲載された後、「地道な独自取材の成果ですね」と先輩格の国際派ジャーナリストに褒められたそうですが、本人いわく「単に女の子を追いかけて遊んでいただけ」がたまたま高射兵に繋がったそうです。

加藤さんはどの現場(戦場)に行っても、現地の兵隊と一緒になって女の子の取り合いをしたり、遊びに余念がありません。そのまま3カ月同棲してしまうなどというエピソードにも事欠きません。そのため彼の原稿には、人から聞いたようなフレーズはありません。

(動機はどうあれ?)経験が独自なのです。これは原稿の商品価値が高いことを意味します。企業での商品開発も同じではないでしょうか? オリジナリティーに溢れた企画を出す社員は貴重な存在です。そういう人ほど遊びや、趣味に深いものをもっていたりするものです。仕事にも遊びにも余念なく取り組むことは思わぬところで他人とは違ったオリジナリティーを発揮することになります。

商売という意味では戦場も会社も同じ

「自分にとっての限界が他の人の限界を超えることができれば人生観が広がる。人生観が広がれば多くの夢を見つけられ、それを実現するために動くことができ、動いた者には次の可能性が広がる。」

冒頭の一文に続くこの言葉は、事業を始めようとする人にはぴたりとくる内容ですが、会社員とて同じでしょう。まず自分の仕事を好きになる。好きになったら限界を超えるまでやってみる。その先にはもっと魅力的な世界が開けてくるのでしょう。さ、今日からといいたいところですが、まずは『戦場のハローワーク』を読んで事前の準備をしましょう。そこにはそういう生き方をした人の実際の独自な経験がつづられています。

取材・文:キャトル・バン