経営者の味方「0円ビジネスマッチング WizBiz(ウィズビズ)」

WizBiz:HOME >  ビジネスマガジン >  ビジネスコラム >  朝礼ネタ110番  >  桁違いの中国“ニセモノ”事情  詳細


桁違いの中国“ニセモノ”事情

更新日:2010年02月24日

 中国商品というと、そのキーワードが“コピー”、その次が“危険”というくらい、その信頼度に疑問符をつけて語られる。いいところといったら、安さくらいか。中国産食品や製品の安全性問題に関連して、中国中央電視台(CCTV=日本のNHKにあたる)の“やらせ報道”が話題になるくらいだから、救いようがない。「屋台の肉まん屋が、薬品で変質させた段ボールを中身の餡にしていた」という話であったが、これが当局の食品安全取締りキャンペーンに悪乗りしてウケを狙った国営テレビ放送のねつ造だったという顛末だった。
 いずれにしろ、農薬、毒物の混入・汚染問題や“ニセモノ”に関する話題は、中国のイメージダウンにつながるものとして、中国政府を悩ませているようだ。噴出する問題を直視して抜本的な解決に向かってほしいものだ。

 とはいえ、いわゆる食品安全問題や“ニセモノ”問題は、広がりの規模が大きく根が深い。筆者は、数年前から上海や北京で現地の知人らの案内やツテでつぶさに現場を見てきたが、これらの問題が露骨な形で横行を極めていることに驚かされ続けている。冗談みたいな話もあるが、いくつか紹介してみよう。


屋台で食べ物を買ってはダメ

筆者の友人である上海市公安(警察)の幹部は、「市場の屋台で食べ物を買ってはダメだ」と力説する。なぜかというと……。

「ともかく地方からの出稼ぎ者が開いている屋台は、何を食べさせられるかわかったもんじゃない。前に飼い猫がやたらにいなくなるという苦情がある住区から出されたので、警戒して“猫泥棒”を補足したことがあるんだが、やつらは屋台の串焼き屋にその肉を卸していたんだ。中国で人気ある羊肉の串焼きとして、それが売られていたんだが、もちろん仕入れるほうも猫の肉だって知っているんだよ」

もちろん、正式の商店内で売られている串焼き等には、まずこうした心配はないという。問題は、道端でいきなり店開きしている露店である。「露店の連中は、こちらが取り締まりを始めたと知ると、すぐに店をたたんで姿をくらましてしまう。いたちごっこだから、市民の方が自己防衛してもらうしかないね」

幹部氏は、もっとおぞましい話も教えてくれた
「こうした正体不明の露店の連中が売ってる揚げものもクセものなんだ。何しろ、大食道街のあるドブに浮いた食用油らしきものを柄杓で汲んだ廃油同然のものを使っているんだからね」

この話は、筆者としても目がシロクロであった。「アジアの醍醐味は、屋台メシだね」という話を中国旅行者からもよく聞くのだが…。

町にあふれる“海賊版”CD、DVD

北京でも上海でも、またその他の主要都市でも屋台街をうろつくとどこでも目につくのがCDやDVDを置いているお店。その多くがいわゆる“海賊 版”だ。いろいろ手にとると、日本ではまだ未公開の最新映画のDVDも多い。値段は、8元から10元(邦貨で120〜150円)だ。

北京在住の学者の友人は、こう語る。「映画館で封切りになると(たいていは日本よりも洋画の公開が早い)、映画館で密かに撮影して、数日後には露店にDVDが出ているよ。どんなに取り締まっても、きりがないだろうね」

ちなみに、正規版(「外文書店」などの国営書店で買える)の値段は、ワンタイトル15〜20元(225〜300円)くらい。そんなに値段の差はな いのだが、「ともかく“海賊版”のほうが早く出るし、種類も豊富」というから消費者ニーズにはこちらのほうが応えていることになってしまう。

ときどき現地のテレビで放映されるのだが、公安がニセDVDやCDを販売店を急襲して大量押収し、道端に積み上げたそれらをブルドーザーで踏み潰すなんて“パフォーマンス”をいくらやっても、街中では普通に“海賊版”が出回っているから、始末に負えない。

この問題の広大さと深さは、こんなもので言いつくせるものではない。「うちで新製品を出すと、一週間後にはコピー品が市場に出る」(中国在の自動車部品メーカー社長談)という声も数限りなく聞く。

古い日本を知る先輩たちは筆者の話を聞くと、「敗戦直後の日本と同じだよ」と言う。「敗戦直後の日本」と「右肩上がりの経済発展(バブルか?)」 が同居する中国の現実は、様々なことに呆れさせられると同時に、飽きることのない面白さをも教えてくれているように思えてならない。

文:軍事評論家・古是三春