食事をすれば男の格が分かる
更新日:2008年02月28日


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※月刊ベンチャー・リンクバックナンバー(2008年2月号)よりお届けいたします。
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昨年11月19日に、東京のレストランに対するミシュランの格付けが発表された。あの日は東京中のビジネスマンが、会えばその話題を振っていた気がする。
自分のお気に入りの店が1つでも★を獲得し、ほっとしている人もいれば、接待された店が★付きと知って「おやおや彼は自分のことを大切に思ってくれているのだな」と思った人もいるだろう。レストランで食事するという行為はつまり、美食だけが目的ではなく、人を格付けし敬意を示す行為なのである。だからみな、自分がいくらくらいの人間なのか知りたくてあの★を眺めたのではないか。
そんなことを考えていると、人生経験にと東京の銀座でホステス修業をした時のことを思い出した。銀座で働くようになると、女の子は、ラーメン店や居酒屋に入ることを禁止される。理由は、高額な金を払って接待する側にすれば、同伴する女性が、ラーメン店でも会えるような気楽な女性では使えないということだそうだ。私はなるほどと思った。
だから、お客様が何の工夫もなく平凡な店に誘うようなことがあれば、「決して足を踏み入れず帰っていらっしゃい」と女の子は教育される。「そんなところでもいいと女性や接待相手に気を抜くようでは、男性も出世できません。それを教えてさしあげるのが私たちの仕事なのよ」と言うママもまた、店の格を落としたり、お金のために意にそぐわないお客を迎えるくらいなら店をたたむと言っていた。
そんなふうに常に上を見る人と交わり、私には過分な食卓に呼んでいただいたことに、私は後で助けられることになる。
こんなことがあった。ある映画の企画を進めたいという話があり、私は知人の女性映画プロデューサーとともに、ホテルのティールームである人とお会いした。話のスケールはやたらと大きいがどうなのだろう、と思案していると先方が「食事でも」と誘ってくださった。いい店があるのでホテルの外に出ようという。お任せしてタクシーに乗り込んだ私たちは繁華街で降ろされ、居酒屋の延長のような店に案内されて、正直びっくりした。そして、その方との仕事はないな、と即座に判断した。気取る、気取らないの次元ではなく、真摯に仕事を頼みたいと思う相手なら、取っておきの名店を予約しておくくらいでなければ、いい仕事などできようはずがない。


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| プロフィール |
1988年玉川大学文学部英文科卒。商社OLを経て24歳で漫画家デビュー。レディスコミック誌を中心に活躍するかたわらルポやエッセイも執筆し、売れっ子となる。00年、「文学界」にて『花悩』で作家デビュー。現在、日本テレビ『スッキリ!!』(月〜金、午前8時〜)のレギュラーコメンテーター。著書に『マンガ ローマ帝国の歴史1〜3』(講談社)、『右よりですが、何か?』(ワック)など。 |
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