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ボランティアが熱い

更新日:2011年08月03日

※月刊WizBizバックナンバー(2011年7月号)よりお届けいたします。
 


 

さかもと未明氏 顔写真

 
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  ボランティア熱が高まっている。東日本大震災のあと、チャリティーや被災地支援が数多く行われている。そういうことが一般的になってきたことを、素晴らしいと思う。

  私は、ボランティアもチャリティーも、どのような形であれ、それを行った人を尊敬する。「それは偽善だ」とか「自己満足じゃないか」と一蹴する人もいるが、たとえ自己満足であろうと、しないよりはした方がよほどいいと思うからだ。

 しかし、その行動には、きちんとしたルールが必要だとも思う。

  私は体調の問題もあって、被災地には行っていない。だが、子供地球基金という団体の友人は、震災後すぐに被災地に向かった。

  「まだ交通規制もあるだろうし、中に入れないなんてことはないの?」そう聞くと、阪神・淡路大震災の時も、現地で活動した実績があるので、警察に協力してもらえるのだという。

  彼女たちは、被災者と同じように不自由を共有しながら活動をする。宿泊所などで世話になると迷惑をかける場合もあるので、車の中で寝泊りできる準備をして行くという。

  災害のたびに活動しているからなのだろう。彼女たちは、自分たちなりの活動ノウハウを身につけていた。だからこそ、震災直後から現地入りすることができるのだ。

  もちろん、「人のために役に立ちたい」という気持ちは誰もが持つべきだと思う。だが、それを実行に移すために必要な危機管理能力や、マナーを身につけていなければ、ボランティアはできない。想いだけで何の準備も心構えもせずに飛び出してしまっては、被災者に迷惑をかけることもある。本人が二次災害に遭ってしまうこともあるかもしれない。まれにキャンプ気分でピースサインをして写真を撮り、被災者の気持ちを傷つける若者もいるという。

  そうしたことがないよう、ボランティアに初めて参加する人は、経験者と行動を共にし、節度を持って活動する必要があるだろう。

  「いいことをしているんだ」と興奮した心持ちで行動するのは、極めて危険だ。参加したことで「よかった」と思っているうちは、先方の役になど立っていないのかもしれない。

  ボランティアは、自分の生活を犠牲にしなくてはできないほど大変なものだ。そして、それ以前に、自分の仕事や生活がきちんとしていなければ、人の面倒を見る資格もないだろう。

  結局のところ、ボランティアとは、何かあった時に「催事」のように行うものではなく、常に「自分のとり分をとったら、それ以外はすべて社会に還元する」意識を持ち、それと共に生きていくというものなのだと思う。

  仕事があり、収入にも限界がある中で、それはとても大変なことだ。しかし、よい仲間に出会うことで継続することも可能なのではないだろうか。

  中小企業の社長である私の友人は、「阪神、、東北」のそれぞれで、社員と共に炊き出しを行った。会社がノウハウを持ち、そういうことに前向きであれば、自然に社員の意識も高まる。会社としても、社会貢献に対する気持ちは敏感になっていくだろう。

  ボランティアは誠に難しい。でも、ルールを守り、ボランティアの達人と共に参加することを恐れるべきではない。

  多くの人にとって参加することが当たり前になれば、義捐金の分配といったノウハウも構築できる。マナーについてもコンセンサスがとれていくだろう。

  欧米では教会が中心となり、長い歴史の中でさまざまなノウハウが培われてきた。日本でも素晴らしいノウハウを発信できるよう、その知恵を蓄積すべきではなかろうか。

著者プロフィール

さかもと未明
1965年神奈川県生まれ。玉川大学文学部卒。商社OLを経て89年に漫画家デビュー。レディースコミック誌を中心に活躍、2000年には作家としての活動も開始。作品は硬軟問わず幅広い。著書に『マンガ ローマ帝国の歴史1〜3』(講談社)、『神様は、いじわる』(文藝春秋)など

さかもと未明の和みカフェ?
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