順境の時にできること
更新日:2010年11月16日
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※月刊WizBizバックナンバー(2010年10月号)よりお届けいたします。
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人生で恵まれている時期に何を心がけるべきか? その状態を持続させるためにどうすればいい?──そう人から問われて困った。それは私が一番できなかったことだからだ。
そんな私でも「自分は幸運をいただいた人間なのだ」との自覚はある。
もともと私は女性向けの官能を描くレディースコミックの描き手だった。活動の世界を広げたいと望んだ時、ある情報誌から時事批評漫画の連載の仕事をいただき、さらに新聞で連載、情報番組のコメンテーターと、仕事を始めた当初は考えられなかったような広い世界を開いてもらったのだ。
今にして思えば、自分が引き立ててもらえた時こそ、周りの方々とそれまで以上に密に連絡をとるべきだった。とはいえどうにも忙しく、不義理を重ねてきた。
幸運に乗れるということは、そこに乗せてくださる方たちがいての話である。だから控えめに振る舞い、常に感謝の念を持たなくては、その御輿に乗る資格はないのである。
しかし私には、その幸運な状態を続けるために、周囲の期待に応えることができなかった。
理由の一つに、人生の大転換を迫られる膠原病を発症してしまったことがある。さらに大きかったのは、表現者としての自分のあり方について疑問を持ったこともある。周囲の方々につくってもらった「保守論客」のイメージだけで走り続けることに、限界を感じてしまったのである。
その頃の私は、家事ができなくて家が汚かったり、病弱であったりする現実を晒したいと望んでしまった。
それまで私なりに、真心としての愛国心や、人間のあり方について、正直な思いをつづっていたつもりだ。だが結果的に「生活態度と文章があまりにもかけ離れている」とお叱りを受けることになった。
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著者プロフィール |
さかもと未明 |
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