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親子の問題と価値観の相違

更新日:2010年06月08日

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※月刊ベンチャー・リンクバックナンバー(2010年4月号)よりお届けいたします。
 


 

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親と揉めている。とはいえ発端はくだらないことだ。最近、父親の人生についての小説を──というお話をいただき、父親と一緒に父の縁の地を巡ろうということになった。

せっかくだからその折に、取材のお礼も兼ね、母親も含めて温泉旅館に招待したいと思いついた。親と旅行なんて30年以上していない。今後もいつチャンスがあるかわからないし、今までろくに交流できなかったことを埋め合わせたい気持ちもある。

生意気かもしれないが、日本でも五本の指に入るといわれる名旅館を予約した。女将からは「心づくしのおもてなしをさせていただきます」と連絡が入った。親も喜んでくれるだろうと期待して、招待したい旨を伝えた。しかし親は、「そんな立派なところ、落ち着かないから行きたくない」といった。

数日揉めたが、親の返事は変わらなかった。かえって「お前はどういう金銭感覚をしているんだ」と叱られた。私は女将に非礼を詫び、翌月にアシスタントと行き直すことにさせてもらった。彼女たちが喜んでくれたことは、いうまでもない。

私は、人に敬意を払う時、お金を使うことを贅沢だとは思わない。しかし、親に何かしたいと思った時は、いつもこうだ。以前も着物の反物だの、実家の改装だのをプレゼントしようとして揉めた。ただ、今回のことを数人の友人に話したところ、誰もが似たような体験をしていた。

「うちも露天風呂つきのいい旅館に連れて行ったら、『こんな丸見えのところで入れない』と文句を言われてがっかりした」「ブランドのスカーフをあげたら、『こんな派手なもの、使えない』と突き返された」など。子どもたちがしようとすることも、親の反応もそっくりなので、これはある種の時代の問題という気がした。

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著者プロフィール

さかもと未明
1965年神奈川県生まれ。玉川大学文学部卒。商社OLを経て89年に漫画家デビュー。レディースコミック誌を中心に活躍、2000年には作家としての活動も開始。作品は硬軟問わず幅広い。著書に『マンガ ローマ帝国の歴史1〜3』(講談社)、『未明日記ハイパー』(芳文社)など