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基地移設問題から考える中小企業のあるべき姿

更新日:2010年05月11日

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※月刊ベンチャー・リンクバックナンバー(2010年3月号)よりお届けいたします。


 

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 米軍普天間基地の移設問題が論議される中、沖縄返還時に日本国内への「核持込み」などを巡る「密約」の存在が話題になっている。なぜいまこのタイミングで騒がれるのか。「核」に対する国民のアレルギー反応を利用して、移設問題の解決を停滞させたい人々がいるのだろうか。

私は、「核密約はあっただろう」と思う。冷戦時代のこと、そのくらいの交換条件なしに沖縄返還は実現されなかったのではないか。

現にアメリカでは、そういったことに関する文書が資料として公開されている。その点アメリカの度量は大きい。事実は事実として公開し、それを利用して国益になる方向に世論を引っ張っていくやり方だ。

事実を隠匿したり、直視を避けたりすることで問題の本質を曖昧にし、長期的な不利益に甘んじる日本とは根本的に異なる。正面から問題に向き合えば、局面の打開が図れる可能性はあるはずなのに、である。

そもそも基地移設は避けて通れない問題のはず。日本は日米同盟、そして国際平和に対し、最大限の貢献をしなくてはならない。

一方で基地により、沖縄県民が多くの負担を強いられているのは事実。また基地の仕事によって生計を立てている家庭も多く、愛憎半ばするところがあるのだろう。

普天間基地移設問題の推移を見ているうちに、日米関係は、大企業と中小企業(下請け)の関係に似ているような気がしてきた。

日本のものづくりを支える中小企業の技術力はつとに指摘される。そんな下請けの力は、発注者である大企業にとって不可欠のもの。

しかし万事において、決定権は大企業にあり、下請けである中小企業はさまざまな労苦を飲み込み、逆らうことは当然許されない──。

それでは独立とは名ばかりの隷従ではないか。これを日米関係に関係づけてみれば、「安保に触ったら大変なことになる」と幾多の歪みを受け入れてきた隷従の状態――戦後日本の現実――とそっくりである。企業のあり方は国の姿を映す鏡なのか。

下請け企業は「逆らったら切られる」とばかりに、一方的に不条理を受け入れ過ぎてはいないか。

経済の世界では、JALの倒産を見るまでもなく、大企業の脆弱さが次々と明らかになっている。JALは公の企業として考えられないようなずさんな運営、航空会社として自立しようのない構造的な瑕疵を放置してあのような事態となった。

一握りの大企業と無数の中小企業の間に横たわる歪んだ関係も、経済が激動する今、変えていかねば、取り返しのつかないことになる。

防衛に関していえば、普天間問題を入り口とし、日米両国の利益になるよう議論をするべきだと私は思う。

同時にそれは沖縄の基地依存型経済を変えていくことや、犯罪が起きた時の米兵の身柄引き渡しなどについても、論議する絶好のチャンスとなろう。どうせやるなら「いやいや」でなく、国民一人ひとりが国益を念頭に、よりよい日米同盟のあり方を提案すべきだろう。

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著者プロフィール

さかもと未明
1965年神奈川県生まれ。玉川大学文学部卒。商社OLを経て89年に漫画家デビュー。レディースコミック誌を中心に活躍、2000年には作家としての活動も開始。作品は硬軟問わず幅広い。著書に『マンガ ローマ帝国の歴史1〜3』(講談社)、『未明日記ハイパー』(芳文社)など