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中国の軍拡と未熟な日本の議論

更新日:2009年10月27日

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※月刊ベンチャー・リンクバックナンバー(2009年8月号)よりお届けいたします。


 

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中国の軍事費がついに、世界第二位になったという。経済面ではGDP世界第二位の日本の地位が中国に取って代わられる日も近い。

一方の日本はといえば、七年続けて防衛予算を減らし、もはや「自衛隊のやりくりは限界を超えている」という。そんなことで国の安全を守れるはずもないのに、マスコミはその状況を国民に訴えることもなく、ただ中国バッシングを続けている。 私は中国のあり方に決して賛同はしない。国民への情報コントロールは不実そのものだし、台湾やチベットといった国への態度、特にチベットにおける人権弾圧は許せない。

しかし、そんな自国の姿勢を世界に黙認させてしまう政治力には、舌を巻かずにはいられないのである。世界第二位となる中国の軍事力、それを盾にした交渉力で、元の切り上げを遅らせ続け、その競争力で得た利益を、米国債購入に充てる。そして政治力を増すという方式。「お見事」としか言いようがない。

思えば中国は毛沢東時代、核の保有に向けて国を挙げて向かっていたころから、一度も「ぶれた」ことがない。それが国民の総意ではないとしても、支配する人々が、方向性を見失うことはなかった。だから躍進したのである。

30年前、まだ私が小学生のときの社会の授業で、中国を「眠れる豚」と揶揄した教員がいたことを思い出す。それほど当時の中国は、「図体ばかり大きくて何もできない」と思われていた。それが今や世界第二位だ。 もちろん中国も多くの問題を抱えている。そろそろ上げざるを得ない人件費を上げたら国際競争力が失われる。人件費を低く抑えたり、あちこちで暴発しそうな地方の不満を抑えたりするのも一苦労なのだと漏れ伝わってくる。

それでも中国は世界を説得し続けてきた。日本人はその事実を認めなくてはならないと思う。

最近、経営者の方や経済人が集まる勉強会に呼んでいただくことが増えたのだが、「日本は9条がある限り駄目です」と参加者の方々が言う。
「9条のせいで軍事力の後ろ盾を得られない日本の産業は、世界に出て行く力を持たないのだ」と。

さらには9条があるから日本の男は力を失ったのだと。丸腰で戦わねばならない男たちの悲哀だと思う。それはきっと心もとないことだ。

しかしすべてを9条のせいにして、「だから男になれない」と言ってほしくない。私はそう思うようになった。

9条がこの国をおかしくしているなら、それを国民に認めさせ改変させるべきだし、核を持つことが国際社会で生き抜く上で必要ならば、一時的にいかなる封じ込めを受けようと、断行するしかないだろう。それができないのであれば、小国主義でいくしかないが、それでも別の方法で国際社会に食い込んでいくあらたな武器を持たねば、明日はチベットのような立場に追いこまれるかもしれぬ.

 

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プロフィール

1988年玉川大学文学部英文科卒。商社OLを経て24歳で漫画家デビュー。レディスコミック誌を中心に活躍するかたわらルポやエッセイも執筆し、売れっ子となる。00年、「文学界」にて『花悩』で作家デビュー。現在、日本テレビ『スッキリ!!』(月〜金、午前8時〜)のレギュラーコメンテーター。著書に『マンガ ローマ帝国の歴史1〜3』(講談社)、『右よりですが、何か?』(ワック)など。
さかもと未明オフィシャルブログ「さかもと未明の和みカフェ?」