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健康的な食生活を追求すると環境問題に行き着く
アース・トーンズ(Earth Tonez)

更新日:2008年09月24日

数年前に比べて、ニューヨークのベジタリアン・ビーガンレストランは格段に進化している。「アース・トーンズ(Earth Tonez)」は、美味しさとヘルシー志向というニーズに応えるだけでなく、グリーン・コンシャスなコンセプトで顧客の支持を得ている。
 


おいしくなったベジタリアンフード

 

ベジタリアン・カフェ「アース・トーンズ」のオーナー、ウイリアムさんとバインさん
ベジタリアン・カフェ「アース・トーンズ」のオーナー、ウイリアムさんとバインさん

ニューヨークにはもともとベジタリアンやビーガン(卵や蜂蜜も食べない厳格な菜食主義者)が比較的多いところだが、さらにベジタリアン志向の人が増えつつあるらしく、ここ数年、少しずつベジタリアンレストランが増えてきている。ベジタリアンやビーガンを志向する理由は、健康志向、または、動物愛護の精神に根ざしたものが多い。だが、最近は、自分の食生活が地球環境に大きく関わっているという意識から、地球環境になるべく負荷をかけないライフスタイルとして、ベジタリアンを志向する人も増えてきているようだ。

「アース・トーンズ」のふたりのオーナーのひとりジュマン・D・ウイリアムさんは、動物を殺してまで食べたくないという理由で子供の頃から23年間ベジタリアン。もうひとりのK・バインさんは健康のためにときどきベジタリアンを志向するなるべくベジタリアン。バインさんはベジタリアンやビーガンを理解はしても、おいしさという点でベジタリアンフードに満足していなかった。

キノコを原料としたマイクロプロテインのソーセージ入りサンドイッチ($9.50)。トレイは生物分解性プラスチック
キノコを原料としたマイクロプロテインのソーセージ入りサンドイッチ($9.50)。トレイは生物分解性プラスチック

しかし、最近は肉やソーセージなどにかなり似た味や食感をもつ植物系の食材が出てきたことと、2年間のマーケティングリサーチの結果、「このエリアのビジネスがグリーンになってきている」ことから、ベジタリアンカフェに踏み切った。このエリアというのは、ニューヨーク、ブルックリンのミドルクラスの住宅地で、社会意識の高い人が多く、ベジタリアンも多い。こうした人たちは、グリーン(エコ)に敏感で、グリーンに配慮したビジネスを応援しようとする傾向が強い。

 


プラネット・ファーストに消費者も共感

メニューで生物分解性のパッケージを使用していることをアピール
メニューで生物分解性のパッケージを使用していることをアピール

そこで「アース・トーンズ」では、可能な限りローカル、オーガニックの野菜を仕入れるようにし、美味しくてヘルシーなベジタリアンフードを提供することにした。さらに、ほかのベジタリアンレストランとの差別化として、「地球環境にいいことなら何でも取り入れる」プラネット・ファーストを打ち出した。

使い捨てのフォークやスプーン、トレイなどは通常のプラスチック製の倍近くコストがかかるが、じゃがいもやサトウキビなどから作られる生物分解製のものを、洗剤は有害物質が使われていないものを使用。テイクアウトメニューはなるべく紙の使用を減らそうと廃止。地場の野菜を使用するのも、新鮮であるというだけでなく、遠距離輸送を必要としないことから自然環境にもいいからだ。

こうした“グリーン”な姿勢に共感して徐々に客も増えている。中にはタッパーウエアを持参して買いにくる人もいるという。また、カフェをオープンしてみると、驚いたことに子供のベジタリアンがたくさんやってくるようになった。カフェの真向かいがミドルスクールで、ベジタリアンやビーガンの子供たちがランチを買いにくるので、店はランチタイムは子供たちでいっぱいになる。そこで同カフェでは、急遽、子供たちのために5ドル以下のキッズメニューを作った。

「アース・トーンズ」のビジネスはまだ軌道にのったとは言えず、メニューもまだ改善されていくだろうが、同カフェのコンセプトはこれからのフードビジネスのあり方を示唆しているようだ。これからのビジネスは、グリーンに敏感でなければ意識の高い消費者の支持を得られなくなっていくだろう。

ランチタイムにはベジタリアンの子供たちがランチを買いにくる
ランチタイムにはベジタリアンの子供たちがランチを買いにくる

取材・文/手代木麻生

※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。