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アメリカの最新流通トレンド
Venture Link International,Inc.責任者 村井芳郎(ロサンゼルス在住)

更新日:2006年04月15日

郊外のロードサイドビジネスといえば、アメリカが先駆であり、アメリカの流通の中心となっている。
流通形態の変化は、日本が駅前商圏から周辺の住宅地、郊外ロードサイド型の立地へと発達したのに対し、アメリカは、大都市の郊外に新興住宅地が次々に開発され、荒野に突然新しい町(タウン)ができるという、 発達の仕方によっている。
アメリカでは、道路沿いに小売店が並び立つより、集客力の強いショッピングセンターの形成の方が、効率的、効果的だった。
そういった状況に、さらに、アメリカの団塊の世代であるベビーブーマーの影響が加わり、形態が変わりつつある。
アメリカの流通事情を、過去にさかのぼって考察してみよう。


■パワーセンターの進化形ライフスタイル・センター

1956年、ミネソタ州に誕生したSouthdale Center
1956年、ミネソタ州に誕生したSouthdale Center

昨今のアメリカの流通事情を大きく方向づけたのは、いまから50年前の1956年、 アメリカ初の全天候型インドア・ショッピングモール「SouthdaleCenter 」の誕生だ。
その後、新しいストア空間である「ショッピングセンター」の開発とともに成長してきたのが、 アメリカの小売業の主役となっているウォルマート、Kマート、ターゲットなどの「フルライン・ ディスカウント・ストア」であり、カテゴリー・キラー(※1)と呼ばれる「スペシャル・ディスカウント・ストア」だ。

80 年代にはアウトレットセンターが生まれ、90年代に入るとウォルマートなどのスーパーセンター(※2)、 COSTCOなどのウエアハウスクラブ、BESTBUYやSTAPLESなどのスペシャルティ・ディスカウントストアが流通革命の主役となった。 そのころからパワーセンター(集客力の大きい店舗が集まった商圏が広いショッピングセンター)というコンセプトが脚光を浴び、 さらにそれが進化して今日ではもっとも新しい形態として「ライフスタイル・センター」のコンセプトが生まれている。



■都市周辺に立地する熟年向けオープンモール

ライフスタイル・センターとは、ベビーブーマーの熟年化に伴い「身近な場所で効率的に買い物をしたい」「 地域コミュニティを大切にしたい」といったニーズが拡大していることを受けて急速に広まっている形態。
@オープンモール、A基本的に核テナントがない、B郊外でなく都市周辺地区に立地、 C熟年世帯を対象とする専門店や飲食店などで構成される(比較的高額商品の品揃え)などの特徴をもつ。

消費者の傾向というと、オンライン・ショッピングが急成長している一方で「インストア」で商品を手に取って購入するパターンが依然として人気で、 利便性に加えてライフスタイルやエンターテインメント、 顧客満足度を提供できる小売店に人気が集まっている。
ロードサイドのフリースタンディング店舗の視認性は高いが、十分な駐車場を確保し、かつアクセスに便利なショッピングモールに人気が集まるため、 小売店はショッピングモールに出店せざるをえないのが昨今の流れだ。

そして、利便性ばかりを追求した従来のショッピング・センターよりも、買い物客に対してエンターテインメント性の高いスペースを提供し、滞在時間を少しでも延ばす 「ライフスタイル・センター」への出店を狙う小売店が増えていることが、今後のアメリカの流通の方向性を語っているといえるだろう。

※1:特定分野の商品群において圧倒的な品揃えを行ない、低価格大量販売をする小売業のこと。カテゴリーキラーが出店すると、商圏内の競合店の当該カテゴリーの売上高が極端に低下し、取り扱いを止めてしまったり、部門廃止や縮小に追い込まれていったことからこの名前が命名された。

※2:食料品ストアーおよびディスカウントストアー(日本でいうホームセンター)を同じ建物内に 配置して1カ所のレジにて会計を行なえる小売業態(店舗)の総称。日本の例ではドン・キホーテが該当する。

※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。