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排出した二酸化炭素は自己責任 「カーボンオフセット」が常識になる?

更新日:2007年02月07日

昨年米国でブレイクした言葉と言えば「グリーン」。これといっしょに新聞などでよく取り上げられたのが「カーボンオフセット」だ。米国では、ビジネスで、または個人の生活の中で排出される二酸化炭素をオフセットする企業や個人が増えている。
 


カーボンオフセットへの関心の高まり

カーボンオフセットとは、自分が消費したエネルギーから産出される二酸化炭素の量を算出して、それに見合う金額を、これを相殺するために必要な植林やクリーンエネルギー事業などに支払うというしくみだ。1997年にイギリスではじまり、欧米や日本にも広がったもので、米国では数年前から、カーボンオフセットをコーディネートする団体が設立されるようになった。

グリーン・ビジネス・コンフェレンスでも二酸化炭素排出量削減は大きなテーマとなった
グリーン・ビジネス・コンフェレンスでも二酸化炭素排出量削減は大きなテーマとなった

そのひとつ非営利団体「カーボンファンド」は2004年設立。以来、500の企業と10万人の個人がこの団体のシステムを利用してカーボンオフセットを実施している。広報担当によると、この団体への寄付金だけでも2006年は85万ドル。これが、2007年は400万ドルから500万ドルに達する見通しだという。この1年間だけでも、カーボンオフセットに対する関心は数倍に高まっていることになる。

 

 

二酸化炭素排出量を手軽に算出

 

日々の生活で、私たちは直接、間接的に二酸化炭素を出している。カーボンファンドのサイトに行くと、日常生活で使うガスや電気などのエネルギー、車や飛行機を使ったときに消費されるエネルギーなどから、オフセットすべき金額が算出されるようになっている。オフィスや家庭で使うエネルギーから間接的に生み出される二酸化炭素の量や、自分が車を使用して出した二酸化炭素の量も計算できる。

たとえば、ニューヨークのケネディ空港から成田空港まで飛行機を使うと、片道、ひとり当たり2.44トンもの二酸化炭素が発生する。これをオフセットするのに13ドル40セントかかる、という具合である。こうしてはじき出された金額をカーボンファンドに支払うと、この団体が植林やクリーンエネルギー事業に資金を提供して、排出された二酸化炭素を相殺するという仕組みだ。

前回レポートした「グリーン・ビジネス・コンフェレンス」の参加者はコンフェレンスの趣旨もあり、ほとんどの参加者がゴミを減らす努力や、省エネなど、何らかの環境対策を実施していたが、自分のビジネスや家庭生活から出る二酸化炭素に対してカーボンオフセットを実践している人も少なくなかった。

結婚式だってカーボンオフセット

グリーンビジネスへの投資を中心としたリタイアメントプランを提供しているロブ・トーマスさんは、自分のビジネスと家庭生活から出る二酸化炭素を、昨年は合計180ドル、さらに出張の飛行機移動の分として年間50ドルをオフセットした。また、LAのフォトサービス会社、「マーク・レイボウィッツ・フォトグラフィー」は、車や飛行機などの利用、ビジネスで使用する電力消費によって排出された二酸化炭素を、100%風力発電事業にオフセットしている。

排ガスを減らすべく、NYのイエローキャブは2012年までに全車、ハイブリッド車になる予定
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カーボンオフセットを行なうことは、法律で定められているわけでも、義務でもない。環境税を自己申告によって支払うようなものだ。にもかかわらず、企業はもとより、スモールビジネスや個人でも、進んでカーボンオフセットを行なう人が増えているのはなぜか。カーボンファンドの担当者は、「カーボンオフセットは二酸化炭素排出路湯削減につながるだけでなく、それによって集まった資金でクリーンエネルギーの開発の促進にもつながる。カーボンオフセットを行なう人たちは、地球に与える自分の影響に対して責任を果たそうとしている」と話す。

また、「二酸化炭素の排出の原因となる活動は何でもオフセットできます!」とも。そういうわけで、カーボンファンドでカーボンオフセット・ウエディングを挙行したカップルも数十組にのぼるという。まさに今後世界の主流となる、いや、なっていくべき考え方といえる。

 

取材・文/手代木麻生

※記事は作成日時点のデータですので、あらかじめご了承ください。