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ファッション雑貨の999円ショップ
株式会社エリマキ

更新日:2013年11月20日

ストールや帽子、バッグなどトレンドを押さえたファッション雑貨を999円で販売するショップが登場した。
 


 
株式会社エリマキの中村蘭社長
株式会社エリマキの中村蘭社長
 
 
『Erimakee』店舗外観
『Erimakee』店舗外観
 
 
『Erimakee』店舗外観
『Erimakee』店舗外観
 
 
トッピングアイテム、小物を主力商品とする
トッピングアイテム、小物を主力商品とする
 
 
 
 

起業のきっかけは中国視察への同行

ファッション雑貨の999円ショップを展開する株式会社エリマキの中村社長は、学生時代、日本人の通訳として絵画の額縁を探す手伝いをしていた。その関係で中国を訪れたとき、中国では100円で販売されている商品が日本では3,000円で売れる事実を知り、商売というものに強い関心を持ったという。こんなことなら自分で事業を起こそうと考え、卒業後は就職せずに、知り合いと事業を立ち上げたのだった。

最初は額縁を仕入れて販売したり、TシャツなどアパレルのOEMを手掛けていた。OEMでは、卸売価格と小売価格のギャップの大きさを改めて実感した。そして、大量に販売することができればそのギャップは小さくなり、消費者に安く商品を提供できる、と考えた。アパレル販売事業のスタートは、ストールのサンプル品の販売からだった。偶然にも表参道に空き店舗を見つけ、1号店を出店したのは2008年のことだった。アパレル販売事業への進出に対しては、何の迷いも不安もなかった。失敗を考えるよりもチャレンジしたいという気持ちの方が圧倒的に強かったのだ。

表参道店は予想以上に繁盛し、顧客の反応も非常に良かったので、すぐに表参道に2号店を出店し、商品開発にも注力し自社製品も販売するようになった。このとき、商品の80%をストールが占めていたため、社名は『エリマキ』とした。

表参道店の成功で出店依頼が殺到

表参道店、そして、その後に続いた青山店も成功し、ショッピングセンターや百貨店から出店要請が来るようになった。最初に出店したのは"吉祥寺PARCO"だった。ショッピングセンターや百貨店内の店舗は、催事からスタートし、半年くらい様子を見て正規店に移行するというのが通常のパターンだ。このチャンスを逃さぬよう、声をかけてくれた所には積極的に出店してきた。2013年8月まで急ピッチに店舗をオープンさせ、最も狭い店舗は壁面2坪程度で、最も大きい店舗は34坪もある。平均すると15坪程度だが、店舗面積は店によって様々だ。

ショッピングセンターや百貨店への出店が続いたある日、大手百貨店から短期催事を提案された。ノウハウが無いので断ったが、熱心に来社し話をする担当者の熱意に負けて、短期催事にも挑戦することにした。催事をスタートする前は、日商20万円程度を見積もっていたが、いざ出店すると初日で50万円もの売上を上げ、3日間分の在庫が1日で完売しまうという予想外の結果となった。

そこで、初日終了後、夜間にトラックで東京に向かい、商品を積んで早朝大阪に戻り、2日目のオープンに間に合わせた。2日目以降も予想外に売れ行きが伸び、商品補充のために置いていた段ボールやレジにできる長蛇の列に他のテナントからクレームが来るほどだった。

この催事で手ごたえをつかみ、月10カ所から15カ所のイベントを実施するようになった。今では1日に4〜5カ所でのイベントが重なることもあるという。短期催事は、1週間で500万〜600万円ほどの売上になるため、今後も積極的に広げていきたいと考えている。

催事では、最新トレンドの商品を999円で販売するという方法が気に入ってもらえているようだ。催事販売と直営店舗の展開を繰り返す中で、他の成功要因もつかんだ。30坪を超える立地ではカラー別に展示ができ、商品の見栄えが良いことも分かってきた。今後の出店は、立地の見極めから、じっくりと取り組んでいくつもりだ。

コンセプトは『ささやかなときめき』

昨年の秋冬までは中国の工場で販売していた商品や、少しアレンジされた商品を販売していたが、今年からは自社でデザインした商品も多く販売するようになっている。コンセプトは『ささやかなときめき』。消費者が商品を探すポイントは、驚きがあるかどうかであり、デザイナーにもそのコンセプトを徹底した商品開発をさせている。メインターゲットは、30代前後の独身女性である。安いから自分へのご褒美としても購入しやすいし、友達への気軽なプレゼントとして購入されることも多い。1,000円でお釣りが来て、なおかつ、麻やコットンなどを使った商品の品質の高さにも驚かれる。

Tシャツなどのアパレルを販売していた時期もあったが、今は、ストールや帽子などのトッピングアイテムに絞っている。洋服は他のアパレルショップで購入してもらい、帽子やストール、バックや靴などのトッピングアイテムはエリマキで選んでもらう。実際、福岡市の"CANAL CITY"の店舗では、他のファッション店で購入した服を持ち込み、小物はエリマキで買う人も多いという。

「トッピングアイテムならエリマキに寄って見てみよう」と言われるようになりたい、と中村社長は語る。海外の大手ファストファッションメーカーでは、アパレルの商品数は圧倒的に多いが、トッピングアイテムは少ない。しかも、セール時期になると洋服は500円程度にまで値下げされるが、トッピングアイテムがセールで大幅値引きされることはほとんどない。そこで、トッピングアイテムに絞った店舗展開をすることで、大手アパレルメーカーと共存しようと考えた。トッピングアイテムを扱うことには他にもメリットがある。ファッション雑貨を扱っている店舗は、ショッピングセンター内でもテナントとして配置しやすいのだ。

消費者に『ささやかなときめき』を与える商品づくりには苦労もある。商品は海外で生産しているが、売るべき時期に商品が入荷されないこともある。例えば、7月に販売するTシャツが9月に入荷してきたこともある。その時は、もはや旬な時期ではなくなってしまっていたため仕方なく599円で販売した。

ストールにおいても、季節によって素材が異なるため、入荷時期が遅れてしまうと、安く販売せざるを得ない。また、実際に生産した商品がサンプルと異なっていることもあったという。日本人は品質について厳しいが、厳しく検品するとメーカーから「単価が合わないから作れない」と言われてしまう。難しいことであるが、価格と品質のバランスを取っていかなければ、付き合ってくれる業者もなくなってしまう。

その点、大量仕入・大量販売だと単価は安くなるし、大量取引先ということでこちらの注文にも対応してもらえる。幸い、店舗網が増えた今は、大量発注が可能となった。これまでの積極的な出店で一気に拡大した店舗網が役に立っているのだ。

夢の実現へ

店舗数も増え、認知度も高まった今、注力して取り組んでいるのはブランディングだ。これから生産される商品にはすべて、『Erimakee』のロゴやアイコンが付けられる。また、ブランドのある他社と提携し、他のブランドショップでエリマキのトッピングアイテムをラック販売することも考えている。例えば、メンズのシャツショップにエリマキのストールを特設販売する。これもアパレルメーカーとの共存の一例だろう。

10年以内に1,000店舗を実現したいという夢もあるが、今は2〜3年以内にブランドメーカーと共存した1,000ラックを実現したいと考えている。

中村社長は、海外への出店も視野に入れている。ターゲットにしているのは、トッピングアイテムを上手に使ってオシャレを楽しむヨーロッパだ。ヨーロッパでは、トッピングアイテムだけのショップもあるが、安くとも1,900〜2,000円程度であるため、エリマキの価格帯で商品展開することができれば価格競争力を発揮できる。ヨーロッパに赴いたとき、安くて良い物の選択肢が意外に少ないことを実感したそうだが、それだけに、低価格でファッションを楽しめる商品は、潜在的に期待されているのではないかという。

ファッションの情報発信地であるヨーロッパで、『Erimakee』ブランドがブームを巻き起こす日を楽しみにしたい。

会社概要

企業名:株式会社エリマキ
所在地:東京都千代田区富士見1-2-25
資本金:2,832万円
 URL http://erimakee.com/jp/