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気軽に楽しく学ぶ、日本初の英会話バーが誕生

更新日:2013年09月18日

英会話を学ぶ、といえばスクールに通うのが一般的だが、グラスを片手に、気軽に、楽しく、リーズナブルに英語が学べる「英会話バー」が誕生し、話題となっている。
 


 
阪野思遠氏
「カフェでなくバーにしたのはカジュアルな雰囲気を演出したいから。英語の日常会話を交わすことで、先生と生徒ではなく、友人としてのコミュニケーションが生まれる」と語る阪野思遠氏
 
 
下北沢の店舗
駅から3分以内にこだわって、2〜3カ月かって見つけた下北沢の店舗。家賃の関係で新宿・渋谷は難しかったが、その両方に近く、需要があると見込んでこの地を選んだ
 
 
店内写真
月曜日は「Students' Day」で、いつもの学割10%OFFが20%OFFになる。月に一度の「International Party」では、年齢も国籍も超えたさまざまな人々が集う
 
 
 
 
 
 

脱サラして開業した、若き経営者の軌跡

若者に人気の町、東京・下北沢の駅から徒歩1分。路地に面した看板には「英会話バー」の文字。地下に続く階段を下り、お店のドアを開くと、ゆったりとしたソファーでくつろぎながら外国人スタッフと会話を楽しむお客の姿が目に入る。

ここは、今年4月にオープンした英会話バー「LanCul(ランカル)」。全営業時間に外国人スタッフが常駐して、お酒とともに英会話を提供するスタイルはこれまでになかったというから、日本初の業態といえる。

代表の阪野思遠氏は、昨年大学を卒業したばかりの23歳。新卒で一部上場の老舗商社に就職し、並行して始めたのが、いまのお店の前身となる同種のサービスだった。週末のみ既存のバーを部分的に貸し切って開催していたが、それが人気を呼んで収容しきれなくなったことから、独立開業を思い立ったという。サラリーマン生活を始めて、わずか8カ月後のことだった。

もちろん、開業までには時間をかけた。もともと独立志向のあった阪野氏は、以前から勉強会やセミナーに参加して、マーケティングを学んでいた。そこで出会ってすぐに意気投合したのが、共同出資者である宇田川富大氏だ。そのほか、サラリーマン時代の英語研修の講師であったオーストラリア人男性も出資者に名を連ねる。

そもそも、阪野氏が英会話バーを始めたのには、子どものころに味わった自らの体験が大きく影響している。

「中国人の両親が離婚して、母親が日本人と再婚することになり、10歳のとき母親と一緒に上海から日本に移り住みました。日本の小学校に通うことになったのですが、そのときに感じた言葉の壁・文化の壁が、この事業を始めるきっかけになりました」(阪野氏)

まったく日本語が話せない状態で来日したわけだから、その苦労は容易に想像できる。阪野氏は、模索しながらも自らの力で壁を打破することに成功したが、外国人とうまくコミュニケーションが取れないのは、日本人の弱みでもある。その気持ちがわかるからこそ、この事業を通じて、「視野を広げる」「新しい価値観を受け入れる」ことの大切さを伝えていきたいという。

英会話スクールにはない「通いやすさ」で差別化

「LanCul(ランカル)」では、カフェバーとして英会話なしの利用もできるが、英会話を利用する場合でも、入会金や予約の必要はない。いつでも、気軽に来店でき、時間ごとに定められた料金を支払うだけだ。価格も、1時間までが1500円、2時間まで2500円、時間制限なしでも3000円と高くない。ドリンクのオーダーは自由で、ビールやカクテルなどアルコール類が全品500円、ソフトドリンク400円、3時間の飲み放題が2000円となっている。300〜600円で食事メニューも提供する。このような価格設定は、「通いやすさ」を意識したものだ。それとともに「楽しさ」も重要な要素で、それらが「続けやすさ」につながり、最終的に「上達の早さ」につながると考えている。既存の英会話スクールとの違いを鮮明に打ち出した格好だ。

「英会話スクールは長く通ってもらって儲かる仕組みになっている。逆説的にいえば、早く上達させないほうがよいともいえます。通うほうも、お金を払ったのだから行かないといけないとか、任せておけば上達するだろうといった甘えの気持ちなど、ネガティブな感情が働いている。うちは無理なく、コミュニケーションを楽しんでもらうのが目的だから、ポジティブな気持ちで通ってもらえます」(阪野氏)

しかしながら、お酒を飲みながら英会話を学べるものなのか、という疑問がないわけでもない。それについては、「適量のお酒は記憶力を高める効果がある」との調査結果があるそうで、実際に阪野氏が大学で専攻していた英語の教授もそのように語り、適度な飲酒を勧めていたという。

また飲酒の効用には、コミュニケーションを円滑にすることがあるだろう。日本人は外国人と接するとき、とかくシャイになりがちだが、お酒の力で最初の一歩を踏み出せることが少なくないということだ。

全国展開を視野に、コミュニティづくりを目指す

サービス内容を決めるにあたり参考にしたのが、先のオーストラリア人男性の助言だ。大手英会話スクールや学校法人などで長年日本人に英語を教えてきた経験があるから、何が必要か、また必要でないかを知っている。たとえば同店ではスクールなどで一般的に行なわれているクラス分けを実施していないが、それも彼のアドバイスによるものだ。

「レベルを分けることで本人たちは安心するかもしれませんが、結局はネイティブスピーカーが相手のレベルにまで下げて話すので、一時的に自信がついたとしても実際には通じない英語しか身につきません。レベルを分けないことで、ネイティブスピーカーの本来のスピードに慣れることができます」(阪野氏)

また同店では、ひとつのテーブルの定員を6〜7人までと定めているが、これは効果的なコミュニケーションを考えた数だという。英語を話す外国人スタッフは、アメリカ人、オーストラリア人、イギリス人、カナダ人、フィンランド人、ドイツ人、シンガポール人、イタリア人と国籍も多彩だが、たとえば彼らに「お風呂の入り方」など日本の文化を伝えなければならない場面では、同じテーブルについたグループはレベルが違ってもたがいに助け合いながら結束するので、楽しく、効果的に英語が学べるということだ。

顧客満足度も88%(大変満足=39%、満足=49%)と上々のようで、最初は半信半疑だったお客も実際に体験すると、外国人とコミュニケーションが取れたことを喜ぶ声が多いという。新規客も順調に増やしているなかで、半数近くをリピーターが占めているということだ。

将来的には全国展開を目指しているが、阪野氏いわく、英会話バーというスタイルにはとくにこだわっていないという。店の名前の由来である「言葉(Language)」と「文化(Culture)」が交わるコミュニティを全国に創り出していくのが夢だ。

「インターナショナルな時代だからこそ、海外を知る、新しい価値観を知る場所が必要です。人が集まるところにお金が集まるわけで、国籍を問わず集まれる場所を提供していきたい。そうすることで、日本がもっと元気になればよいと思うのです」(阪野氏)

会社概要

LanCul株式会社
住所:東京都世田谷区北沢2-26-25 アーロム下北沢B1F
資本金:995万円
従業員:15人(アルバイト含む)
URL:http://www.lancul.com/